重要文化財の能舞台で、人間国宝の上演を楽しむ。普段接する機会の少ない人にとって、伝統芸能は敷居が高いと感じるかもしれない。

しかし、桜舞う季節の幻想的な舞台は、伝統芸能への理解度に関わらず日本人の琴線に触れる景色だろう。兵庫県丹波篠山市の国指定重要文化財、春日神社能舞台で4月11日 (土)に、人間国宝・大槻文蔵師を迎えて「第51回篠山春日能」が開催される。

 大槻文蔵師が舞う演目は、「杜若(かきつばた)」。諸国一見の僧が京、美濃、尾張を経て三河(愛知県)へたどり着き、水辺に咲き誇る杜若に見ほれている時、杜若の精に声をかけられる。ほかにも、評判の清水をくみに行くよう命じられた太郎冠者の物語「清水」や、一条天皇の勅命で剣を新造する「小鍛冶(こかじ)」も演目に並ぶ。

 春日神社能舞台での能会は、明治にはほとんど催されなくなり、舞台が本来の形で使われることはなくなっていた。しかし、地元有志が能会を復活させようと尽力し、1973年に第1回の篠山春日能を開催。毎年元旦には「元朝能」として翁(おきな)が奉納されており、現在は年に二度の能会が開催されている。

 境内にある能舞台は、2003年に国の重要文化財に指定された。音響効果のために床下に据えられた7つの丹波焼の大甕(おおがめ)が残っていることが特徴。平時は雨戸で閉ざされているが、雨戸が閉まっていても床下の大甕がのぞける小窓がある。訪ねた際にはぜひのぞいてみよう。

 当日11時開場、13時30分開演。料金は指定席S席(正面):前売り7500円・当日8000円、A席(正面北前方・正面後方・脇正面前方):前売り6000円・当日6500円、B席(正面南前方・脇正面後方):前売り5500円・当日6000円。自由席(正面北後方・正面南後方・中正面):一般前売り4500円・当日5000円。学生(大学生以下):前売り1000円(当日同額)。チケット購入方法など詳細は丹波篠山市のホームページに掲載している。

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