~教えない、導かない。でも変わる——“一座”で学ぶ[AIDA]の挑戦~
複雑なものを複雑なままに——動的な世界を相手にする力を、物事の「間(あいだ)」に注目することで身につける「Hyper-Editing Platform[AIDA]」(以下、[AIDA])。
《前編》では、プロデューサー安藤昭子(編集工学研究所・代表取締役社長)と、ディレクター吉村堅樹(編集工学研究所 イシス編集学校・学林局林頭)による対談で、コロナ禍を機に大転換した講座の裏側に迫ります。
[AIDA]の会場でもある「本楼」(ほんろう:編集工学研究所ブックサロンスペース)にて対談を実施。左から吉村堅樹、安藤昭子。
なぜ既存の企業研修では限界なのか? ~[AIDA]誕生の背景~
■三顧の礼から始まった
安藤:そもそものきっかけは、人材育成に悩んでいた三菱商事株式会社と株式会社リクルートの有志による問題意識でした。「スキル型の研修をこのまま続けても無理がある」と。今から20年前のことです。吉村:そこで、松岡正剛(当時:編集工学研究所・所長)のもとに来られました。「グローバル化した世界で闘うビジネスパーソンが、日本のことを語れない。あらためて日本について教えてほしい」と。
安藤:そうです。でも、松岡さんは「ビジネスパーソンに教えられることはない」と、お断りしたんです。
吉村:その後も何度も足を運ばれたらしいですね。
安藤:そうでしたね。熱意に押された松岡さんは、「だったら」と、ある提案をします。それが、「間(あいだ)を学ぶ」というものでした。
吉村:「特定のトピックだけ講義しても、世界で仕事していくうえで真の力にはならない。個別に独立している情報や概念はなく“あいだ”を考えないといけない」という意図だったろうと思います。
■着物を着る?写真を撮る?
安藤:こうして2005年に立ち上がったのが、現講座の前身となる「ハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]」です。塾長=松岡正剛、幹事=三菱商事とリクルート有志、企画運営=編集工学研究所という座組でスタートしました。吉村:「変わった講座だな。今度は何をやらされるんだ?」と、塾生も最初は戸惑ったんではないでしょうか。
安藤:それは、どういう意味で?
吉村:事前課題からして、ちょっとヘンでしたからね。たとえば、着物を着て会場に来る、自宅の写真を撮ってくる、子どもの頃に夢中になった物を持ってくる——。普通の企業研修ではやらないですよね、こんなこと。
安藤:ビジネスパーソンが普段しないであろうことを、あえてさせる場ですからね。もちろんこれには意図があって、日頃使っていない感覚や思考が動くようにするための準備なんです。
■コロナ禍による強制終了
安藤:「ハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]」は、15年も続きました。吉村:とにかく、「間、あいだ、AIDA」——。「日本の内と外のAIDA」、「イメージとマネージのAIDA」、「コードとモードのAIDA」、「脳と心と体のAIDA」、「公と共と私のAIDA」、「電子と意味のAIDA」……。このへんにしときますけど、個人的には「神と仏のAIDA/聖と俗のAIDA」(第11期・2015年開催)が強烈に印象に残っています。ゲストで青木健さん(宗教学者)と、重信メイさん(ジャーナリスト)のお二人に来ていただいたんですけど、初対面で何も接点がないのに、いきなり意気投合して。舞台上ではアイコンタクトを取りながら、「次、俺がしゃべる」って絶妙なコンビネーションを見せてくださった。
安藤:あれは見事でしたね。ところが、15期目を迎えた2020年に、コロナに見舞われました。
吉村:塾生には企業の経営層や起業家が多いですからね。企業からの規制もあり、対面講義はできなくなった。
安藤:いわば社会の最前線にいらっしゃる方々です。
吉村:僕らとしても苦渋の決断でしたが、これに松岡さんが物言いをつけた。「本当にそれでいいのか」と。塾生個々の判断を問う檄文を送るなんてこともありました。あれは強烈でした。
安藤:「自粛」の一言で皆が同じ方向を向くことに我慢がならなかったのでしょう。でも心の奥底では、[AIDA]を全面的に変える時期が来たと感じていたのかもしれません。
吉村:延期した最終講はZoom配信で行いましたが、なんとその中で、「[AIDA]はこれで終わりです」と、いきなり宣言してしまった。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_2.jpg,quality=70,type=jpg)
安藤:私たちも驚愕しました。何も聞かされていなかったので……。でも、「そうですか、終わりですか」というわけにはいかない。
「石を持ってきてください」 ~安全な回路を壊す[AIDA]の設計~
■「塾」から「座」への大転換
安藤:まず、「コーポレートユニバーシティ」を「エディティングプラットフォーム」に改称しました。吉村:これ、安藤さんのこだわりでしたよね?
安藤:微調整では無理だと思ったんです。そもそも塾生たちは、社会の先頭を走るトップリーダーたちです。彼らが持つ問題意識や知見は、「有識者」と呼ばれる講師陣と、本来、等価であるはずなんです。
吉村:なるほど。知を授かる「大学」ではなく、知を持ち寄り合う「座」ということですね。
安藤:そうです。そこで、松岡さんは「塾長」から「座長」へ、受講者は「塾生」から「座衆(ざしゅう)」へと呼び名も役割も変えて、皆が「一座」として相互編集する場、つまり「プラットフォーム」にガラリと変えました。
■「超編集プラットフォーム」として
吉村:通期で関わってもらうボードメンバー(詳細はこちら)の参画と、リアル(会場)受講とオンライン受講のハイブリッド形式にしたのも大きな変革でしたね。![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_3.jpg,quality=70,type=jpg)
安藤:オンライン上に「連(れん)」というバーチャルな教室システムをつくったのも大きかったですね。これがなかったら、座衆たちが自分の問題意識を持ち出し、「座」の力学を最大化するのは難しかったでしょう。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_4.jpg,quality=70,type=jpg)
知を創発する「プラットフォーム」の仕組み。
安藤:「連」では5~6人に分かれて事前課題についてディスカッションします。ゲストの著作を読むというオーソドックスなものが多いですが、個人ワークの事前課題には、かなりユニークなものがあります。
吉村:Season5(2024年開講)で、庭師の山内朋樹さんからの課題は、「お気に入りの石を2つ持って来てください」というものでした。座衆の皆さんも意外な課題に驚かれたでしょう。でも、持ち寄った石でみんなでやった石積みワークショップ、あれ、めちゃくちゃ座衆たちが楽しそうでした。ボードメンバーの佐藤優さんも参加して、連ごとに対抗意識を燃やして完全に本気モードでテーブルに石庭をつくってましたからね。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_5.jpg,quality=70,type=jpg)
《参考動画》「[AIDA]season5 型と間のAIDA」(YouTube)
安藤:あれは皆さん、真剣でしたね。
吉村:童心に帰っていましたね。ビジネスとは無関係の「石」が、なぜあれほど人を真剣にさせるのか——その不可思議さこそ、[AIDA]の扉です。
安藤:[AIDA]は概念や言語の領域に話が及ぶことが多いので、かなり抽象度が高く、どうしても知的でリテラルな方向に行きがちです。でも、物事の「間(あいだ)」を知るだけではなく、扱っていくためには、それだけでは足りない。だから、できるだけ五感をフルに働かせる課題を織り交ぜるようにしているんです。
■安全な道筋を断つ
吉村:[AIDA]のプロセスを具体的に話すほうがわかりやすいかもしれないですね。安藤:そうですね。[AIDA]の構造を知っていただくと理解しやすいと思います。[AIDA]のプログラムは、「壊す・肖る・創る」の3段階の変容を経る設計になっています。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_6.jpg,quality=70,type=jpg)
新たな思考回路をつくるためには、自分の使い慣れた方法論を捨て、安全な道筋を断つ必要があります。いつものビジネス思考ではできないことに取り組み、ハードルを一つ超える。ここに、吉村さんが講義する「義疏(ぎしょ)」というコンテンツも関わってきますね。
吉村:「義疏」という言葉は、聖徳太子の「三経義疏」に肖っていて、お経に注釈を付ける、自分の意見を言うといった意味ですね。松岡正剛の著作を毎期1冊取り上げて、毎回の講義のなかで図解しながら解説するものです。
《参考動画》「【佐藤優も認める読書術】義疏(ぎしょ)の秘密」(YouTube)
安藤:座衆の皆さんにも課題本を読んで、本の内容を手描きで図解してもらうこともあります。
吉村:PowerPointだと似たような図になるものも、手描きとなると多様なアウトプットが出てきます。
安藤:摩訶不思議な狂気のような絵が出てくることもありますもんね。義疏は、「手描きの図にする」という課題を通じて、普段の回路を断つんです。
■座衆も「編集工学」で武装する
吉村:現在の[AIDA]になってから、「編集工学」についての学びを意識的に取り入れるようにしたことも、義疏をスタートした理由です。安藤:ユニバーシティ時代の「知を授かる場」から「知を創発するプラットフォーム」に変貌したことで、座衆は自らも編集を起こす立場になりましたからね。
吉村:そうですね。そこで必要となる道具立てが「編集工学」です。
安藤:本を読んでお題に回答したり、言葉で学んだことを1枚の図にしたりすることで、「自分が何をフィルターにして思考したか」が見えてきます。編集工学はいわば「世界の見方を変える思考法」です。いつもの自分を「壊す」ことで初めて、次のステップの「肖る」も「創る」も可能になります。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_7.jpg,quality=70,type=jpg)
松岡正剛 著『知の編集工学』(左)、安藤昭子 著『才能をひらく編集工学』(右)。「編集工学」は今から30年ほど前に松岡正剛が創始したもので、生命のふるまいから人類の歴史まで、人間の認知から表現まで、哲学からシステム工学まで、文化から宇宙論まで、何もかもを「編集」という共通の方法論でつなぐ柔軟な道具である。
経営層が“切実さ”を持ち込む理由 ~[AIDA]が担う社会的役割~
■定石なき時代を測る場
吉村:[AIDA]の座衆の皆さんの変化を、安藤さんはどう見ていますか?安藤:近頃は特に切実な人が増えた印象がありますね。今、ビジネスに限らず世の中全体で「定石」がなくなってきている。すると、「自分は何を考えなければならないのか?」ということ自体を考える必要があります。この難問に真っ先にぶち当たるのが経営層です。
吉村:新たな学びを自ら貪欲に求めている人が増えましたよね。
安藤:今の社会にはこうした問題を考える場が、案外ないからだと思います。なぜないのか——それは、ものすごくエネルギーを必要とするからです。
吉村:新しい組み立てを創り出すにはエネルギーが要りますよね。
安藤:たとえば、一般的な研修では、目的とゴールがあらかじめあってプログラム設計されています。[AIDA]は社会の動きやゲストの振る舞い、そして座衆の様子を見ながら、少し先の仮説を取ってきて、開講中も都度編集しながら内容を組み立てます。この動的な方法は、ものすごくエネルギーを使いますし、普通に考えればリスキーです。走りながら刻々と進むべき道をつくり出すわけですから。でも、このやり方こそが松岡正剛から受け継いだ編集工学研究所の編集力であって、私たちが手放してはいけない方法だと考えています。
吉村:僕らは2005年から一貫して「間(あいだ)」を掲げてやってきましたけど、ここにきて、世の中全体もこの重要性に気づき始めてきた、という気がしますよね。
安藤:個人も組織も国家も、単独で成立しているものは何一つないんですよね。常になんらかの「間(あいだ)」にさらされている。要素還元的な合理性の延長線上でやっていくことに限界がきているからこそ、この場が「切実」を持ち寄る場になってきているんだと思います。
《参考動画》「AIDAとは何か?佐藤優×安藤昭子対談」(YouTube)
■プロトタイプの刷新が必要
吉村:「壊す」というのは、これまでの「言語」そのものを壊すことでもあります。ビジネスで使う言語ではなく、「間(あいだ)」をあらわしたり、「間(あいだ)」を繋ぐ言語に変えていくことで、自分自身が[AIDA]思考に変わっていく。そのためにこの半年間があるのだと、この記事を読んでくださる方にも感じてもらえたら嬉しいですね。安藤:「言語を壊す」は、まさに[AIDA]で起こることを象徴していますよね。
吉村:言語が思考や判断を規定しているわけですから。
安藤:編集工学では、プロトタイプ(類型)・ステレオタイプ(典型)・アーキタイプ(原型)という階層に分けて物事を捉えることがありますが、今あるプロトタイプはほぼほぼ19世紀に出揃ったものと言えます。学校って何、会社って何、国家って何——。近代に生まれたそうした概念を長らく使い続けてきたけど、20世紀が終わる頃にはあちこちに歪みが出てきてしまった。言語から根本的に問い直す時期にきているんだと思います。
吉村:座衆の気質が変わってきたのも、そうした社会の状況を映していますよね。
安藤:大手企業から選抜で派遣されてくる人も、自分なりの問題意識を強く持っている人が増えました。また最近は起業した人、中小企業の経営者も増えて、顔ぶれも属性も、広がってきましたね。
吉村:このままでは良くないことはわかっているけど、どうしたらいいかわからない。そんなモヤモヤに、ここで気づかされたという声も多く聞かれますね。
《参考記事》「[AIDA]受講者インタビューシリーズ」
“一座”として偶然すら編集する ~立ち上がる[AIDA]の未来~
■一座建立の日本モデル
安藤:2025年10月よりSeason6が始まります。テーマは「座と興のAIDA」。吉村さんからテーマについて説明してもらえますか?吉村:前期のテーマは「型と間のAIDA」でした。日本の中でも最も基本的であり、深いテーマから始めました。Season5を通じて「一座建立」すること、そこで生じる共有感覚というのが、これからの「世界モデル」として重要ではないかと思い至ったわけです。これは、世阿弥が能楽で、利休が茶の湯で創り出そうとした世界モデルであって、グローバル社会に向けても日本が発信できる普遍性ではないかと考えています。
安藤:それが「座」に込めた意味ですよね。対となる「興」は?
吉村:「興」は、地面や場から湧き起こるエネルギーを指します。場や空間があるだけでは不十分で、エネルギーをどう起こし、どう生かすか。「座」と「興」を対にして考えていきます。
安藤:場のエネルギーをも巻き込んで「座」をつくっていく。これは、行き過ぎた個人主義に対するカウンターでもあります。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_8.jpg,quality=70,type=jpg)
Hyper-Editing Platform [AIDA] Season6のテーマは「座と興」。創造性をうむ場はいかにつくられるか、多分野の知をまたぎながら探究する。
■ボードメンバーとゲストの妙
吉村:テーマが決まるとゲストの選出に入ります。年代や分野の偏り、1~6講の順番を考慮しますが、思ったとおりに決まらず想定外が起きることもあります。安藤:それでも、「今期のゲストはこの人選、この順番しかなかった」と、毎回なりますよね。
吉村:想定どおりに進まなくても、そこから当初は見えていなかった意外なつながりや文脈が生まれてくることがあります。編集の力で偶然を必然に変えていってる感じですね。
安藤:「強力なビジョンをあえて置かない」という[AIDA]の方針も、これを可能にしています。ビジョンをもってプログラムを組み立てる方法は、言ってしまえば安全策です。それよりむしろ、場のエネルギーに注視して時にはエラーも生かしながら編集をかけ続ける。これが編集工学研究所のやり方です。
吉村:ボードメンバーも可能な回はすべて参加してもらうので、ボードメンバー同士、ボードメンバーとゲストの間に化学反応や相互編集が起こることもあります。
安藤:冒頭で出た、青木さんと重信さんのゲスト回以外に、印象に残っているものがありますか?
吉村:ボードメンバー同士の丁々発止は、ある意味、[AIDA]の重要なシーンになっていますよね。たとえば、社会学者の大澤真幸さんの発言に作家の佐藤優さんが神学の観点から質問をぶつける。専門も考え方もまったく違ううえに、予定調和に話を合わせることも一切しない。だから他では見られないセッションが目の前で繰り広げられますね。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_9.jpg,quality=70,type=jpg)
■没入感が得られるオンライン受講
安藤:テーマやゲストにこだわる一方で、「コンセプト主義」には陥らないように気をつけてきました。吉村:編集工学では、コンセプトを先に出すことはないですからね。
安藤:[AIDA]は世界観の仕掛けにこだわっていますが、身体感覚も含めて企画意図を伝えるには、細部の演出が不可欠です。細部と細部の連なりから物事は生まれ、編集が始まるからです。
吉村:編集工学研究所は、「もてなし・しつらい・ふるまい」の中でも、「しつらい」を一番重視してきました。言葉で伝える前に、しつらいによってアフォードされることが、場を立ち上げることにつながります。
安藤:毎回ゲストに合わせた世界観をつくっていますが、このあたりは、この記事の《後編》として、後日「黒膜衆(くろまくしゅう)」の座談会を掲載してもらう予定です。
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_10.jpg,quality=70,type=jpg)
![【変革期のリーダーたちへ】既存の思考を"壊す"––Hyper-Editing Platform[AIDA]が示す新たな学び《前編》](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F32%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB%252FPrtimes_DBnVZAsnQyB_11.jpg,quality=70,type=jpg)
吉村:黒膜衆の編集力の高さは、ぜひオンライン受講で体感してもらいたいですよね。どういう演出にするか、トータルの企画から、照明、音響、額やパネルの配置、大道具・小道具、そういったものすべてを数センチ、数秒単位で調整して、おまけに撮影もして映像編集までしてしまう。ここまでなんでもやる集団は、そうそうないですよ。
安藤:オンラインで受講する座衆の方々から「これだけの没入感は味わったことがない」という声が聞かれるのも、まさに徹底した演出があるからです。7-8台のカメラのスイッチングも、画面越しで集中して情報をインプットする際の認知に、相当の効果があるのではないかと思っています。
吉村:リアル会場で参加している座衆が直接見ることができない部分を、オンライン座衆はカメラを通して見ることもできますしね。
安藤:リアルだと、どうしても目の前で講義してくれている話者に、意識が集中しますからね。
吉村:佐藤優さんって、めちゃくちゃノート取るんですよ。今そんなに重要な話、してないよね?っていうときも、ずーっと取っている。「何をそんなに書いてるんだろ?」って不思議に思うほど書き続けている。で、黒膜衆は佐藤さんのノートの中身も、ちゃんと映してくれるんですよね。
安藤:黒膜衆の目を借りて、細部まで見ることができる。オンライン受講の旨味でもありますね。
■社会の結節点として、開かれた場へ
安藤:[AIDA]はコロナ禍を機に、大きく変わりました。たくさんの人々の力を借りながら、危機を編集機会へと転換できたことは、幸運でした。これまで400名以上のビジネスリーダーたちがこの[AIDA]に入っては出ていきましたが、そうした知的格闘の痕跡が、社会にあるいろいろなエネルギーのジャンクションになってきたと思っています。吉村:外に向かって「場」を開くタイミングにきたのだと思います。
安藤:オンライン受講を解禁したことが大きいですよね。オンライン座衆はチャットで気軽に発言できるので、Zoom内には会場とは別の対話が生まれることもよくあります。
吉村:座衆、ゲスト、ボードメンバーが入り混じってのディスカッションタイムになったとき、講義を聞きながらチャットしていたオンライン座衆たちは、すでに議論が温まっていることが多い。だから、あえてオンライン座衆に先頭を切って発言してもらうこともあります。
安藤:チャットでの発言の意図を聞いたりして、リアルとオンラインをうまく繋げながら相互編集を起こすようにしていますね。
吉村:オンライン受講の座衆には若手も多いですからね。徐々に開けてきたと思います。
安藤:[AIDA]の座衆には既に多くの経験を積んでいるビジネスリーダーが多いのは事実ですが、「もっと若いときにこれを経験したかった」と言う人も多いですね。これからますます[AIDA]は企業の枠を超える結節点になっていくでしょう。ここを経由した人たちが起こす波は、確実に社会の地形を変えていくはずだと思っています。
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*《後編》では、[AIDA]の演出を担うチーム「黒膜衆(くろまくしゅう)」の座談会をお届け予定です。
Hyper-Editing Platform[AIDA]では、Season6のオンライン座衆を募集中です。
2025年8月1日(金)に開催する無料説明会(オンライン)に、ぜひご参加ください
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