-JOGMEC地熱分野で初の海外案件-

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:高原 一郎)は、2025年7月28日にインドネシア国営地熱開発企業PT Geo Dipa Energi (Persero)(以下「GDE」という。)(注1)と「酸性地熱流体賦存領域を把握する手法」のフィールド実証に関する協業(共同調査)契約を締結しました。

 今後、速やかにインドネシア共和国(以下「インドネシア」という。)の地熱地域で実証的な評価を進めることで、同手法の本邦国内地熱資源調査への普及を図り、地熱資源開発の一層の加速化を目指してまいります。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12624/851/12624-851-90755b817738013ebbdcb0f707d943b1-870x421.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
協業(共同調査)契約署名

協業事業(本共同調査)概要[表: https://prtimes.jp/data/corp/12624/table/851_1_36639df286012472d7b61ad5ed230352.jpg?v=202507300416 ]
共同調査地点[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12624/851/12624-851-474d27fe4a6497f88e8ba80f3503c243-900x302.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
インドネシア共和国 西ジャワ州 パトゥハ地域 (ジャワ島)地図出典:OpenStreetMap(JOGMECにて一部追記・修正)

酸性地熱流体が開発に及ぼす影響 酸性地熱流体は坑井や配管設備の腐食の原因となります。日本の酸性地熱流体(pH5以下)賦存量は可採地熱資源量の約30%とも試算され、大規模な地熱ポテンシャル地域が見つかっても、そこで地熱発電を行う場合、対策コスト等に大きな影響が生じることがあります。また、中性のエリアに酸性流体が存在する場合があり、その区分ができないと当該地域全体の地熱開発が困難になる可能性があります。
協業事業(本共同調査)実施の意義 JOGMECが実施した「酸性地熱流体探査技術」(注2)のように酸性地熱流体が賦存する領域をより高精度に把握し、中性地熱流体等を選択的に採取できれば地熱発電の長期安定操業に寄与します。しかし、実際の地熱地域における検証・普及レベルの評価事例は少なく、一般化された手法にはなっていません。本共同調査では地熱大国インドネシアの大規模地熱地域を検証フィールドとして活用し、本手法の詳細な評価を進めた後、最終的に国内地熱資源調査へ広く適用可能な技能(ノウハウ)にすることを目指します。
協業事業(本共同調査)の位置づけ 2021年4月から開始した「海外地熱資源調査」制度(注3)において、JOGMEC自らが主導する初の事業であると共に、日本政府が主導するアジア・ゼロエミッション共同体(Asia Zero Emissions Community:AZEC)構想やアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(Asia Energy Transition Initiative:AETI)の一環として進めていくものです。
 JOGMECとGDEとは、両国におけるエネルギー安定供給、持続的な経済成長、気候変動対策を同時に進めていくために重要なエネルギートランジションの実現に向け、地熱資源開発分野における協力関係を進めてまいります。

(注1)インドネシアは世界第2位の地熱資源ポテンシャルを有すると言われており、本邦企業の関心が高い国の一つです。GDEはインドネシア国内に複数の有望地熱鉱区を保有し、地熱発電事業を実施しています。
JOGMECとGDEは2023年3月1日付けで、同国の地熱資源開発分野における協力関係構築を目的とした覚書に署名しました。

(注2)地熱開発に適さない酸性熱水域に関して、地下における酸性地熱流体の発生メカニズムを解明することで酸性熱水産出に係るリスク低減を図る技術です。2018~2022年度に、JOGMECによる「地熱貯留層探査技術開発事業」の一環として実施されました。
地熱発電技術研究開発事業「酸性地熱流体探査技術~酸性流体分布域推定のための地質・地化学調査手法の開発~」

(注3)環太平洋等の日本と類似の地質環境を有する海外において、JOGMEC自ら、またはJOGMECが本邦企業と共同で実施する地熱資源の調査・探査を通じて各手法等の技能(ノウハウ)の獲得・向上を図り、それらを国内地熱資源開発の一層の加速化に向けて活用する制度です。

地熱資源開発の進め方
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12624/851/12624-851-5a95046ee835f8764a57de74355d640a-900x274.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


主に、開発初期段階にあたる「地表調査」において、本調査の知見活用が期待されます。
地熱 geothermal ~地域・自然と共生するエネルギー~ (JOGMEC地熱資源情報 ホームページ)

日本の地熱資源開発目標
 「第7次エネルギー基本計画」(2025年2月閣議決定、公表)及び「2040年度エネルギー需給見通し」では、2040年度の「電源構成比」として再生可能エネルギーは4~5割を担い、地熱は1~2%とされています。このような中、電源構成比で約0.3%、発電設備容量ベースで約60万キロワット程度にとどまっている現状を踏まえ、大規模な地熱資源開発の促進、調査・探査スピードの加速化が求められています。
第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました(経済産業省ホームページ)
2040年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)(経済産業省ホームページ)

参考
インドネシア国営地熱開発企業PT Geo Dipa Energiと覚書を締結~新たにインドネシアにおける地熱資源開発に係る協力関係を構築~(2023年3月6日)

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