3月は「卒業」のシーズン。あなたは「卒業」したいものがあるだろうか。
雑誌「ハルメク」を通じて50代以上のインサイトを日々探求する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、ハルメク世代の「卒業したいこと」のアンケート結果を公開した。それによると、50歳以上の女性の実に92.2%が、何らかの事柄から「卒業したい」と考えていることが明らかになった。調査対象は全国50~87歳の女性で、回答者数は事前調査524人、本調査498人。
アンケートの結果、「卒業したいこと」の第1位に輝いたのは「モノを増やす・ため込むこと」。特に60代から70代以上の層でその傾向が強く、理由としては「これからの人生で無駄なことに時間を使いたくない」「心の重荷を軽くしたい」といった声が目立つ。長年連れ添った愛着のある品々であっても、自分に万が一のことがあった際の家族への負担や、管理に追われる時間のロスを考慮し、動けるうちに整理をつけたいという切実な思いが反映されている。物理的なスペースの確保だけでなく、精神的な「余白」を求める姿勢が、この世代の大きな特徴と言える。
続く第2位には「不調や持病(肩こりや腰痛含む)」がランクインした。こちらは50代で首位となっており、若年層ほど切実な悩みとなっている。更年期以降の急激な体調の変化に直面し、思うように動かない体へのもどかしさを感じている層が多いようだ。健康で快適な生活を取り戻すことで、自分自身を再びコントロールしたいという願いも背景にはある。第3位には「義理での付き合い」が続き、煩わしい人間関係から解放され、本当に心許せる人との穏やかな時間を優先したいという、人間関係の見直しを望む声も根強い。
こうした「卒業」の動きについて、「ハルメク 生きかた上手研究所」の梅津順江(うめづ・ゆきえ)所長は、それらを単なる断捨離ではなく「人生の再設計」であると分析する。かつては美徳とされた節約志向や、家族のために尽くす「母親・妻」としての役割、あるいは年中行事や贈り物の慣習といった、長年当たり前だと思い込んできた義務感を一度手放すプロセスだという。それは自分以外の誰かのために使ってきた時間を、本来の「自分軸」へと取り戻す作業に他ならない。50歳からの卒業は、「人生の終章ではなく、新しい暮らし方の静かなる序章」なのかもしれない。











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