大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:奥村洋治、以下「フジタ」)と株式会社トクヤマ(本社:山口県周南市、社長:横田 浩、以下「トクヤマ」)および中国生コンクリート株式会社(トクヤマとフジタの合弁会社、本社:広島県広島市、社長:山田 巧、以下「中国生コンクリート」)は共同で、フジタ式低放射化遮蔽コンクリート(以下「FLASC(※1)」)の実機プラントでの製造技術確立に取り組み、一般財団法人日本建築総合試験所(以下「登録認証機関」)より中国生コンクリートで製造するFLASCがJISマーク表示の許諾を取得しました。本技術は、フジタが開発した中性子遮蔽用混和材の一つであるフジタ式低放射化混和材(以下「FLAA(※2)」)を JIS A 5308に適合するレディーミクストコンクリート(工場で練り上げられ搬入される生コンクリート)に混入することにより、放射線遮蔽性能および低放射化性能が向上し、放射線を扱う幅広い建築物に適用が可能となるものです。

※1 FLASC:Fujita Low-Activation Shielding Concrete
※2 FLAA:Fujita Low-Activation Admixture

■取り組みの背景
 放射線を浴びた物質が放射線を発するようになる現象を「放射化」と呼び、放射線機器を運用する施設では、壁・床・天井に用いる建材(コンクリート、鉄鋼、鉄板、鉄筋など)で放射化が起こります。放射化した物質は、それ自体が放射線の発生源となるほか、放射性物質として特別な廃棄処理が必要となります。フジタでは、低放射化遮蔽技術の開発に長年取り組み、2021年3月に取得した建設材料技術性能証明(日本建築総合試験所材料証明第20-07号)により、JIS A 5308 の規定に適合することが客観的に認められるコンクリートとして放射線施設への適用の道を開きました。
 一方、建築物の基礎、主要構造部へのコンクリートの使用にあたっては、建築基準法により該当するJISに適合する、もしくは国土交通大臣の認定を受けるよう定められています。FLASCは、フジタが建設材料技術性能証明を取得し、同時に制定した製造・施工マニュアルに従って品質を管理することで、JISへの適合性は確認していました。
 本取り組みでは、FLASCの製造・施工マニュアルによる品質管理手法等が該当するJIS A 5308 レディーミクストコンクリートの管理手法と同等であることを明らかにするため、フジタ、トクヤマおよび中国生コンクリートが、具体的な手順として明確になるよう共同で取り組み、同時にJIS登録認証機関の審査を受け、JISマーク表示の許諾を取得しました。

■FLASCの概要
 放射線施設には、1.機器や線源から発生する放射線の確実な遮蔽・漏洩を一定値以下にするための性能2.施設廃止時の放射性廃棄物の減容3.利用期間中の被ばく低減のための低放射化性能などが要求されます。この目的で使用される材料は普通コンクリートや鋼板などがありますが、より高い低放射化遮蔽性能が要求される場合にJISに適合しないために建築材料として使用できないものが数多くあります。
FLASCは JIS A 5308に適合する低放射化遮蔽性能に優れた建築材料であり、以下の優れた性能を有しています。
1.フレッシュ性状(スランプや空気量)および圧縮強度は、一般的なコンクリートと同様に制御可能です。
2.FLAAは、コンクリート及び鋼材に有害な影響を及ぼさずFLASCの耐久性は、一般的なコンクリートと同等です。
3.FLASCの製造要領は、一般的なコンクリートと変わりません。

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■今後の活用
 FLASCは、条件が整えば中国生コンクリートから広島市内の建設現場へJISマークを表示して出荷することが可能です。今後もフジタとトクヤマは、中国生コンクリートにおける本技術の適用拡大に向けて、性能向上と安定供給体制の構築を進めてまいります。
 また、フジタは高い低放射化性能と遮蔽性能が求められる全国の放射線利用施設へFLASCの適用拡大を進めてまいります。企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002383.000002296.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp
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