阪急阪神百貨店でお仕事体験やモノづくり体験ができる「HANKYU こどもカレッジ」、略して「こどカレ」は、「楽しく遊んで、学んで、体験する」をコンセプトに、2019年にスタートし、今年で6回目を迎える夏休みの人気イベントです。 そんな「こどカレ」を企画、担当するのがストアプロモーション推進部の矢部玲子さん。
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【阪急うめだ本店】大阪で自由研究ができる!子どもたちにぴったりの約230講座が登場「HANKYU こどもカレッジ」PR TIMES×

「こどカレ」企画担当 矢部玲子
「こどカレ」の誕生秘話を教えてください。
2016年に育児休職から販売促進部に復職し、2018年に、阪急うめだ本店の年間計画などを立てて推進する営業企画部に異動になりました。当時こどもは3歳になったばかりで、まだまだ手のかかるお年頃。仕事と育児の両立に悪戦苦闘していました。そんな私に、「経験を活かして、矢部さんならではの視点で何かおもしろい試みを企画してみない?」と上長から打診がありました。
私自身、当時3歳のこどもを連れて外出することは、なかなかハードルの高いことでした。飽きてしまってじっとしていられなかったらどうしようと、周りの目が気になって、なかなかショッピングに行く勇気がなかったんです…。だけど時々、おしゃれをして出かけて、化粧品を見て回ったり、ゆっくりレストランに行ってみたい…そんな思いはありました。何か、気兼ねせず親子で百貨店に行く理由作りができないだろうか。昔、家族みんなで百貨店の屋上遊園地で遊んだり、大食堂でご飯を食べた思い出があるように、阪急うめだ本店で体験したことが、素敵な思い出として記憶に残ったら素敵だな、そんな機会を作りたい。そう思ったのが企画の始まりです。

そこで考えついたのが、“こどもが主役”ということ。パパ・ママのお買い物に付き合うのではなく、自分たちが主役となって体験できることがあれば、こどもも百貨店に行きたい!となるのでは?と考えました。普段は大人の空間というイメージのある百貨店ですが、夏休み期間は全館でこどもが楽しめるイベントを開催したら楽しそう!そう考えました。

そこから、普段からこどものイベントを企画している子供服売場の担当者にヒアリングをしたり、様々な施設やイベントの視察に足を運んだり、周りにいる子育て中のパパ・ママに、どんなことが体験できたら嬉しいかなど、リアルな意見を聞いたりして、企画の中身を詰めていきました。そして、何度も何度も社内でプレゼンを重ねた結果、出来上がったのが「HANKYUこどもカレッジ」です。

「こどカレ」アイデアノート
こどもカレッジという名前の由来は?
インパクトのあるネーミングにしたくて。“こどもがメイン”、“学び”ということをキャッチーに伝えたいと思い、ひらめいたのが「こどもカレッジ」でした。「ちょっと振り切りすぎじゃない?!」という意見もありましたが、フワッとしたイメージにはしたくなかったので、そこは譲れませんでした。笑
取り組みの過程、実行中のエピソードを教えていただきたいです。
全館をこどもの空間にするためにはどうしたら良いか。まず取りかかったのは、子供服売場だけではなく、こどもと関係のないカテゴリーにも企画に参加してもらうことでした。全カテゴリーの担当者に企画の趣旨を説明し、どんなことができそうか打合わせを重ねました。そこで強くお伝えしたのが、単なるワークショップにとどまらない、“楽しく学ぶ”という要素を必ず入れてほしいということ。
地下1階 食品売場「カゴメグリーンズキャッチザレインボー」こども店長体験

地下1階 食品売場「桂新堂」こども店長体験

地下1階 食品売場「叶 匠壽庵」こども店長体験

放送室「開店放送録音体験」

10階『うめだスーク』中央街区パーク「ロケットの秘密を知ろう」
取り組みへの評価はどうでしたか?
こちらの想像以上に、各カテゴリーの担当者や売場スタッフの方々がたくさん意見を出してくださって驚きました。売場スタッフの中には私と同じように子育てをされている方も多く、こういうイベントがあったら面白そうというリアルな意見がたくさん集まり、心強かったです。企画を発案してから1年後の2019年に、無事「こどカレ」をスタートさせることができました。実際に店頭に立って接客の流れを学ぶ“こども店長” 講座や、放送員になりきって開店放送の録音体験ができる講座など、“楽しく学ぶこと”を軸にした、阪急うめだ本店だからこその、バラエティー豊かな講座を実施できたことが嬉しかったです。
夏休みの恒例イベントとして定着し、人気のものは早々に予約で埋まってしまうほど、今ではたくさんの方にご参加いただけるようになりました。
成功の秘訣は何だと思いますか?
やはり、当初からこだわってきた“楽しく学ぶ”という要素がポイントだと思います。ただのイベントではなく、楽しみながら学べるという点が他とは違うところだと認識され、また行きたいという気持ちに繋がっているんだと思います。
カードの楽しみ方解説動画はこちら
今年は、大阪にも海外からたくさんのお客様が来店されると想定し、「Say!Hello!!Card」という企画にチャレンジしました。期間中「Say!Hello!!Card」 のバッジをつけたスタッフに声をかけると、各国のあいさつが書かれた8種類のカードがもらえます。カードを見ながら親子で会話を楽しんだり、色々な国の言葉を学ぶことができるという、まさに“楽しい”と“学び”を追求した試みになっています。

1階 コンコースウインドー
「こどもカレッジ コンコースウインドー」 も、今回初の試みの1つで、こどもが楽しめる“学び”の仕掛けがいっぱいです。例えば、 ウインドーに飾られている望遠鏡の中をのぞくと、地球や動物にまつわるクイズが書かれていて、簡単には解けないものもあり、親子で会話をしながら答えを導き出してもらえたら嬉しいです。百貨店の入り口から、「こどカレ」的おもてなしができたらいいなという思いで企画しました。
「こどカレ」を体験してくださったお客様と、売場スタッフ



「こどカレ」が支持され、年々成長している理由は?
いつも会期後に、体験いただいた方にアンケートを取っているのですが、「売場のスタッフの方が、こどもが楽しめるように声かけをしてくださったり、スタッフの方ご自身も楽しまれているのでとても居心地が良い」という意見が多くて。みんなが楽しいと思える空間になっているんだなぁと嬉しく思います。回を追うごとに、今年はこんなことがしたいと、売場スタッフから次々とアイデアが出てくるので、年々パワーアップした内容になっています。
「こどカレ」チャレンジパスポート
2024年からは阪急うめだ本店だけではなく、支店などの参加店舗が連携した取り組みをスタートさせたことも、広く支持されている理由だと思います。この夏も両本店を中心に、神戸阪急や博多阪急も参加し、百貨店合計8店舗で「こどもカレッジ」を開催します。
関西の7店舗では、百貨店に隠されたスタンプを見つけ出して押したり、参加した講座の思い出を記入してレベルアップを楽しむ“チャレンジパスポート”という企画を実施します。「いくつ集められるかな?」と、楽しみながらいろんな店舗に足を運んでいただくきっかけになったらいいなと思っています。

校外学習:阪急百貨店×河内長野市~自然大好き!河内長野の山を体験しよう!~
また、「楽しく遊んで、学んで、体験する」という「こどカレ」のコンセプトに共感し、参加してくださった河内長野市自然資本活用課の方々と、百貨店の枠組みを超えた取り組みも行っています。
市域の約7割が森林である河内長野市は、この豊かな森林を維持保全し、将来世代に引き継ぐため、間伐などの森林整備を促進しています。

「こどカレ」企画チーム:左から)竹原博美、矢部玲子、伊藤史華
「こどカレ」の未来 今後の取り組みについて、考えていることなど
例えば、「こどカレ」OBやOGにあたる中・高・大学生と一緒に、スペシャルプログラムを作り上げる企画など、やりたいこと、チャレンジしたいことはたくさんあります。回数を重ねていくうちに認知も広がり、お取引先様にも取り組み趣旨に共感いただき、多大なご協力を賜ることができています。
お客様、わたしたち、お取引先様、地域のみなさま…「こどカレ」に関わる人みんなが笑顔になって「こどカレ」を通して様々なことに繋がるといいなといつも思っています。(将来の夢が見つかった、地域の魅力を発見した、新しい好きに出会ったとか…)
そして、「こどカレ」を経験したお客様が大きくなって、今度は先生として「こどカレ」に参画する。そんな循環も夢見ています。「こどカレ」のあるこの地域での子育てが楽しい、「こどカレ」があるからここに住みたい、「こどカレ」を取り組んでいるこの会社で働きたいなど、地域の魅力に貢献したり、 企業の魅力アップに貢献できたり、そんなことになればいいなと思っています。