プログラミングに関する記事や質問を投稿し、お互いに知見を共有しスキルを高めることができる情報共有コミュニティ「Qiita(キータ)」。「Qiita」は月間700万人を超えるユニークユーザーが訪れ、月間6,000万回ページアクセスがある日本最大級のエンジニアコミュニティです。


2020年8月にリリースした「質問機能」とは?また、「Qiita」が目指す姿とは?代表取締役社長と、「Qiita」のプロジェクトマネージャーの二人に話を聞きました。

※注釈:「最大級」は、エンジニアが集うオンラインコミュニティを市場として、IT人材白書(2019年版)と当社登録会員数・UU数の比較をもとに表現しています。

柴田 健介(シバタ ケンスケ)

Increments株式会社 代表取締役社長

2009年に株式会社エイチームへ新卒入社。モバイル向けのプロモーション業務を担当した後に社内の新規事業コンテストにてツールアプリ「ZeroApp」シリーズを提案し、グランプリを受賞し事業責任者を担当。2014年よりメディアサービス部部長、2016年よりエンターテインメント事業のマーケティング責任者を経て、2019年12月27日にIncrements株式会社 代表取締役社長に就任。

清野 隼史(キヨノ トシフミ)

Increments株式会社 プロダクト開発グループ プロダクトマネージャー

内定者アルバイトを経て、2019年4月にIncrementsへ新卒入社。Qiita Jobs開発チーム、Qiita開発チームでプロダクト開発や機能改善等を担当。2020年1月からQiita開発チームのプロダクトマネージャーとして、「Qiita」のプロダクトマネジメントとメンバーのマネジメントを行う。

国内最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita」が作る、「エンジニアの幸せ」に繋がる世界 -前編- ~「質問機能」でアウトプットの体験をより気軽に~


よりユーザー視点であることに注力し、加速する「Qiita」



-- 先日9周年を迎えた「Qiita」ですが、社長やプロジェクトマネージャーの交代なども経て、プロダクトとしてこれまでと大きく変化した部分はありましたか?

清野:プロダクトとしての思想はずっと変わっていませんね。昔から掲げている「汎用性の高い情報を集めていくこと」「繋がりを作っていける場」「活動を通してアイデンティティを確立していくこと」という3つの思想は変わらず受け継いでいます。その中でも今は、もっとアウトプットがしやすい場を広げていきたいと考えていて、その一つの機能として2020年8月に、質問機能をリリースしました。

実は、記事投稿者の割合が減ってきていているという現状があります。「Qiita」というコミュニティはアウトプットをして、そしてその記事を誰かがインプットして、またそれを誰かがアウトプットして、といった流れがあります。
そのサイクルの中でエンジニアとして成長していき、アイデンティティを確立する場なので、アウトプットのハードルを下げていくことは目下力を入れている部分です。

-- 柴田さんは代表就任後のこの約半年間の「Qiita」を見ていて、何か変化を感じましたか?

柴田:変化という意味では、清野がプロダクトマネージャーとなり、よりサービスとしての動きが速くなったという印象を持っています。前代表が約10年間作ってきた「Qiita」を、今のチームで上手く意志を引き継いだ形で何か新しい動きを起こしたり、より「Qiita」を良くしていこうという想いが伝わってくるのは感じています。

-- 具体的にはどのような点でしょうか?

柴田:ユーザーからの声をどういう風に取り入れようであったり、どういう風にユーザーに伝えようとか、そのようなところに目が向き始めてきた半年だったんじゃないかなと思います。

ただ、3月に発生した炎上なども見ていると、「Qiita」って僕たちが運営で、僕たちが開発をしているんですけど、僕たちだけが作っているサービスではなくて、やっぱりユーザーがいて成り立っているサービスだと、頭では分かってはいたんですけど実感したなというのが僕自身にはありました。という点もふまえると、ユーザーがリリース検討中の実験的な機能を利用することができる「β版への切り換え機能」なども使って、より様々なフィードバックをもらってプロダクトに活かすという動きはこれからも大事にしていきたいなと思っています。

質問機能でまずはアウトプットの体験をしてもらう



-- 先ほどのお話にもあった8月にリリースした質問機能について、目的と背景を聞かせてください。

清野:冒頭の内容とつながる部分でもあるのですが、今、記事投稿をしている人の割合がだんだん落ちてきています。「Qiita」の方針としては、やっぱりエンジニアの成長という面からどんどんアウトプットしてほしいという気持ちがありますが、実際問題として、人に読んでもらうものを出す記事投稿という動作はハードルが高いなというのは思っていて。なので記事ではなく、まずはアウトプットをするという行為を体験してもらう。そのためにハードルを一段階下げた、気軽にアクションできるような場として質問機能をリリースしました。

-- リリース後の反応はどうですか?

清野:まずリリース前の仮説として、「Qiita」というプロダクトがアウトプットの場なので、回答が結構つくのではないかと思っていたのですが、そこの仮説は結構当たっていました。
質問に対する回答率が実はすでに90%を超えてきています。

次のステップとして、今は質問機能の認知を広げています。実際、エンジニア初心者の方だったり、今までアウトプットをしたことがない方なども回答してくれるようになってきていますね。

また、リリース後にユーザーからの意見を元にフィードの改善を行いました。検証で「タグで絞り込みたい」や「回答がついていない質問を見つけたい」などの声が結構あったので、そこに最適化されたフィードを増やしていったという経緯がありますね。

実際そのフィードを改善してから回答率が20%程上昇した結果、今は全体で90%超えになっています。やっぱりユーザーは回答したいモチベーションを持っているのが「Qiita」の面白いところなのかもしれません。

-- これから質問機能をどのようにしていきたいですか?

清野:質問機能はアウトプットの最初の段階として提供しているのですが、将来的には記事投稿をしてもらいたいっていうのはあります。なので質問や回答という体験を通して、最終的には記事を投稿してもらえるようにユーザーを育てられるよう、プロダクトの中で道筋を示せたらいいなと思っていますね。

柴田:実は質問機能って「Qiita」の本当に初期の頃にもあったんですよ。ただ当時は質問数が圧倒的に少なかったそうです。逆にいうと回答率は高かったみたいで、質問がなくて回答が多いから、アウトプットしたい人が多いということで記事投稿にピボットしたようです。


ただそれはフェーズの問題であって、今はコミュニティーも出来上がってコミュニティーに貢献したいと思ってくれているユーザーや、回答をしてあげようというモチベーションを持っているエンジニアも多い規模になってきているからこそ、今もう一度質問機能をやるのは、僕はすごくいいと思っています。

清野:そうですね、個人的に質問機能を今出す理由として、時代背景もあると思っています。10年前って、エンジニアってかなりスペシャリストが多かったと思います。なりたい人がなる専門家が昔だとすると、今はカジュアルにプログラミングが勉強できてエンジニアになれる時代です。逆にいうとプロフェッショナルじゃなくて、今まで全然違うことやってきて始める人や、学生で始める人、趣味でやっている人など、かなりプログラミングがカジュアルになってきていることも、今この機能を出す価値に繋がるのかなと感じています。要は昔はみんな調べて勉強する人たちだったのですが、今はそうではなくて、先人がいて新しい人がいる中で、質問機能を出すことによって両者の繋がりをどんどん大きくしていけることが意味のあることだと思っています。

柴田:僕もイメージとしては同じように思っていて、「Qiita」って長く続いているサービスなので、経験の長いユーザーもいるからその人たちと、駆け出しのエンジニアとのコミュニケーションが生まれて、若い世代がエンジニアとして活躍していけるような橋渡し的な部分とかも「Qiita」でできるとすごくいいなっていうのは思っています。その一つに質問機能を通したコミュニケーションがあるんじゃないのかなって気がしています。

▼「Qiita」 質問機能リリースに関するプレスリリースはこちら

日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita(キータ)」、会員数50万人突破。質問機能を正式リリースPR TIMES×

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