今年2025年がもうすぐ終わろうとしています。

Netflixでもさまざまな作品が配信され、『グラスハート』や『イクサガミ』など日本オリジナル作品も秀作ぞろいでしたが……あと少しで終わるという今、とんでもない熱量の映画が爆誕してしまいました。
熱く切なく、狂おしいほどに官能的な1本を見届けて。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflix映画『10DANCE(テンダンス)』を観て、カウチポテトになっちゃお~!

【あらすじ】
ラテンダンスの日本チャンピオン・鈴木信也(すずき しんや)と、スタンダードダンスの日本チャンピオンで世界2位の記録をもつ杉木信也(すぎき しんや)。

本来ならば戦う相手ではなかったけれど、「名前が1文字ちがい」という理由だけで比較されることも多く、鈴木はいら立ちを感じていました。それに、杉木が自分を見る、あのまとわりついてくるような視線がむかつく───。

そんなある日のこと、鈴木は杉木から「10ダンスで一緒にチャンピオンを目指そう」と誘いを受けるのです。それぞれ得意分野を教え合いながら、少しずつ距離を縮めていく鈴木と杉木。やがてふたりはあらがえない熱情に飲み込まれていくことに。

【ココが見どころ!】

<その1:圧巻のダンスシーン>
本作を語るうえで外せないのが「ダンス」。

タイトルにもなっている10ダンスとは、ラテン5種とスタンダード5種の全10種類のダンスで競い合う競技ダンスのこと。曲数は40曲にもおよび、それを1日で踊りきることから「ゴージャスなトライアスロン」とも呼ばれています。

その過酷な競技のすべてを、鈴木役の竹内涼真さんと杉木役の町田啓太さんが見事に踊りきっているんです。


撮影前はおふたりとも社交ダンス未経験だった、ということですが、そんなことはみじんも感じさせないほどのダンスシーンは圧巻。ただ上手なだけでなく、それぞれのキャラクターが持つ「かたち(在り方)」まで再現しているところもお見事!

<その2:美しく切なく官能的なラブシーンに息をのむ>
性格もなにもかも正反対な鈴木と杉木。互いにぶつかり合う日々のなかで、鈴木は次第に「杉木に惹かれ始めている」ことに気づいていきます。

そして、杉木も鈴木にどうしようもなく引き寄せられていくのです。愛なのか、欲情なのか、羨望なのか。胸のなかに生まれてくるさまざまな感情に何度も抗いながら、なすすべもなく恋に落ちてゆくふたりが美しすぎて……!!

あまりにも美しいので、官能的なシーンがやってくるたび「ンギャアアア」と声にならない悲鳴をあげてしまいました。どうぞ皆さまも、思う存分悶絶してください。

<その3:原作を読みたくなる>
これはあくまで私の見方ではありますが……本作は「鈴木と杉木のあいだに生まれる熱」だけにフォーカスした作品です。

原作にある「ふたりが距離を縮めていくシーン」だとか「クスッと笑えるコメディちっくなやり取り」だとか、そういう部分をがっつりカットしているのだけれど、そのぶん、ふたりのあいだに生まれる熱がこれでもかと強調されています。「どうしようもなく惹かれ合うふたり」をものすごい熱量で魅せてくれるので、もう飲み込まれるしかない。

ストーリーについて多くを語らないからこそ、原作を読みたくなるはず。また逆に、映画を観てから原作を読むことで、より深く『10DANCE』の世界観を理解できるのではないかと思います。


【女子も最高なんです】
なにせ鈴木と杉木が主役の映画なので、どうしても男子にばかり注目してしまいますが、彼らとペアを組んでいる女子も最高なんです。

鈴木のダンスパートナー・田嶋アキを演じる土居志央梨さんは、存在感がそのまんま「アキ」。原作では妹ポジションだけど、映画版では母のような姉のような雰囲気も醸し出しており、そこもよかった。杉木のダンスパートナー・矢上房子を演じる石井杏奈さんの愁いを帯びた表情にも惹きつけられます。

ダンスの腕前もさることながら、このふたりの描かれ方が作品にさらなる深みを与えているように感じられました。というわけで、ぜひアキ&房子にも注目していただければと~!

■今回紹介した作品
Netflix『10DANCE』
2025年12月18日からNetflixで独占配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch

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