(※1)真皮でコラーゲンなどをつくり、肌を支える細胞
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41232/715/41232-715-6dded28b4d24b1a535e023c5de94f0bc-3900x1902.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 「sFRP1」による真皮からのシミ発生メカニズム
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41232/715/41232-715-4e71490881c777e6716944013782fa20-3538x1268.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 「sFRP1」 が皮膚モデルの色素沈着に与える影響
研究の背景
肌に現れるシミや色むらは、多くの人が抱える代表的な肌悩みのひとつです。主な原因は紫外線ダメージと加齢であり、それらが表皮における分泌物の変化を引き起こすことで過剰なメラニン生成に繋がると考えられてきました。そのため、これまでは美白化粧品やシミレーザー治療による「表皮を標的としたアプローチ」が主流でした。しかし実際には、ケアを続けてもシミが同じ場所で大きく・濃くなったり、レーザーで一時的にシミを消しても同じ場所に再発するなど、結局シミがなくならないという課題がありました。そこで本研究では、メラニンが蓄積する表皮だけでなく、さらにその奥にある真皮にシミを制御する機能が存在しているのではないかと考え、真皮が関わる新たなシミ発生メカニズムの解明に取り組みました。
シミの真皮ではメラニン制御因子「sFRP1」が減少していることを発見
はじめに、シミの発生に真皮がどのように関わっているかを明らかにするため、シミ部位とその周囲の健常皮膚から真皮を採取し、18,812個におよぶ遺伝子の発現量(遺伝子が働いている量)を網羅的に解析しました。その結果、「sFRP1(Secreted Frizzled-Related Protein 1)」という、メラノサイトの機能を制御するタンパク質がシミ部位の真皮で顕著に減少していることを発見しました(図3)。さらに、「sFRP1」は真皮の線維芽細胞から分泌されることが確認でき、その量は細胞の老化によって減少することを明らかにしました(図4)。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41232/715/41232-715-f32e010bf1746d3d54f47e3bdf1b3044-2980x1003.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 シミ部位における「sFRP1」の遺伝子発現量 図4 細胞老化後の「sFRP1」の遺伝子発現量
「sFRP1」は色素沈着を抑制する、真皮の「抗シミ因子」であることを解明
次に、シミ部位の真皮で減少していた「sFRP1」が実際にシミ形成へどのように関与するのかを明らかにするため、メラノサイトや3次元皮膚モデルを用いた機能解析を行いました。まず、メラノサイトにsFRP1を添加することで、メラノサイトの活性化状態の指標である、樹状突起の形成が抑制されることを確認しました(図5)。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41232/715/41232-715-308e934d36842f3188e78a4f3361bec5-3236x856.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図 5 「sFRP1」のメラノサイトの活性化への影響
グリーンルイボスエキスに真皮の「sFRP1」を増やす効果を発見
さらに、真皮の線維芽細胞において「sFRP1」の産生を高める成分の探索を行いました。数ある植物エキスのうち、南アフリカ原産のハーブであるルイボスの未発酵の全草から得られるグリーンルイボスエキスに着目しました。グリーンルイボスは通常の発酵ルイボスに比べてポリフェノールを豊富に含むため、抗酸化作用や抗炎症作用による美肌効果が期待され、飲用としても親しまれています。グリーンルイボスエキスを線維芽細胞に添加した結果、sFRP1の発現が有意に上昇することを確認しました(図6)。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41232/715/41232-715-28febdaacf768c19fdd4156d5275a0be-2608x1243.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図6 グリーンルイボスエキスによる「sFRP1」促進効果
今後の展望
これまでのシミ研究では表皮ばかりが注目されてきましたが、本研究により、新たに真皮における抗シミ因子「sFRP1」を発見することができました。この知見は、しつこいシミに対する新しいアプローチに繋がる可能性があり、今後のスキンケア商品に応用していきます。今後も、肌悩みのメカニズム解明や有用な成分の開発を継続し、お客さまのニーズに根拠をもって応えることのできる化粧品の提供に繋げていきます。企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000715.000041232.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp