廃虚には、そこが活気にあふれていた頃の時間が閉じ込められていて、打ち捨てられているにも関わらず説明できない魅力を持っている。そんな不可解さを目指して歩くのに最適な『ニッポンの異空間』(関口勇著、大和書房、税込み1870円)が2月11日に発売される。

 たとえば今も崩壊が進み目が離せない「軍艦島」や、商業施設に食い込む産業遺産・ドックヤードガーデン、ゴンドラごと残る2つのロープウェー廃墟、廃虚感が歴史の重みを増幅している佐渡金山のほか、近年新たに一般公開が始まった戦争遺跡など、退廃美が広がる場所、巨大工場や奇妙な構造物など機能美を感じる建物、珍寺や珍神社など信仰が生み出した施設など、著者がこれまで取材してきた異空間を5つの分野に分け、それぞれの魅力や見どころを偏愛さく裂な筆致で紹介している。

 著者は「異空間は至る所に存在し、ふだん着でちょっとそこのコンビニへ、ぐらいの感覚で行ける」と書く。案外身近なところに面白い場所が隠れているかもしれない。

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