中東情勢によるナフサ(プラスチック原料)高騰が、オイルショックならぬ「ナフサショック」として容器調達コストを直撃し、日用品の値上げに追い打ちをかけている。続々と価格転嫁(値上げ)に踏み切るメーカーがいる中、大手と同じ「値上げ」というカードを切れないのが、中小のD2C企業(製品を一般消費者に直接販売する企業)だ。
同社によると、現在、原材料高や物流費の高騰を背景に、あらゆる消費財で相次いで値上げが発表されている。この値上げの背景の1つが「プラスチック容器の枯渇」。中東情勢の影響でナフサ価格が高止まりし、ポンプやスポイト等の調達にかかる期間が従来の倍の6カ月以上に長期化している。ポンプ、スポイト、ボトルなど「化粧品容器全般」が異常な枯渇状態に陥り、このままでは夏までに店頭から「いつもの商品」が消え始めると予測され、資材や原料メーカーの価格改定動向を踏まえると、今後も各ブランドで10~20%規模の大幅な価格転嫁(値上げ)が避けられない状況となっているという。
こうした状況に一役買っているのが、2023年12月にマーケティング会社発の「課題解決型OEM」として創業したベイコスメティックス。今回のナフサショックによる危機的状況を受け、即座に中国の容器メーカーへ直接交渉を行い、独自の中国ルートを開拓した。特定のルートに依存せず、複数の調達先から原料を直接買い付けることで原価高騰を抑制。供給体制を、短期間で 1億本超えへと急拡大させた。さらに国内での二重検品体制を組み合わせることで、極端な容器不足の中でも通常通り「3カ月納品」を死守。既存のサプライチェーンの見直しが求められる多くのブランドにとって生命線となっているという。
現場から同社には、「毎月数万本売れている自社の売れ筋商品が突然作れないと言われたところだった。安定供給がなければすぐに顧客も離れてしまうので、とても困っていたが、何とか作れて本当によかった」、「取引のある OEMや資材メーカー複数社から“値上げ”“納期未定”などの連絡が届いている中、とりあえず安定供給ができる見通しが立つだけでもかなり大きい」「海外展開も始めたところで、価格上昇も供給不安も厳しかった。製造が安定できるのは非常に助かる」などの声が寄せられているという。
ベイコスメティックス・代表取締役社長の加藤聡太氏は、「資材や原料を海外サプライヤーに直接・間接的に大きく頼る国内の化粧品業界にとって、原料や資材の調達の強化は死活問題です。しかし、この世界的逆境はチャンスでもあります。根幹である調達部分の無駄を削ぎ落とし、課題を克服することで、日本の“高品質なモノづくり”をさらに強化できます」としている。
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