2026年3月2日、東京都内で「クールジャパン・プラットフォームアワード(CJPF AWARD) 2026」の表彰式が開催された。主催はクールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)。
内閣府知的財産戦略推進事務局が事務局を担い、文化庁・農林水産省・経済産業省・観光庁・環境省・クールジャパン機構・日本政府観光局(JNTO)・日本商工会議所・東京商工会議所が後援する、海外発信力を競う国家的なアワードだ。


本アワードで、株式会社TYOの新規事業である映像コンテンツシリーズ「Another Side of Japan(アナザー・サイド・オブ・ジャパン)」が、ムービー部門グランプリとプロジェクト部門準グランプリの2部門を同時受賞した。同一チームの両部門受賞はCJPF AWARD 2026では唯一。ローンチからわずか1年半での快挙を成し遂げた軌跡を振り返る。

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Another Side of Japanとは?

映像プロデュース40年超、TYOオリジナルの新規事業

株式会社TYOは、広告テレビCMを中心とした映像制作で40年以上の歴史を持つプロデュースカンパニー。国内映像制作業界でトップクラスの規模を誇り、テレビCMやWeb動画などのコミュニケーションコンテンツを年間1000本以上を手がける映像プロダクションだ。「最高の制作チームで、領域を超え、心を動かし、『伝わる』ものを作りつづける」をミッションに掲げ、テレビCM・ミュージックビデオ・Webムービー・XR/VR/ARからイベント・グラフィックまで幅広いコンテンツ・ソリューションを展開。国際的な広告賞・映像関連アワードの受賞実績も多数持つ。1982年の創業以降、時代と共に広告手法やコミュニケーションの在り方が変革・進化していく中で、近年はバーチャルプロダクションや生成AIなどの新技術をいち早く取り入れ、映像表現のクオリティ向上を追求。動画ニーズが高まる今、広告映像にとどまらずマーケティングから採用・IR・インターナルコミュニケーションまで、様々な企業活動の目的に対応した全方位的コンテンツを展開している。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


「Another Side of Japan(ASJ)」は、株式会社TYO の事業開発本部 BizDev / Thirdから生まれた、自社オリジナルの映像コンテンツシリーズ。まだ世界にほとんど知られていない日本各地の文化・自然・産業・食の魅力を、言語に依存しないノンバーバルな表現で世界中に届けているASJ。その発信は、観光客が都市部に集中するオーバーツーリズムの解決策としても位置付けており、インバウンド旅行者の地方分散への貢献も目指している。
自治体・DMO・民間企業と多様な共創モデルを構築してきた。

盛り上がる「クールジャパン」

CJPF AWARD 2026では、プロジェクト部門100件・ムービー部門237件、2部門合計337件の応募から、グランプリ3件を含む14件の受賞作が選出された。表彰式には小野田紀美内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)が駆けつけ、受賞者を祝福。「受賞作品は日本の多様な地域資源に着目し、従来にない発想や工夫で魅力を発信する取り組み。映像等を拝見し、日本の魅力を再発見した気持ちになった。受賞作品を積極的に国内外に発信していく」と述べた。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


プロジェクト部門の審査委員長を務めたCJPF共同会長の夏野剛氏(近畿大学特別招聘教授情報学研究所長)は、インバウンドの訪日客数・消費額がともに過去最高を更新していること、また政府目標として2033年までにクールジャパン関連産業の経済効果を50兆円以上に拡大する方針があることを挙げ、「コンテンツに関しては今すごいことになっている」「インバウンドのデスティネーション(目的地)としての日本もものすごいことになっている」と語り、日本の観光資源やコンテンツが世界的な追い風の中にあることを強調した。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


広告映像のプロが、なぜ「自社コンテンツ」に踏み出したのか

2024年9月、TYOはそれまでとは性格の異なる新規事業を始動させた。Another Side of Japan、自社オリジナルの映像コンテンツシリーズだ。クライアントからの依頼を待つのではなく、TYO自身が地域の魅力を掘り起こし、映像を制作し、世界に向けてSNSアカウントで発信する。広告映像のプロがその表現力を生かして「コンテンツブランドの運営者」に転じるという試みだった。

この事業を起案したのは、事業開発本部BizDev部 Business Producerの小川祐紀。人材コンサルティング、SNSマーケティング企業の営業責任者、デジタルガレージでのクロスボーダーマーケティング部門立ち上げ責任者を経て、2023年1月にTYOへ。マーケティングの最前線で培った経験と、TYOが長年積み上げてきた映像制作力の2つを掛け合わせれば、これまでにない価値が生み出せると確信していた。


入社から3ヶ月、100枚を超えるスライドで事業の原案をプレゼン。事業開発本部Thirdを率いる取締役の岸本高由とともに構想をブラッシュアップし、社内承認を経て、ASJは動き出した。

小川はこのように考えてきた。「一瞬で消費されてしまうコンテンツではなく、年月を超えて人の心に残る映像を作りたい。ニーズを追いかけるのではなくて、自分たちが何を誇りたいのか、どういうメッセージを届けたいのかという意志を、堂々と発信することが大切だと思っています」。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


「短尺バズ動画」一辺倒の時代に、あえてハイエンド・長尺で勝負

ASJが採った戦略は、一見、時代の流れに逆行するようなものだった。

TikTokやInstagramのリールの台頭以来、SNS動画は冒頭数秒で強い「引き」を作り、「バズ」を狙う短尺コンテンツが席巻してきた。一方、ASJは、シネマカメラを使用した数分のハイエンドな長尺映像を主軸に据えた。

演出家・撮影監督・カラリストまで広告映像と同水準のスタッフィングで制作に臨み、地域に赴き丁寧なロケを行い、言語の壁を超えて世界中に届けるノンバーバルな映像表現にこだわっている。音を消した状態でも見応えがある映像、字幕なしでも伝わる映像。TYOの強みを最大限に生かせるものだという確信があった。

配信プラットフォームも多角的に展開した。英語圏向けのYouTube・Instagram・TikTokに加え、中国語圏向けにbilibili・小紅書(RED)・抖音でもASJアカウントを自社で運営する。
6つのプラットフォームを通じて、欧米豪やアジア市場を同時に狙う真のグローバル発信体制を整えた。

TYOは2024年9月に東京ビッグサイトで開催された、日本全国の観光地・自治体・関連企業が集結する旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2024」の「トラベルソリューション展」にもブース出展し、ASJをはじめとした映像ソリューションを発表。ハイエンドなコンテンツの可能性を提案した。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


9ヶ月で5万人、そこから4ヶ月でさらに倍に。急成長するコンテンツブランド

ASJは始動から9ヶ月でフォロワー総数5万人を突破。その後わずか4ヶ月で10万人を突破した。さらに勢いは加速し、ローンチから1年半経った2026年3月現在、22万人超に達している。コンテンツが到達した国と地域は50以上。「プロが作るハイエンドな映像には、国や言語を超えて人の心を動かす力がある」という小川の仮説が、数字で証明されていった。

成長を支えたのは映像の品質だけではない。各プラットフォームのデータを蓄積・分析し、ユーザーの視聴傾向をコンテンツ制作にフィードバックするPDCAサイクルも構築している。データを参照しながら、ロケ地の選定からフォーマットの設計まで継続的にブラッシュアップしてきた。


2025年9月には成田国際空港の大型サイネージでの放映がスタート。日本を訪れる外国人旅行者への発信チャネルも、オンラインからオフラインへと広がりを見せている。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


「もうひとつの日本」を映像で巡る旅

始動から約1年半で公開した映像は30本を超え、「もうひとつの日本」カタログが出来上がってきた。

第一弾の映像は福井・越前打刃物。700年の歴史を持ち、手研ぎ・鍛造でありながら薄く軽く切れ味に優れるこの技術を、「メイド・イン・ジャパンのクラフトマンシップ」として世界に届けた。福井の工房には技術を求めて海外の料理人たちが訪れるということを知り、「ものづくりの魅力は国境を越える」という確信が生まれた。

香川県の庵治石は「花崗岩のダイヤモンド」とも呼ばれる希少な石材で、採掘されても製品になるのはわずか3%。職人たちが伝統の「砥石磨き」技法を受け継ぎながら建築や工芸品へと可能性を広げていく姿は、世界の視聴者に「日本のものづくり」への驚きと敬意を呼んだ。

山梨・甲州の映像では、富士山の麓のワイナリー、江戸の面影が残る街並み、地元食材とのマリアージュを通じて、「富士山の先にある日本」を描いた。

岡山・倉敷の映像では、JR西日本の「せとうちパレットプロジェクト」およびJR西日本コミュニケーションズが運営する通訳ガイドマッチングサービス「Gold-Guide」と連携。国産ジーンズの発祥地・児島と倉敷美観地区を、実際のガイドの知見を織り交ぜながら映像化するという共創モデルを体現した。またこの映像からはソニーマーケティングとの技術連携もスタートし、「BURANO」をはじめとするシネマカメラ群を活用した制作体制に移行。より高品質な映像表現を実現している。


映像はいずれも、「知られざる日本の地域を体感できる物語」として世界の視聴者に届けられ、コメント欄には世界各地からの驚きと共感の声が集まっている。

初のコラボ映像がグランプリを受賞

こうして積み上げてきた実績の中で生まれた一本が、今回CJPF AWARDのムービー部門でグランプリを受賞した東京・奥多摩の映像だ。

×(Another Side of Japan「TOKYO | Okutama: Your Gateway to Forest Calm, Healing Retreats, and Exciting Adventures」)

JR東日本と株式会社さとゆめが共同出資で設立した沿線まるごと株式会社が推進する「沿線まるごとホテル」は、「沿線全体をホテルに見立て、青梅線沿線エリアの旅そのものを宿泊体験として提供する」という独創的な地域活性化プロジェクトで、2025年7月にASJとして初のコラボレーション映像「TOKYO | Okutama: Your Gateway to Forest Calm, Healing Retreats, and Exciting Adventures」を公開した。

薪サウナ、森林セラピー、サイクリング、ラフティング、地元食材を使った料理。「TOKYO」の名を冠しながら都会のイメージを鮮やかに裏切る構成。英語圏・中国語圏の両方の視聴者を想定した設計で制作された。アワードでは「都心近郊の自然体験を躍動的なカメラワークで表現し、訪問への具体的な導線を整備した実効性の高さ」が評価された。

プロデューサーを務めた伊藤嵩は、「東京23区に注目が集まりがちな中、奥多摩・青梅エリアも都心からほど近い距離で、心身ともに満足できるアクティビティがたくさん詰まっていることを伝えるのが今回のミッションでした」と語る。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


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CJPF AWARD 2026表彰式にて

写真左からCJPF共同会長・夏野剛氏、TYO・伊藤嵩、小野田紀美内閣府特命担当大臣、CJPF共同会長・田中里沙氏

ムービー部門審査員の矢野貴久子氏(株式会社アイスタイル BeautyTech.jp編集長)が「個人的にも見ていて行きたくなってしまう、心を動かされました」と述べたこの映像は、受賞を機にJR首都圏エリアの駅デジタルサイネージでのリバイバル放映が決定。3月4日から16日にかけて放映される運びとなった。

「ニーズを追いかけるのではなく、意志を発信する」

プロジェクト部門審査員のコチュ・オヤ氏は、ASJ全体を「映像表現とマーケティング視点を高い次元で融合させた、今後の観光・地域発信のモデルとなる取り組み」と評した。官民双方との多様な共創モデルを構築しながら、新しい日本の資産を築いていく——。その信念と高品質な制作物の積み重ねが、国家的なアワードで確かな評価を得た。

プロジェクト部門準グランプリの授与式。
Business Producerの小川が登壇し、Another Side of Japanにかける思いをこう語った。

「いつも思っているのは、ニーズを追いかけるのではなく、自分たちが何を誇りたいのか、どういうメッセージを届けたいのかという意志を、堂々と発信することが大切だということです。それが我々プロジェクトチームが担っている役割であり、使命です」



インスタントな流行を追いかけたり、バズ狙いに走るのではなく、本当に心を動かされた風景や地域の魅力を真っ向から発信する。その戦略が奏功した。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


CJPF AWARD 2026表彰式にて

写真左からCJPF共同会長・夏野剛氏、TYO・小川祐紀、小野田紀美内閣府特命担当大臣、CJPF共同会長・田中里沙氏

広告映像のプロフェッショナルから、グローバルIPの創り手へ

小川はこうも語った。

「日本のプレーヤーが本質から逃げることなく、真正面から地域と向き合って発信していく後押しができればとも思っています。Another Side of Japanの今後としては、世界に地域のストーリーをそのまま届ける『グローバルIP』を目指せると思っています」



「Another Side of Japan」は今後も、日本各地の知られざる地域と向き合い、多様なプレーヤーとコラボレーションしながら、映像をグローバルに発信し続ける。

共創メニューはタイアップ制作・映像アセット活用・プロダクトプレイスメント・技術機材協力・冠協賛・プロジェクトデザインと多岐にわたり、自治体・DMO・民間企業・国内外の多様なプレーヤーとの連携を広げていく。

広告映像のプロフェッショナルから「日本の地域のストーリーを世界へ届けるグローバルIPの創り手」へ——。TYOが踏み出したこの挑戦は、本格的に加速していく。

TYOの新規事業「Another Side of Japan」が急成長、映像プロデュース力を生かし「グローバルIP」へ。クールジャパン官民連携プラットフォーム主催アワードでグランプリを受賞


「Another Side of Japan」チームのメンバー

Another Side of Japan 公式サイト:https://asj.tyo.co.jp/

YouTube:http://www.youtube.com/@AnothersideofJapan

Instagram:https://www.instagram.com/anothersideofjapan/

TikTok:https://www.tiktok.com/@anothersideofjapan

会社概要

社名:株式会社TYO

代表者:代表取締役社長 早船 浩

本社所在地:東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル6F

創業:1982年4月2日

資本金:1億円

主たる事業:広告映像を中心としたコンテンツの戦略立案・企画・制作

株主:KANAMEL株式会社(100%)

コーポレートサイト:https://tyo.co.jp/

TYOは、広告映像を中心としたコミュニケーションコンテンツの戦略立案・企画・制作を手がけるプロデュースカンパニーです。テレビCMやオンライン動画などの年間制作本数は1,000本以上。総社員数約300名、うち84名のプロデューサーが在籍しており、国内映像プロダクション業界でもトップクラスの規模を誇ります。

【最高の制作チームで、領域を超え、心を動かし、「伝わる」ものを作りつづける。】をMissionに掲げ、多様な価値観が共存できる社会を目指し、今日も誰かの心を動かすものを作りつづけています。
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