【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、夏の超話題作『スーパーマン』(2025年7月11日公開)です。
本作は『ガーデアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガンが監督と脚本を手掛けているっていうんだから、おもしろくないわけない!

試写会で鑑賞しましたが、やっぱり最高でした。では、物語からいってみましょう。

【物語】
大手メディアのデイリー・プラネット社で働くクラーク・ケント(デイビッド・コレンスウェットさん)の正体は地球で生きるすべての人を守ることを使命とするスーパーマン。

誰からも愛されるスーパーマンでしたが、そんなヒーローを「地球の脅威である」と目の敵にする者がいました。それは天才科学者&富豪のレックス・ルーサー(ニコラス・ホルトさん)。ルーサーはあの手この手でスーパーマンを叩き潰そうとするのですが……。

【スーパーマンが完璧じゃないからいい】
ジャームズ・ガン監督が描く『スーパーマン』、本当に最高におもしろかったです。何がいいってスーパーマンが完璧じゃないところがいい。バトルシーンの半分くらい敵にボコボコにされるし、冒頭なんて雪に叩きつけられてぐったりしている姿から始まりますからね。

それもそのはず、スーパーマンの闘い方は攻撃より防御。敵から地球人を守る使命をまっとうするのがモットーなので、ひたすら耐える印象が強い。でもだからこそやり返したときの感動がハンパない、たぎるんですよ~!

またレックス・ルーサー軍団が強敵、かつしつこく、全然攻撃の手を緩めないからずーっとハラハラしっぱなしです。


それでも鋼の肉体は簡単には壊れないし、傷ついても太陽を浴びると修復しちゃうし、何より高速での飛行シーンはスーパーマンらしさに溢れていて魅力的。“ビュン!” と飛んだと思ったら目的地にもう着いてますから。

これまでで1番高速で飛行するスーパーマンではないでしょうか!

【さまざまな表情にキュンとしちゃう】
ジェームズ・ガン監督はどの作品でもアクションシーンの切れ味が鋭いのですが、ユーモアを盛り込みキャラクターを際立たせることも忘れない。

スーパーマンはクラーク・ケントと同一人物ですが、ロイス・レインとの恋愛は情熱的だし、クリプトン星から地球にきた自分を育ててくれた家族への愛情はほっこり感動的だし、いろんな表情を見せてくれます。も~本当にいい人!

スーパーマン役に抜擢されたデイビッド・コレンスウェットさんは、スーパーマンを演じるために生まれてきたのではないか、と思うほどピッタリ! 強くてカッコいいけれど、まじめゆえの天然っぽさとユーモアのセンスもあって、スーパーマンの多彩な魅力を見せてくれました。本作でスター俳優にジャンプアップしそうです。

【イケメンの悪役 レックス・ルーサー】
そして悪役のレックス・ルーサーも狂気の男ながら楽しいキャラです。

「俺様は最高の頭脳を持っている」みたいなことをずーっと言っているビッグマウス。スーパーマンの存在は危険だから崩壊させる、ということしか頭になく、彼が編み出した予測不能な場所からピンポイントでアタックする攻撃は破壊力があるし、KAIJUやロボットも強いんだけど、ちょっとダサイんですよね。

なんか微妙に笑えるし、ツッコミがいのあるキャラなので個人的にはレックス・ルーサー好きでしたね~。デイビッドさんのスーパーマン VS ニコラスさんのレックス・ルーサー、このイケメン対決をお見逃しなく。

【MVPはスーパーマンの愛犬クリプト!】
しかし、本作を見た人がいちばん心奪われるキャラは、スーパーマンを助けるスーパーパワーを持つ犬・クリプト。


スーパーマンのピンチには、口笛で呼ぶと高速で必ずやってくるのです。こういう主人公の相棒で登場する犬って擬人化されて喋る場合もあるけど、クリプトはあくまでヤンチャな犬ってところがいい! いい場面はすべてさらっていくクリプトのキュートなヤンチャさに絶対に釘付けになるはず!

夏にぴったりの明るく楽しいヒーロー映画『スーパーマン』。ぜひ大きなスクリーンでエキサイティングでハッピーなヒーローの世界にどっぷりハマってください!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:(c) &TM DC(c)2025 WBEI

『スーパーマン』
2025年7月11日(金)より全国ロードショー(日米同時公開)
監督:ジェームズ・ガン
出演:デイビッド・コレンスウェット、レイチェル・ブロズナハン、ニコラス・ホルト

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