2030年までのHIV(エイズウイルス)流行終結を目指し、当事者団体や製薬会社など6団体が3月25日、写真や映像を通じてHIV/AIDSへの理解を促すプロジェクト「知ることから、できることへ。HIV流行を終わらせよう。」を開始した。

終結に向けた取り組みに賛同する人を写真家レスリー・キー氏が撮影し、HIVやエイズにまつわる疑問と答えともに支援コンソーシアム「GAP6」のウェブサイトに掲載(5月末ごろ予定)、それを見た人がSNSなどでさらに情報拡散することで賛同の輪を広げよう、という狙いだ。

 6団体は、ぷれいす東京(東京都新宿区)、はばたき福祉事業団(同)、魅惑的俱楽部(静岡県浜松市)、ZEL(仙台市)、金沢レインボープライド(金沢市)、ギリアド・サイエンシズ(東京都千代田区)で、差別・偏見の解消や、検査、予防、治療の課題の解決を目指して活動している。

 3月25日に都内で開いた記者発表会では、各団体の代表や診療に当たっている専門医が「HIVに対するスティグマ(社会的偏見・差別)、負のイメージがつきまとっている」「地方都市で新しく正しい知識が普及していない」「治療が良くなって感染者が長生きできるようになり、20代、30代はリアリティーを感じるのが難しい」などの課題を紹介した。その上で「情報が広がることで、HIVを自分のこととして考えてくれるきっかけになれば」とプロジェクトへの期待を語った。

 2030年は、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が目標とするHIV流行終結の期限。UNAIDSは終結に至る指標の一つとして、感染者の95%以上が検査などで診断され、診断された95%以上が治療を受け、治療を受けている人の95%以上が血液中のウイルス量が低く抑えられているという「95-95-95」を掲げている。しかし、国内では診断率は90%に届いておらず「2030年まで5年を切った現在、流行終結には支援団体の枠を超え、社会全体で機運を高める必要がある」(ギリアド・サイエンシズ担当者)という危機感が、プロジェクト発足の背景にあったという。

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