当社は、長い年月をかけて熟成されるウイスキーの製造工程において、日本特有の気候風土が及ぼす影響と潜在的価値に着目し、ジャパニーズウイスキーの新たな魅力を引き出していく新しいスタイルのジャパニーズウイスキーボトラーズ事業を開始しました。
「カスク アンド フォレスト(CASK & FOREST)」という社名は、当社のウイスキーづくりの根幹をなす2つの要素である「Cask(樽)」と「Forest(森林)」に由来しています。
設立後、まずは以下3つの活動・展開を予定しております。
1)熟成環境の実証とデータ収集
- 日本全国各地の熟成庫に樽を設置し、気温・湿度・気圧などをベースとした環境データと液体変化を検証
- 日本の気候風土環境下におけるウイスキーの熟成進行を科学的に解明
2)専門家レビューと市場投入テストマーケティング
- バーやテイスティング会などを通じて、日本の気候風土環境下において熟成を進めたウイスキーの仕上がりを評価。今後のウイスキーづくりへとフィードバック
3)ウイスキー新商品発売
- 桜・杉・サワラ・ミズナラ・コナラ・アベマキ・クリなど日本固有の樹種の個性を引き出すカスク(樽)シリーズのウイスキーを順次発売予定
「カスク アンド フォレスト」の事業について
1)日本全国のウイスキー蒸留所との協働による、新たなジャパニーズウイスキーづくりへのチャレンジ
ジャパニーズウイスキーの発展を支えてきた全国各地の蒸留所の皆様からの賛同と協力を仰ぎながら、ボトラーズという立場ならではの柔軟な発想と視点を活かした新たな挑戦を進めています。それぞれの蒸留所がもつ個性豊かな原酒と向き合い、共に試行錯誤を重ねることで、これまで蒸留所単独では取り組むことが難しかった新たな領域への一歩を共に踏み出します。
2)日本特有の気候風土がもたらす多様な熟成環境による味わいの探求
日本の国土は周囲を海に囲まれた南北に弧状に連なる列島で、四季折々に表情を変える温暖湿潤な気候と、変化に富んだ地形・自然環境に恵まれています。これらの多様な気候風土は、古来より日本独自の食文化の形成と発展に大きな影響を与えてきました。気温、湿度、気圧の変化に加え、海風や季節ごとの自然条件の重なりなど、日本各地に広がる多様な気候風土は、ウイスキーの熟成にも極めて特異な影響を及ぼします。こうした条件が織りなす熟成環境を背景に、世界のいかなる地域にも類を見ない、日本ならではのウイスキーの味わいと香味の個性を育むことを目指します。
3)日本の森林資源を活用した新たな熟成の可能性の探求
日本独自の気候風土により異なる香気や成分を備えた樹木を熟成樽材として採用、ウイスキーに新たな個性と風味をもたらす実験的な取り組みを進めております。
■事業推進責任者 清水 浩司 からのコメント
「カスク アンド フォレストは、"日本ならではの風土が育むウイスキー"という視点から、新たなジャパニーズウイスキーの価値創造に挑戦します。蒸留所の皆様とともに、全国各地の森・樽・原酒という三位一体の掛け合わせにより、多様で豊かな香味を引き出すことが、ボトラーズだからこそできる役割だと確信しています。
私たちは、ウイスキー市場が成熟する今こそ、単なるブランドの希少性や価格競争ではなく、本質的な"味わいの違い"と"背景にある物語"が問われる時代に入ったと感じています。だからこそ、日本の四季、日本の木、日本の熟成という"地に根ざしたクラフト"を通じて、新しいウイスキーの体験を提案してまいります。
ぜひ、多くの皆さまに、"日本という土地が育んだ、もうひとつのジャパニーズウイスキー"の世界を味わっていただければ幸いです。
なお、この度のウイスキーボトラーズ事業会社の立ち上げと推進にあたっては、日本のウイスキー文化の創成と発展に大きく貢献をされてきたウイスキー文化研究所 土屋守氏から賛同いただきました。土屋氏には、当社顧問として就任・ご支援いただきます。
■ ウイスキー文化研究所 土屋 守 氏からのコメント
日本は国土の7割近くを森林が占めるという、世界第2位の”森林大国”です。日本人が古来から信仰してきた神社は背後に森を抱えたものが多く、森そのものを神として信仰してきました。その森林資源を活かすにはどうしたらよいのか。カスク アンド フォレストの理念は日本独自の森林資源をウイスキーに活かしてゆきたいということです。
ウイスキーの原料は穀物と水と酵母の3つですが、ウイスキーが穀物原料の他の蒸留酒と違うのは、長期にわたって木の樽で寝かせることです。ウイスキーの香味の7割以上は樽と、それを熟成させる環境にあるといわれるほど樽は重要です。樽にする木材はオークが一般的ですが、これはブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称で、全世界で300~400種類あるといわれます。その中でウイスキーの熟成に適しているのは、アメリカ原産のホワイトオークと、ヨーロッパ原産のコモンオークの2つといわれてきました。近年、第3のオークとしてそこに加わったのが日本のミズナラで、今では世界中のウイスキーメーカーの間で争奪戦となっています。
しかし、ウイスキーに向く木材はそれだけでしょうか。私たちは日本の森林を調査し、それ以外の未知なる可能性も探りたいと考えています。世界中のウイスキー関係者や、ウイスキー愛好家が体験したことのないような、日本独自のウイスキーの香味。樽の材質や形状も含め、ゼロベースでウイスキーと樽との関係を見つめ直します。カスク アンド フォレストが、今までのボトラーズと違うのは、まさにその点にあると考えています。
プロフィール 土屋 守(つちや・まもる)
1954年新潟県佐渡生まれ。株式会社ウイスキー文化研究所代表。
■ 会社概要
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