一般社団法人日本二酸化塩素工業会(東京都新宿区、会長:柴田 高)は、二酸化塩素ガスによる浮遊ウイルス低減性能を試験・評価する規格「JSA-S1021 二酸化塩素ガス製品-浮遊ウイルス低減性試験法-大形試験チャンバー法」を策定、一般財団法人日本規格協会(JSA)より9月1日(月)に発行されました。本規格は、換気の少ない半密閉空間内に一定期間にわたり設置して使用する二酸化塩素ガス製品を対象としています。
なお、本規格は管理された試験条件下における性能測定方法を定めたものであり、実生活環境では条件の違いにより結果が異なる場合があります。
■規格策定の背景 二酸化塩素ガス製品を巡っては、2021年から24年にかけて複数の販売事業者の広告表示に対して消費者庁より景品表示法違反に基づく措置命令を受ける事態が生じました。また、これまで販売事業者は各自で設定した試験条件・方法で製品の有効性を評価しており、評価基準が統一されていなかったため、消費者にとって品質・性能に関する判断が難しいという課題がありました。
こうした状況を踏まえ、消費者が試験基準に基づく情報を参考に、二酸化塩素商品を選択できるようにするためには、広告表示ルールの整備に加えて、性能を客観的に測定する共通の試験方法が不可欠と判断し、本規格の策定に至りました。
当工業会では、本規格に則した試験に適合した商品に対し「適合マーク」を交付する制度も開始します。今後も本規格および適合マークの普及促進を通じて、消費者が試験基準に基づく情報を参考に、二酸化塩素商品を選択できる環境整備に努めてまいります。
■規格の概要 本規格は、換気の少ない半密閉空間内に一定期間にわたり設置して使用する二酸化塩素ガス製品を対象にしており、密閉試験空間(大形チャンバー)内に二酸化塩素ガスを放出させ、その後ウイルスを噴霧して二酸化塩素ガスと作用後、感染性のあるウイルス数を測定します。その結果を、二酸化塩素ガスと作用させない対照試験と比較して99%以上の減少が認められた場合に効果があると判断します。なお、策定にあたっては専門的な知見と客観的な評価が必須と考え、熊本大学大学院教授の三隅将吾氏や、試験機関である一般財団法人日本繊維製品品質技術センター 神戸試験センター センター長の射本康夫氏らとともに共同で検討を行いました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168230/2/168230-2-ea172084be6a8b96823ea2291684f9df-1385x805.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本規格の適合マーク
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168230/2/168230-2-539fa7d50c650b1c07df10cf5c2b29b6-626x391.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本規格の試験空間イメージ
<規格詳細>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/168230/table/2_1_c1df7a3876e833a2a0c12868807fa7a2.jpg?v=202509021046 ]
※1 ウイルス感染価:細胞に対して感染性を持つウイルスの数
※2 設置空間が無人であることを前提とし、高濃度の二酸化塩素ガスを作用させる製品は対象外
◎本規格は、密閉空間での特定条件下における性能測定方法を定めています。
◎試験は製品の浮遊ウイルス低減性能を測定するものであり、感染症の予防効果を確認するものではありません。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168230/2/168230-2-139053643edaca91784dd8f73c064c0a-1000x600.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<本規格作成委員長コメント>
熊本大学大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター 教授
三隅 将吾 氏
本規格の検討にあたっては、既存の試験法を単に追認し規格化するのではなく、科学的根拠に基づき、実用性の高い規格を策定することが重要と考えていました。そのため、ウイルスの種類、ウイルスを空間に噴霧する液の組成等の各試験条件について可能な限り実際の使用環境に即した形で規格に反映させることを目指しました。
日本二酸化塩素工業会には、規格の完成後も社会への丁寧かつ継続的な情報発信を通じ、本技術に対する理解を一層深める努力を続けていただきたいと考えています。また、この規格が、多様な分野における衛生管理に二酸化塩素の有効活用を促進し、社会に広く貢献する一助となることを強く期待しています。
■今後の展望 本規格の発行により、二酸化塩素ガス製品の性能を測定する評価基準が確立されました。これにより、消費者が商品を選択する際の客観的な情報の提供が可能になるとともに、業界としても製品開発や品質向上に活用できる共通の枠組み作りの第一歩となります。今後、当工業会は、本規格に基づく「適合マーク」制度の普及促進を図り、規格に準拠した試験結果を有する商品を広く社会に届けてまいります。今後も二酸化塩素製品の適切な活用や衛生対策に関する情報提供を通じて、社会の衛生環境の向上に貢献してまいります。
<JSA規格とは>
一般財団法人日本規格協会(Japanese Standards Association)が発行する、製品・サービス・試験方法・管理方法などにおける国内標準を定めた規格。科学的・技術的根拠に基づき、学識経験者や技術者、試験機関の知見を反映して策定されるため、品質や安全性、信頼性の評価基準として広く利用されています。
<一般社団法人 日本二酸化塩素工業会について>
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168230/2/168230-2-4c8f69cb3707f5c391f64f7280864d73-135x132.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
二酸化塩素製品及びそれに関連する製品の正しい普及、品質向上や製造技術などの進歩改善を通して、二酸化塩素業界の健全な発展に寄与することを目的に、2011年7月に設立。2021年に二酸化塩素の発生量測定法をJIS規格化。2022年より二酸化塩素による空間除菌性能評価のJSA規格化を開始。2025年9月1日時点で、正会員9社、賛助会員6社が加盟し、活動。
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