小児医学・医療・保健の発展のため、小児医学研究者への研究助成や小児医学を志す医学生への奨学金給付を行う公益財団法人川野小児医学奨学財団(所在地:埼玉県川越市、理事長:川野幸夫/株式会社ヤオコー代表取締役会長)は、「第3回 医学生の意識調査」を実施いたしました。
 本調査は、全国の医学部医学科で学ぶ学生を対象に、学校生活や希望進路などに関する質問を行い、医学生の志向や実態について調査・分析することを目的としております。

■調査概要
調査名:「第3回 医学生の意識調査」
対象者:全国の大学医学部医学科に通う医学生
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年3月7日~3月11日
回答数:109名(男性29名、女性80名)
※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、【(公財)川野小児医学奨学財団調べ】とご明記ください
■集計結果のポイント
- 医学生の7割強が課外活動に参加。中でもスポーツ系が人気トップに …(Q4)
部活やサークル、ボランティアなどの課外活動をしている人が74.3%となった。
活動内容別に見ると、「スポーツ系」の部活が突出して多く50.5%だった。
- 将来の勤務先の希望は「大都市」よりも「地方都市」―約6割が「地方都市」を希望 …(Q8)
「地方都市」(56.9%)が「大都市」(31.2%)を25.7pt上回った。「過疎地域」は6.4%に留まった。
- 医学生の4割強が日本の医学研究レベルを「高い」と回答 ―現職医師より高く評価 …(Q9)
「高い(高い+やや高い)」が4割強(41.3%)となり、2024年12月に当財団より配信した「医師・研究者へのアンケート調査」の、「高い(高い+やや高い)」(33.6%)を上回った。
- 「医師の働き方改革」により「職場環境は良くなる」と考える医学生が多い結果に …(Q11)
2024年4月施行の「医師の働き方改革」で環境が良くなると思うかと問う質問で、「はい」が43.1%、「いいえ」が26.6%となった。
- 医療テクノロジーの進化に6割強の医学生が「興味がある」と回答 …(Q14)
「興味がある」という回答が6割強(63.3%)となり、医療テクノロジーに対する高い興味がうかがえる結果となった。
- 医学生あるある、「街中の医学用語に反応」「医療相談をされる」など多数 …(Q15)
・街中にある医学系の単語にいちいち反応してしまう
・友達から医療相談を受ける
・医師にかかることがほぼなくなる
・実習の時、医師に〇〇先生と呼ばれる

■アンケート集計結果
Q1. 現在、奨学金制度を利用していますか? [単一回答]
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-8c4c196c6cbc5cf6c2a9ad0cfcf81a7d-1437x419.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「奨学金を利用」という回答は、「貸与型」「給付型」「貸与型と給付型を併用」を合わせて約3割(29.3%)となり、3人に1人が奨学金制度を利用していることが分かった。奨学金利用者は、昨年比で12.4ptダウンした(2024年は41.7%)。また、貸与型と給付型の比較では、貸与型を利用している人の方が多かった。

Q2.学費や生活費はどのように賄っていますか? [単一回答] ※一番割合が大きいものを回答
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-1174b2666c8201c0519266cba199b172-1478x475.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「親からの資金援助・仕送り」が最も多く48.6%となった。
次いで「アルバイト」(33.0%)となり、この2つだけで8割強(81.6%)を占める結果となった。奨学金の割合が一番大きいと回答した人は、約1割(貸与型+給付型=11.0%)だった。

Q3.学校の授業以外に1日平均してどのくらいの時間を勉強に充てていますか? [単一回答]
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-49f05dfb79ee8eb179117924c143dfac-1478x475.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「1~2時間」が最も多く、45.0%となった。次いで、「3~4時間」(24.8%)、「1時間未満」(15.6%)の順となった。医学生は長時間勉強しているイメージがあるが、今回の調査では、「2時間以下」が約6割(60.6%)を占める結果となった。一方で、1日平均5時間以上勉強するという人も14.6%いた。

Q4.部活動やサークルに所属していますか? [複数回答]
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-ed068da7d31e7ab13959ebe1c2d083ea-1299x351.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 部活やサークル、ボランティアなどの課外活動をしている人が7割強(74.3%)となった。
 活動内容別に見ると、「スポーツ系」が突出して多く半数以上(50.5%)で、医学系(11.9%)、文科系(11.0%)の5倍近い数値となった。

Q5.医学生としての生活で一番大変なことはなんですか? [単一回答]
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-685c5b4df8005a269fab8bc78a710d4d-1064x350.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「試験勉強や課題提出などの勉強」が圧倒的に多く34.9%となり、2位以下の「就職活動やキャリア選択」(9.2%)、「睡眠時間の確保」(8.3%)、「臨床実習」(6.4%)を大きく引き離した。一方「特に大変なことはない」も3割強(35.8%)となった。

Q6.Q5で回答した「一番大変なこと」を、具体的に教えてください。 [自由記述](一部抜粋)
●試験勉強や課題提出などの勉強
・試験合格のハードルが高く、また一つの科目でも単位をもらえないと留年が確定するというプレッシャーがある
また、卒業試験と国家試験が別にあることなども非常に大変である (5年生 神奈川県)
・試験範囲が広い科目も多く、都度復習して理解していなければいけない (2年生 岡山県)
●就職活動やキャリア選択
・卒業後に働く病院を在学中から考えて何回か見学等に行く必要がある。
また、マッチングなどの情報も自分で収集しないといけないから (6年生 島根県)
●睡眠時間の確保
・テスト前は睡眠を削ることが多い。実習が8時開始の場合があったり、朝早く起きることを求められるから (5年生 福島県)
●臨床実習
・本で勉強することと臨床現場で経験することが違うことがあるため、日々勉強が必要であること (4年生 広島県)
●経済的な負担(学費、生活費など)
・想像以上に費用がかかるから (3年生 群馬県)


Q7.学生生活の中でどんな時に達成感を得ますか? [自由記述] (一部抜粋)
・机上での勉強が実際の臨床場面で役に立っていることを実感したり、経験を積むことで知識を獲得できていることを実感した時  (5年生 神奈川県)
・テストでいい点を取れた時や、勉強を通して医学知識がついたと感じた時 (2年生 新潟県)
・抱えているレポートを全て片付けたとき (1年生 東京都)
・(臨床実習で)患者さんに感謝された時 (4年生 大阪府)
・課題を提出し終えたときや、試験の点が良かったとき (4年生 大阪府)


Q8.将来は医師としてどこで働きたいですか? [単一回答]
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-3137cb991c30f4aaf02f250f049e7404-593x401.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 1位「地方都市」(56.9%)、2位「大都市」(31.2%)という結果となった。「地方都市」の方が「大都市」より人気が高く25.7ptの差があった。「過疎地域」はわずか6.4%に留まり、「離島」は全くいなかった。
医学生の約9割(88.1%)は「都市(大都市、地方都市)」で働きたいと考えていることが分かった。


Q9.日本の医学研究のレベルは世界と比べて高いと思いますか? [単一回答]
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-b99f60ab05be91e9a74dbf38dc16f64a-2807x835.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
                              2024年12月配信「医師・研究者へのアンケート調査より

 「高い(高い+やや高い)」(41.3%)、「普通」(40.4%)、「低い(低い+やや低い)」(13.7%)の順となった。
 2024年12月に当財団より配信した「医師・研究者へのアンケート調査」では、「高い(高い+やや高い)」が3割強(33.6%)となっており、医学生の方が、現場で活躍する医師・研究者より、日本の医学研究レベルについて、高い評価をした。

Q10.現在の医師の働き方について、不安に思うことはありますか? [複数回答]
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-717fa6dfe35e7283755627e3173d9b22-1064x351.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 全体の7割強(73.4%)が、1つ以上「不安に思うこと」をあげた。「不安に思うこと」の1位は「休暇がとりにくそう」(41.3%)、2位は「プライベートの時間がとりにくそう」(39.4%)、3位は「勤務時間が長そう」(35.8%)となり、医師の長時間労働を危惧する回答が上位を占めた。
 一方「不安に思うことはない」の回答も26.6%で、4分の1以上となった。

Q11.2024年4月より施行された「医師の働き方改革」により、医師が働く環境はより良くなっていくと思いますか? [単一回答]
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-7ecba20e14b4db6832310aa72c7fb282-868x417.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「はい」の回答が4割強(43.1%)、「いいえ」が2割強(26.6%)となり、医師が働く環境が良くなっていくと考えている医学生が多い結果となった。一方「わからない」という回答も約3割(30.3%)あった。


2024年12月配信「医師・研究者へのアンケート調査」より
Q. 2024年4月より「医師の働き方改革」が施行されて約半年が経過しましたが、施行前より勤務環境は改善されましたか。 [単一回答]
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-406cc5299f9687148af3aeb3e66779ea-1408x786.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

2024年12月に当財団より配信した「医師・研究者へのアンケート調査」で、「医師の働き方改革」施行から半年後の印象を聞いた。
施行前と後では「変わらない」という回答が最も多く約7割(69.2%)に達し、「かえって悪くなった」も14.3%あった。施行から1年以上経った現在、状況が変わっている可能性もあるものの、この時点では楽観的に考える医師は少なかった。


Q12.医師としてのキャリア選択において、国家試験に合格し、臨床研修を修了後、すぐに美容医療業界へ就職すること(直美/ちょくび)を考えていますか? [単一回答]
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-b9bf421261bb10271f02f02816038700-592x356.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 「考えている(考えている+ある程度考えている)」は約3割(27.5%)に留まり、「考えていない(考えていない+あまり考えていない)」が圧倒的に多くなった(7割強/72.4%)。「考えている」という明確な回答はわずか1.8%で、近年話題になっている「直美」を積極的に選択する医学生は、まだ少数派であることが分かった。

Q13.Q.12でそう答えたのはなぜですか。[自由記述](一部抜粋)
●考えている・ある程度考えている
・給料が高いから (2年生 東京都)
・年収が高く、勤務時間も短いため (1年生 東京都)
●考えていない・あまり考えていない
・美容業界も飽和状態に近づいているため、ある程度の実績を積んだうえで就職したほうがよいと考えるから (5年生 香川県)
・命を助けるために医師を目指すから (2年生 福岡県)
・小児科医になりたいから (3年生 鳥取県)


Q14.電子カルテ、画像診断、オンライン診療、ロボットによる手術支援など、医療テクノロジー進化に注目が集まっています。それについてどう思いますか? [単一回答]
[画像12: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/104845/49/104845-49-d987dfb05df66dce02522d3dba03bbbb-887x474.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 全体では「興味がある」が6割強(63.3%)、「興味がない」が約4割(36.7%)となり、「興味がある」と答えた医学生が多い結果となった。しかしながら、「興味がある」と回答しながら「日々の勉強で精一杯なので、医師になってから学びたい」という人が約4割(42.2%)おり、「医学生の間に学んで身につけておきたい」という積極的な回答は約2割(21.1%)に留まった。

Q15.医学生ならではの、「あるある」エピソードを教えてください。[自由記述](一部抜粋)
・病気の勉強をしていると、ちょっとした症状でも重い病気じゃないかと疑ってしまう (4年生 大阪府)
・街中にある医学系の単語にいちいち反応してしまう (3年生 東京都)
・珍しい病気について尋ねられ、「知らない」と答えると「医学生なのに知らないの?」と言われがち (6年生 千葉県)
・テストでよく徹夜しがち (4年生 広島県)
・友達から医療相談を受ける (6年生 東京都)
・医師にかかることがほぼなくなる (4年生 大阪府)
・病気やその様々な症状について学ぶことで、自分がその病気なのではないかと不安になる (2年生 新潟県)
・実習の時、医師に〇〇先生と呼ばれる (2年生 東京都)
・実習中ポケットがパンパンになりがち (4年生 大阪府)


<財団概要>
財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
事務局長: 川野 紘子
設立: 1989年12月25日
行政庁: 内閣府
URL: https://kawanozaidan.or.jp/
TEL: 049-247-1717
Mail: info@kawanozaidan.or.jp
事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
      小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー

<創業ストーリー>
財団の創業ストーリーや事業のエピソードをPR TIMES STORYで紹介しております。

どうぞご覧ください。

失われた息子の命をきっかけに設立した「川野小児医学奨学財団」ー小児医療をめぐる課題に取り組む中で感じた、子どもたちの心と体を守るために必要なこと
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