写真家・高橋恭司が、イギリス南東部の町ダンジェネスに映画監督デレク・ジャーマンを訪ねてから、約30年の時を経て刊行となる写真集。
ジャーマンが最晩年を過ごしたコテージと庭、2010年代後半のベルリン、ロンドン、東京の路上。時間と空間を隔てて撮影された写真たちが混じり合い、デレク・ジャーマンのことば、高橋恭司の詩とともに、夢のように移ろいゆく「世界の終わり」を映し出す。
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イギリス南東部、原子力発電所のある町、ダンジェネス。映画監督のデレク・ジャーマンは、1986年、HIV感染の宣告を受けたころこの町と出会い、打ち捨てられた小屋《プロスペクト・コテージ》を住まいとしながら、小石だらけの地に庭をつくる生活を始める。庭には、草花だけでなく、流木、腐った鉄など、海岸で拾い集められた漂流物を用いた造形が施された。
高橋恭司は、ジャーマンが亡くなる2年前の1992年にダンジェネスを訪れる。「そこは世界の終わりのような場所だった。同時に、そこには全てがあった」と、写真家は語る。
「写真はいつも世界の終わりを続ける。」
映像と写真の世紀にジャーマンが遺したものへの返答が、ここにある。
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