私、実家が大阪なので以前はよく夜行バスで帰っていました。寝てる間に着くし、何より安いし!と思っていたのですが、実際そんなにちゃんと眠れないんですよね。
最近は年齢的なこともあってだんだん使うのが辛くなり、すっかりご無沙汰していたのですが……京都の丹鉄 レストラン列車「丹後くろまつ号」取材の折、せっかくなら夜行バスも取材したい!と思い立ち、乗車させていただきました。
利用したのはWILLER EXPRESS「ドーム」。実際のシートの様子や乗り心地、気になった点など正直にレビューします!
【「ドーム」ってこんな車両】
WILLER EXPRESSの夜行バスにはいくつか種類がありますが、今回乗車したのは1列+2列の3列シート「ドーム」。
中に入ってびっくり、めっちゃ綺麗なんですけど!?!? かつての暗くてギュウギュウした深夜バスのイメージとはだいぶ違います。
座席がそれぞれ個別のブースになっているので、後ろを気にせずめいっぱいリクライニングできる点もすごい。前後はそこまで余裕があるとは言いませんが、それでもこれは従来の夜行バスの常識を覆す設備です。
うしろが気になってなかなか座席を倒せず、いっぽうで前の人はつよつよハートの持ち主でガツーン!と最大限まで倒してきて狭苦しい思いをしながら夜を明かす……それこそが夜行バスの最大のストレスだった自分には本当に夢のような仕様です。
さらに「ドーム」最大の特徴は各座席にカノピー(フード)が備わっていること! 周りからの視線を遮ってくれる安心感はかなり大きい。座席内側にはドリンクホルダーとコンセント、カノピー内側にはスマホホルダーもあり、個室のように過ごせるのがうれしいです。
【乗り心地について…眠れた?】
実際の乗り心地について。「ドーム」は過去に乗車したシートの記憶と比べると、枕にクッション、フットレストとレッグレスト完備のシートで段違いに快適でした。ただ、思ったよりリクライニングは倒れません。
またこれは個人の体格や着ている服にもよると思うのですが、身長153cmの私は「足回りには余裕があるけど振動で体が座席の上をすべってしまう」感じがありました。何度も座り直すことになったので、もうちょっとツルツルしていない服を着てたらよかったな~。
休憩時間は適度にありますが、基本的にアナウンスが入るのは最初だけ。深夜の時間帯は、眠っている人に配慮して案内なしでサービスエリアに停車します。
かなりうれしい気遣いですが、私は車の動きや振動、音などが思いの外大きくて、乗務員交代時やサービスエリア停車時などで必ず目が覚めました。
おそらく京都に着くまでにトータル3時間~4時間くらいは眠れたと思うのですが、睡眠じたいはかなり小刻み。ここもかなり個人差があると思う部分で、1度寝たらちょっとやそっとでは起きない!という人は大丈夫だと思います。
【持っていった&あったら良かった】
ここからは夜行バスに乗るに当たって、持っていって良かったもの&あったら良かったものについて。
■持っていってよかったもの
まずひとつめは
・羽織もの
乗車した9月上旬のタイミングではまだ暑い時期だったこともあり、空調がかなり涼しかったです。ブランケットは各座席1枚ついていますが、持ってきていた羽織にくるまっていないと肌寒いくらい。これは本当に持ち込んでいて良かったと思いました。
これからの時期、暑すぎるということはないと思いますし、1枚肩にかけられるような衣類やストールがあると良さそうです。
・アイマスク
カノピー付きとはいえ、足元の誘導灯はしっかり隙間から差し込んできます。これが完全に消える時間帯もあるようですが、私は使い捨てのアイマスクで対策したおかげですんなり眠れました。
※青色の間接照明のみ常時点灯
■あったらよかったもの
・耳栓
先述の通り、バスの走行音がかなり大きいです。耳栓が入ってることそのものが気になるのでどちらかというと苦手なのですが、そんな私でも耳栓持ってきたら良かったなーと思いました。
・ネックピロー
シートにヘッドレストがついているものの振動で体がずれる(頭の位置がずれる)ので、首にはめるタイプがあればもっと寝やすかったかも、という気がしています。
【結論:対策が取れるならアリ】
乗車した日、京都に着いた時点では気分もスッキリ。ただ睡眠時間じたいは足りていないので、そこから移動の電車の中で小一時間ほど熟睡しました。
でもそのあとは1日、特に眠気で困ることもなく過ごせましたし、足腰が痛いなどの不調もなく無事に別件取材を終えました。もちろん、到着後に仮眠できるならそれに越したことはないですが、想像以上に快適だった!というのが正直な感想です。
疲れる、眠れないのイメージが強くて敬遠していましたが、必要な対策もなんとなくわかったので、これならまた使うのは全然アリかな。せめて京都~大阪があと1、2時間遠い場所にあれば、もう少しまとまった睡眠が取れそうなんですけど(笑)。
推し活や日々の隙間の弾丸旅行などで交通手段に悩んでいる方、コスパ重視の秋旅を計画中の方。
■WILLER EXPRESS「ドーム」
関東-関西 8500円~
関東-愛知 7000円~
東京-仙台・福島 6300円~
※いずれも夜行便のみ
※時期や曜日によって価格は変動します
※2025年10月時点の情報です
参考リンク:WILLER TRAVEL
執筆・撮影:森本マリ
Photo:(c)Pouch
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