新年早々、突如として解散風が吹いたと思ったら、あっと言う間に解散して始まった衆議院選挙も既に終盤。2月8日の投開票日に向けて、各陣営は1票でも多く取り込もうと奮闘している。
大型選挙の際に選挙のあれこれを取り上げる「選挙の舞台裏」では今回、選挙の具体的な活動方法、その中でも有権者の目に直接触れることが多い街頭演説会がどのように行われているのか──などについて探ってみた。
一般的に、政治に関わる活動方法を大別すると、地上戦、空中戦の2つに分類できる。最初に地上戦を説明すると、有権者に直接的にコンタクトを取り支持を訴えるスタイル。これを普段からマメに実践し、より本番での投票を確実なものにするために、後援会と称する支援するグループ、団体を組織する候補者が多い。普段から地域を回り、選挙区の祭りやイベントに積極的に顔を出して支持者を増やす。こうした機会に、現職であれば地元の要望を聞いて政策に反映する──と、とにかく地域活動にいそしむのだ。
古くから語られている選挙用語に「ドブ板選挙」というのがあるが、これなどは地上戦の典型だろう。この言葉の意味は、路地裏の家まで一軒一軒訪問し、ドブ板を踏んで回るように支持を訴える選挙活動。現実的には、一軒一軒の家を回る戸別訪問は法律で禁止されているものの、地を這うように有権者に接するのが地上戦だ。よく、選挙について「公示日には結果がほぼ決まっている」と言われるのは、事前に地上戦をどれだけこなして来たかで差を判断できるためである。
一方の空中戦だが、これは不特定多数の人に街頭演説やビラ配り、などを通じて支持を訴えるもの。
地上戦が確実に票を積み上げていくのに対し、空中戦は効率良く大勢の人にアピールして票を集めようとする。ただ、確実性について言えば、地上戦に軍配が上がることに間違いない。空中戦では、短期間に名前のほか考えまで浸透させるのは難しく、その時々のイメージの良し悪しという要因も重なると、得票になかなか結び付かない。
候補者が有名人である、あるいは大臣経験者、長い活動で地元での知名度が高い──などで名前が選挙区で浸透していれば、自らが広告塔のようになるため、それだけで空中戦で優位に立てることを付け加えておけよう。
所属政党に追い風に吹いている場合は、空中戦が重要になる一方、逆風が吹くと、普段の地上戦の活動量が当落を左右する。ゆえに、逆風が吹く政党に属していても、地上戦をしっかり積み上げて強固な地盤を築き当選を重ねてきた候補者は、よほどのことがあっても落選しない。
さまざまな要素が絡んでくるだけに、候補者にとって、選挙活動は地上戦、空中戦をバランスよく行うことが理想的と言えよう。
さて、地上戦と空中戦がミックスされた格好で行われる活動がある。駅前や繁華街で行われる街頭演説会がそれだ。
街頭活動と言えば、うぐいす嬢(男性の場合はカラスと呼ぶ)が街宣車(戦車に引っかけて略して「宣車=せんしゃ」と呼ぶ)に乗車して、車上からスピーカーで名前を呼び、政策をアピールするのが典型的だが、駅前で演説する通称「駅立ち」や、車が多い交差点で訴える「交差点立ち」、マンションなど高層住宅に向かってアピールする「マンション立ち」といった辻立ちが定番だろう。
ただし、選挙活動でマイクが使用できるのは8時~20時と法律で決められているので、8時以前の活動(「朝立ち」「朝活」などと呼ぶ。反対に20時以降、終電まで活動するようなケースでは「終電立ち」と言う)の場合、「おはようございます」「いってらっしゃいませ」をひたすら繰り返す、マイクを使わずにあいさつを行うだけの候補者が多い。スポット的に辻立ちを行う街頭演説だが、現職大臣や著名議員・大物議員などが応援演説をする場合、地上戦と融合させて行う場合がある。動員と呼ばれる、後援会など地上戦で培った支援者を会場に集める行為がそれだ。
ゲストが人気ある人物であれば、場所と時間を告知するだけで人が集まる。たとえば、捨て看(すてかん=葬儀の場所を知らせる時に使用される、布製の使い捨て看板。選挙で使用するのは違法だが、演説終了後すぐに撤去すれば警察当局も大目に見てくれることが多いようだ)で幅広く告知しても、よほどの人気者でなければ人は集まらない。人が少なく人気がないと通行人に思われると、その政党や候補者のイメージを損ないかねないため、動員をかけるのである。
ごく一握りの大物クラスだと、動員をかける必要はないが、たいてい、人だかりとなる街頭演説会は支持者が動員されているケースがほとんど。呼ばれた人は、企業、組合、宗教団体──政党の支持団体によってさまざま。熱心な支援団体ほど人が集まり、たとえば、複数の会場で行う場合、どの会場に行っても聴衆は同じ顔ぶれということも少なくない。
最近では、SNSを告知する手段として多用するケースが多いものの、この場合、やはり効果があるのは著名人が応援演説に訪れるか、公認を受けた政党に追い風が吹いている──などに限られ、そうでない場合は、もともと空中戦のツールであるSNSはあくまでも空中戦としてのツールにとどまる。
2024年に行われた東京都知事選挙や兵庫知事選挙などによって、選挙活動の在り方はSNSを中心としたネット活用にかなり傾斜し、選挙そのものが変わったと言われることが多い。それでも、昔ながらの地上戦と伝統的な空中戦が効果を発揮するのも事実だ。田中角栄元首相が言ったとされる「握手の数しか票は増えない」という選挙の鉄則は、今でも通じるものがあり、最終盤を迎えた選挙戦で街頭演説会の後で、候補者が聴衆と握手に励む光景が見ることができる。
水野文也 元ロイター通信記者。金融・株式を中心に経済を担当。千葉県議会議員を務め、現在は経済ジャーナリスト。
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