一口にホテルといってもさまざまな形態がある。歴史や立地環境が異なるのはもちろん、客層、料理、アメニティー、設備の種類などさまざまな面で違いがある。
◆50年の歴史重ねた沖縄ハーバービューホテル
沖縄県庁に近い那覇市内の閑静な住宅街にある沖縄ハーバービューホテル(352室)は1975年開業。沖縄の日本復帰3年後にオープンしたホテルで50年余の歴史がある。約1・6キロ続く沖縄最大の繁華街「国際通り」に近く、同通りの西の起点、沖縄県庁から徒歩10分程度。このホテルを訪れた3月15日は日曜日で国際通りは国内外の大勢の観光客でにぎわっていたが、県庁脇に入ると人通りは少ない。その先の沖縄ハーバービューホテルに向かう小道は閑静な住宅街を抜ける落ち着いた雰囲気の通りだった。到着したのは昼下がり。南国特有の強い日差しがホテル前の大木、ガジュマルの緑を黄金色に変えている。
◆信頼と進化
2月1日付でこのホテルの総支配人に就任した松岡正さん(54)は「就任してまだ1カ月ほどですが、ハーバービューホテルは沖縄の皆さまにとても親しまれていると感じています。信頼を維持しつつ、私なりのやり方で進化させていきたい」と話す。
着任早々ホテルに約一週間泊まり、館内をくまなく歩いて設備も全部使ってみたという松岡さんがまず着目したのは「全体の売り上げに占める宴会部門の構成比率の高さ」。
◆進化への取り組み
沖縄のプライドを背負った都市型ホテルとしての地元の信頼維持とこれからの進化を自らの使命と心得ている。進化の取り組みの一つとして松岡さんが挙げたのが、ホテルの敷地に今年6月完成予定の屋外温水プール。訪れた時はまだ工事中で、プールのコンクリート基礎部分や工事用重機などが客室5階から見下ろせた。そのプールにたっぷりの水が張られ、宿泊客や利用客らが泳いだり、プールサイドでくつろいだりする姿が松岡さんの頭の中ではすでに“像”を結んでいる。松岡さんは言う。
「リゾートホテルにあるような大きなプールではないですが、夏以外も原則楽しめる温水プールを造ります。もちろん泳ぎも楽しめますが、夜はライトアップした“ナイトプール”にしたり、お酒を含めた飲食を提供したりして、宿泊のお客さま、ご利用者さまがプールサイドでゆったりとくつろげる魅力的な空間にしたいと考えています。時間帯に合った音楽も流して、都市の中でもちょっとしたリゾート感覚を味わってもらえればと思っています。またプールはライトアップするので客室や宴会場、一階のラウンジ&バーの眺望に新たな魅力を加えるはずです。
◆都市の中のリゾートを追求
目指すのは、都市型ホテルの便利・快適感とリゾートの解放感を両方感じ取れるような、ちょうどよいバランスの機会の提供。その難しいバランスを追求することによって「2~3泊や連泊のお客さまも増やしたい」と松岡さんは意気込む。
そのほか、25年12月に館内に設けた、陶器や銘菓など沖縄県内の逸品をそろえた直営セレクトショップを軌道に乗せたり、3人で宿泊できる部屋を少し増やしたり、バーの拡大やクラブラウンジ、宴席、朝食など飲食面の充実にも力を入れたりしている。
ウエーターからホテルの仕事を始め、ホテルレストランのマネジャーなど飲食の責任者を務めてきた松岡さんは「飲食はホテル経営ではとても重要な部分です。常にブラッシュアップしていかなければならない」と述べ、利用者はもちろん、経営側の期待にも応えなければならない総支配人の厳しい一面をのぞかせた。
◆海広がるサザンビーチホテル&リゾート沖縄
沖縄本島最南端の糸満市。太平洋戦争末期に県民を巻き込む地上戦となった沖縄の地獄のような生々しい体験を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」や美しい色彩の琉球ガラスの世界を楽しめる「琉球ガラス村」などがある海のまち。サザンビーチホテル&リゾート沖縄(448室)は目の前に市営ビーチが広がる全室オーシャンビューの“ザ・リゾートホテル”だ。館内は広く、ビーチ側の広い屋外通路は歩くと軽く汗ばんでくるほど長い。年の瀬も押し迫った25年12月28日付で、このホテルの総支配人に就任した引原史博さん(53)は着任早々、この広い館内を巡り、これまでのホテルの雰囲気を一気に変えた。
「パネル形式の案内版を全部サイネージ(電子看板)にしたり、家具などもホテルの雰囲気に合わせて変えたりしました。
◆大きなポテンシャル
引原さんが、このような迅速な行動に出たのは、もちろん結果を求める経営側の要求に応えるためでもあるが、現地に来て感じたこのホテルの「ポテンシャルの高さ」にすぐに気付いたことが大きい。引原さんは「ホテル自体のポテンシャルはとても高い。地元ホテルのスタッフの皆さんと力を合わせてこの可能性をさらに大きくしたいと思い、就任以来の3カ月、毎日模索しながらさまざまなことに取り組んできました」と話す。
「このホテルの最大の特長」と引原さんが言うウオータースライダーも設けた全長約70メートルの大きなガーデンプールはこれまでよりも“プール開き”の時期を早めることを決めた。「夏を待たずにゴールデンウィークごろからナイトプールを開始したいと考えています。またプール付近ではこれまで使えなかったWi-Fi(ワイファイ)を使えるようにして、スマホで動画を見たり、音楽を聴いたり、夜はお酒でも飲んだりしながらプールサイドでゆっくり楽しんでいただけるようにしたいと思います。とにかくこのホテルの最大の魅力であるプールやアクティビティーを生かしていきたい」と強調する。
また「客室は全室両側ともオーシャンビューです。片方にビーチ、もう片方が港です。港側は昇る朝日がすごくきれいです。ビーチ側は海に沈む夕日が美しい。
このホテルの最盛期は夏の7~8月。「1年の売り上げの大半はこの時期に集中する」。引原さんにとってはこのホテルで初めて迎える“書き入れ時”だ。引原さんは「ナイトプールやナイトパーラーで売り上げを伸ばしていきたい。またバーも充実させ、地元の酒蔵の日本酒も置いたりして品ぞろえを工夫したい」と着々と準備を進めている。
◆課題のオフシーズン
課題は夏以外のいわゆる、このホテルの“オフシーズン”。引原さんが目を付けたのは、ゴルフ目的で沖縄に来る韓国の人たちや沖縄でキャンプをするプロ野球球団の選手やファン、地元のマラソン大会の参加者などのスポーツ競技者、スポーツ愛好家らだ。引原さんは言う。
「韓国ではゴルフに不向きな季節でも暖かい沖縄ではゴルフが楽しめる。先日、ホテルの駐車場でゴルフバッグを積んでいる韓国の人たちを見かけた。意外と沖縄にゴルフ目的で来る韓国の人たちが多いことに気付きました。
◆“地産地消”の取り組みに挑戦
広島市内のオリエンタルホテル広島の総支配人を務めた引原さんは、共に戦争の惨禍に苦しんだ歴史を持つ沖縄県と広島市には「地元愛が強いという共通点がある」と指摘する。この点を踏まえ、引原さんはホテルの売り上げを増やすことはもちろんだが、「ホテルとして地元糸満市の活性化に貢献したい」と述べ、その貢献策のアイデアをこう語った。
「糸満市の魅力をもっと多くの人に伝えていきたい。琉球ガラス村や地元の漁協の皆さまなどと協業できることがあれば挑戦していきたい。糸満漁港で水揚げしたマグロを使った料理をホテルで提供したり、糸満の野菜をホテルのレストランメニューに加えたりして“地産地消”に取り組みたい。ホテルが地元の食材を積極的に提供していけたらと思っています。この地を訪れた人が糸満市で沖縄の悲惨な地上戦の歴史を学ぶとともに、今の糸満市の魅力に触れてもらう機会をわれわれが提供できればこんなにうれしいことはありません。糸満市の食、レジャーに触れた若者が沖縄の歴史や文化に関心を持つきっかけづくりに貢献できたらと思っています」
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