── シムテック社が「空飛ぶ劇場」と動くデジタルサイネージで映像体験を刷新

ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)の製品と技術は、世界各国の多様な業界で活用されています。今回は、モーションシミュレーターの開発を手がけるドイツのSimtec Systems GmbH(以下、シムテック社)によるエンターテインメント分野での導入事例をご紹介します。
同社は、ベッコフのPC制御と分散型制御技術を駆使し、ダイナミックに動くデジタルサイネージ「Screenflite(R)」および、6自由度の没入型ライドアトラクション「Hexaflite(R) Flying Theater」の開発に成功しました。映像・モーション・安全制御をリアルタイムで統合したこのソリューションは、観客にこれまでにない臨場感のある映像体験を提供します。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/27362/53/27362-53-34ca0119485396760366dc986e5baee6-2400x1789.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
空港やショッピングモールなどの公共空間で視線を集める次世代デジタルサイネージ Screenflite(R)は、3層の回転式リングに合計12面のLEDスクリーンを搭載。(写真提供:ベッコフオートメーション)


モーション技術で訴求力を高める次世代デジタルサイネージ
シムテック社が開発したScreenflite(R)は、空港やショッピングモールなどの公共空間で視線を集めるための革新的なデジタルサイネージです。3層の回転式リングに合計12面のLEDスクリーンを搭載し、各スクリーンは1.1メートルの出し入れや独立した回転が可能です。複数のスクリーンが連動して構成を変えることで、2面から6面まで自在な表示形態を作り出します。

その高精度な動作を実現するのが、ベッコフのPC制御技術です。リング内の各駆動装置は、超小型産業用PC「C6015」をEtherCATマスターとして使用し、ワンケーブル接続のEL7201サーボターミナルでモータを制御しています。これらはWi-Fi通信により同期されており、リアルタイムかつ高精度なモーション制御が可能です。

「制御の観点から見て、Screenflite(R)は最も複雑なシステムのひとつです」と語るのは、シムテック社のソフトウェアエンジニアリング部門の責任者、クリスチャン・スポール氏です。「異なるモーションサイクルを自由にプログラム可能で、メディアコンテンツとの完全な同期を求められる点で、ベッコフの高速制御技術が不可欠でした。」

▶ Screenflite(R) 紹介動画(出典:Simtec Systems / YouTube)
[動画1: https://www.youtube.com/watch?v=s_zC4noXa6k ]

Screenflite(R)は、パネルのダイナミックな動きが見る人を魅了する効果的なマーケティングツールとして、動的にメッセージを伝えます。スクリーンを回転させる小型モータの制御には、ベッコフのEL7201サーボターミナルを使用しています。




圧倒的な没入感を実現する「空飛ぶ劇場」
もう一つの革新的な事例が、シムテック社が開発した「Hexaflite(R) Flying Theater」です。これは直径23メートルの球体型スクリーンと6自由度のモバイルプラットフォームを組み合わせた、まさに空を飛ぶような体験を実現する屋内ライドアトラクションです。乗客が着席したプラットフォームは垂直に上昇し、乗客の視線の高さとスクリーン映像のカメラアングルが一致することで、映像と動きが一体となります。そのため、どの席からでも同じ体験を楽しむことができる壮大でダイナミックな飛行体験を提供します。

この高度な同期を支えているのが、TwinCAT 3によるリアルタイム制御と、シムテック社がC++で独自開発した制御アルゴリズムです。ベッコフの組込み型PC「CX5140」によって、各軸の動きや視覚効果とのタイミングがミリ秒単位で調整され、観客は映像世界に入り込んだかのような没入感を味わうことができます。

「ベッコフの制御技術は、私たちの高い自由度を持つアプリケーションにおいて、集中制御と分散制御の両アーキテクチャに柔軟に対応できる理想的な選択肢です。」と、シムテック社 事業開発ディレクターのアンドレアス・スティッケル氏は説明します。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/27362/53/27362-53-8244da3397ec21b895d54103a58be774-2880x1800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Hexaflite(R) Flying Theater(空飛ぶ劇場)は、6自由度で移動可能なモバイルプラットフォーム(座席)と円形スクリーンで構成され、水平180度、垂直110度の視野角を実現します。(写真提供:ベッコフオートメーション)


▶ Hexaflite(R) 紹介動画(出典:Simtec Systems / YouTube)
[動画2: https://www.youtube.com/watch?v=NCVvrF4IVWU ]

拡張性と将来性を支えるオープンな制御技術
シムテック社は、これまでの多くの開発プロジェクトにおいて、ベッコフの制御技術を中心に据えてきました。産業用PCによる集中・分散制御の柔軟な構成、照明制御、空気圧計測など、豊富なI/Oターミナルによる各種機能の統合、EtherCATによる高速通信と便利な診断機能、TwinCAT開発環境のC++との高い親和性を活かし、設計・保守・拡張性のすべてにおいて優れた成果を上げています。スティッケル氏は「ベッコフのPC制御技術は、私たちのアプリケーションには欠かせない存在です。」と述べており、今後もベッコフのオープンで統合的な自動化プラットフォームを軸に、さらなる製品開発と市場展開を進めていく方針です。


詳細情報:
▶ 記事全文(PDF): https://www.beckhoff.com/media/downloads/application-reports-downloads/2025/pcc_0125_simtec_jp.pdf


▶ シムテック社Webサイト: https://www.simtec.de/en/contact

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