凍結死体の謎を追う、山岳×警察ミステリーの新境地！笹本稜平著『山岳捜査』

容疑者だって、死なせない！ 信州刑事、誕生。[画像: https://prtimes.jp/i/13640/530/resize/d13640-530-393326-0.jpg ]冒険小説の第一人者であり、「越境捜査」シリーズ、「所轄魂」シリーズ、『春を背負って』などドラマ化、映画化作品も多数ある著者による、山岳&times;警察ミステリー。長野県警山岳遭難救助隊に所属する桑崎祐二。大学時代、山岳部に所属していた桑崎は「給料をもらって山に関わる」この仕事にやりがいを感じている。隊の中でも、群を抜いた登攀技量の持ち主で、入隊2年目にして巡査部長に昇任、5年目には涸沢常駐隊のチームリーダーをまかされるようになった。ある日、彼は隊の後輩・浜村とクライミング談義に花を咲かせているうちに体がうずきだし、鹿島槍北壁を代表するルートのひとつ、中央ルンゼに登ることを思い立つ。&lsaquo;&lsaquo;「オーバーハング（斜度九十度以上の壁）もある。高度感は素晴らしいぞ」「それは楽しみですね。僕は安心して桑崎さんにぶら下がって行きますから」浜村は臆するところをみせない。高度感に対する恐怖は人間にとって本能的なもののはずだが、その程度は人によるらしい。というより、その恐怖心をときめきに変えてしまう触媒のようなものを体内に持っているかどうかの違いかもしれない。桑崎もそうだった。山岳部に入って初めて登った本格的な岩のルートが、南アルプスの北岳バットレス第四尾根だった。ロッククライミングとしては初級と言っていいルートだが、股の下に大樺沢（おおかんばざわ）の雪渓を望みながらの登攀に総毛立つような思いをした。しかし登り終えてみれば、それまでの人生で味わったことのない高揚が心に湧き起こっていた。山登りというのは、多かれ少なかれそういう特異な体質をもつ者の世界なのだろう。まだヒマラヤの高峰に挑んだことはないが、いずれはという思いはつねにある。それも容易な一般ルートからではなく、なるべく困難な壁から登りたい。実現の可能性がさほど高いとは思えないが、そんな夢は人生に弾みをつけてくれる。&rsaquo;&rsaquo;桑崎と浜村は無事北壁に登頂し下山途中、天狗尾根と遠見尾根に挟まれたカクネ里に、倒れている人物を発見する。その場所は、彼らが前日、不審な3人組を目撃した危険な谷あい。視界が悪くなる中、急斜面を下り駆けつけたが、遭難者はすでに死亡し、硬く凍っていた。なぜ？ この時期の気温では、1日や2日で完全凍結することはあり得ない。女性の首には、黒褐色の索条痕と爪で引っ掻いたような吉川線があり、明らかに他殺死体だった。ところが、ヘリコプターに収用する直前、大規模な雪崩が発生し、死体は飲み込まれてしまう。翌日、県警の遭難救助隊本部に、東京から来たという3人のパーティーから救難要請が入った。彼らは、あの3人組なのか？容疑者だって、死なせない！吹雪とホワイトアウトの中で続く決死の救難作業。その果てに明かされた真実とは──。山の厳しさ、素晴らしさが目の前に迫ってくるような臨場感！後半は警察小説の色合いが濃く、凍結死体の深い背景に驚嘆すること間違いなし！『山岳捜査』著／笹本稜平定価：本体1700円+税判型/頁：4-6/384頁ISBN978-4-09-386568-5小学館より発売中本書の紹介ページはこちらです▶▶▶https://www.shogakukan.co.jp/books/09386568【著者プロフィール】笹本稜平（ささもと・りょうへい）1951年千葉県生まれ。立教大学卒業。出版社勤務を経て、フリーライターとして活躍。2001年、『時の渚』（文藝春秋）で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。2004年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。壮大なスケールで冒険・謀略小説を、重厚で緻密な警察小説を構築し、多くのファンを抱える実力作家。おもな著書に『春を背負って』『指揮権発動』『転生‐越境捜査-』『K2 復活のソロ』『サンズイ』など多数。企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ

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