いまの時代、SNSを通して気持ちを共有することは日常茶飯事。
自分をよく見せることでフォロワーも増えて、自己肯定感が満たされるいっぽう、ささいなことでも炎上してしまうので発言には気をつけなければなりません。
そんな現代において注目されている本があります。タイトルはずばり『書いたら燃やせ』。
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【どんな本なの?】
全世界で350万部を売り上げているという『書いたら燃やせ』(税込1320円 / 著 シャロン・ジョーンズ 翻訳 白浦灯)。本というカテゴリではあるものの、読むのではなく「書く」ことがメインの書籍なんです。
■『書いたら燃やせ』の特徴
・質問に「正直に」答える
・質問はランダムに答えてよい(順番どおりにやる必要はない)
・ひとりで楽しむ思考ゲーム
この本はいわば “自分だけのひみつの告白帳” 。
SNSだけでなく、普段の生活においても「自分を偽る仮面」をつけてしまう人は少なくない。けれど、この本と向き合う時間だけは仮面を外せるのだそう。どんな本なのかさっそくページをめくってみると……?
【ダークな質問にこそ本質がある】
『書いたら燃やせ』には、自分自身の過去・現代・未来についての質問が書かれています。
たとえば、過去のページには「子どものころの夢」「自分のお金で初めて買ったもの」「10代のときにした最良の選択」といった、ごくごく一般的な質問があるいっぽうで、
・ひそかに後ろめたく感じていること
・昔のことでいまも重荷に思っていること
・これからも絶対に許せないこと
といった具合に、ちょいとダークな質問もチラホラ。そしてこのダークな質問こそが、この本の要(かなめ)なのではないかと。
【3つの魅力】
それではここからは、実際に『書いたら燃やせ』に触れて感じた魅力について語っていきたいと思います!
①自分自身と向き合える
改めて、自分自身を客観的に知ることができる。なにが好きでなにが許せなくて、なにが悲しかったのか、考える機会をもらえる。
過去:自分はどんな人間だったのか
現在:これがいまのわたし
未来:将来への希望
過去・現在・未来の質問内容を大まかに分類すると、こんな感じ。ときにはヘビーな質問もあるが、意識しないぶんには、自分自身の心の闇に向き合う機会はあまりないので新鮮である。
②自分のペースで気軽に取り組める
連想ゲームなどもあり、あそぶ感覚でトライできるところがよい。気軽に「自分の本心とご対面」できる。
「気軽」と「自分の本心とご対面」は一見すると相反しているけれど、この気軽さがないと自分自身と向き合うことなんてできない、気がする。なぜなら自分と対面するという行為は、ちょっと怖いことだから。
より深く考えたいときは質問とじっくり向き合う。もっとラフに楽しみたいときは、ちょっと考えてしまうような質問を飛ばしてしまえばいい。義務ではなく、あくまで「あそび」として取り組むからこそ本音が出てくるような気がした。
③最後は燃やしてしまえばいい
SNSで本音をぶちまけた場合、デジタルタトゥーとして残ってしまう。
【これは読むセラピーなのかもしれない】
実際に本と向き合ってみると、気持ちの発散というよりも「自分自身と向き合わざるを得ない=セラピー」という感覚が強かったです。
質問によっては1日中考えることもあるし、自分の負の感情とも向き合うことになる。過去をしっかり振り返ったり、自分を見つめ直すことになるので、しんどい人もいるかもしれない。
でも、こんなふうに自分について深く考えることもない、というか。考えることで、自分がラクになる答えが見つかるわけではないけれど、「私って本当はこんなこと考えていたんだ」と気づけること自体が癒やしにつながるような気がしました。
たとえば私の場合は、数日前に自分が書いた答えを見て、涙ぐんでしまった瞬間があって。
書いた直後はそれほど深く考えてなかったような気がするのに、別の日の自分は涙している。もしかしたら私は、自分が思っている以上に、本音にふたをして心の奥深くにしまいこんでいるのかもしれないのだなぁと感じたわけですよ。
「自分を探す」という言葉があります。そんなのいくら探しても見つからないし、見つけようとする行為自体が自分を傷つけることになる可能性だってある。
でもこの本なら、そこまで重い気持ちにならずラフな感覚で「自分探し」できる。改めて自分はどんな人間なのか客観視する手助けになるんじゃないかな、と感じました。
なんとなく生きづらさを感じている、そこのあなた。SNSにその思いを書くのではなく、一旦スマホを置いて、『書いたら燃やせ』に本音をつづってみませんか。
参考リンク:海と月社、楽天市場、Amazon
執筆・撮影:田端あんじ
Photo:(c)Pouch
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