モネ没後100年を記念するさまざまなイベントが予定されている中で、モネが連作を描いた大聖堂のあるルーアンへの旅は、作品の背景や奥行きを実感できる方法の一つ。ノルマンディー地域圏の首府でもあるこの町は15世紀、100年戦争の時にジャンヌ・ダルクが火刑に処された場所でもあり、当時のたたずまいをそのまま残す中世の街並みを歩くと、19世紀のモネが新しく、身近に感じられる不思議な感覚を味わえる。
パリ・サンラザール駅から電車で1時間半前後。ルーアンの駅から旧市街の大聖堂までは歩いても20分かからない。ビクトル・ユゴーが「百の鐘が鳴る町」と書くほど教会が多いこの町の中でも、フランス・ゴシックの最高峰といわれるカテドラル(大聖堂)は、12世紀に着工し、400年かけて16世紀に完成というサグラダファミリア顔負けの歴史を持つ。150メートルの尖(せん)塔はフランス一の高さ。レースのような繊細な浮彫装飾を見上げれば、ルーアン出身のフロベールの作品「ボヴァリー夫人」に描かれた、大聖堂の描写をそのままなぞることができる。そしてもちろん、モネが描いた“モデル”を子細に観察する幸運が手に入る。
毎年夏になると、カテドラルのファサードにプロジェクション・マッピングでさまざまな映像を映す「光のカテドラル」というイベントが毎晩開催されている。今年は5月29日~9月26日まで。日の長さが変わるため時期によって開催時間が異なるが、大聖堂前の広場に行けば無料で楽しめる夏の恒例行事になっている。
カテドラルを堪能したら、コロンバージュと呼ばれる木組みの建物が続く街並みをじっくり味わいながら、ジャンヌ・ダルクが処刑された広場やそこに立つジャンヌ・ダルクの教会、行く道でくぐるルネッサンス様式の大時計台など、歴史の年表をそのままたどるような散策を。
(text by coco.g)
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