叡啓大学(広島市中区)では、先行きが不透明な社会経済情勢の中で、地域社会や世界に貢献する高い志を持ち、解のない課題に果敢にチャレンジし、粘り強く新しい時代を切り開いていく人材の育成を目指しています。

 その一環として、主に「先見性」や「自己研鑽力」のコンピテンシー(資質・能力)を育成するリベラルアーツ教育で、SDGsを意識した科目を展開しています。
学びの軸となるのは、5つのP(Peace=平和、Partnership=共創、People=人間、Prosperity=繁栄、Planet=地球)です。このうちPeace(平和)とPartnership(共創)は、基礎科目として学生全員が履修しますが、そのほかの3つは発展科目で、興味・関心に合わせて選択します。People(人間)では人文学関係を、Prosperity(繁栄)では経済学関係を、Planet(地球)では理学関係(環境学部分)を学びます。


 この中からProsperity(繁栄)に興味を持ち、経営戦略や組織論を学ぶことでホテルに就職する夢をブラッシュアップした叡啓大学1期卒業生の松浦杏奈さんに、叡啓大学だからこそ身につけることができた力について聞きました。

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経営的な視点を持つことで会社選びの質が向上した

―昔からホテルに就職するのが夢だったのですね。叡啓大学という選択は一見、直結していないようにも思われますが。

 中学生のころコンシェルジュに憧れて、それ以来ホテル業界に就職するのが夢でした。しかしその一方で自分の可能性を限定したくない、というような思いもありました。叡啓大学では体験・実践プログラムという海外でのインターンシップやボランティアプログラムが必修化され、リベラルアーツ科目も充実しているため、自分の幅が広げられると思いました。その中でも私は特にビジネス分野に興味を持ったわけですが、これは自分でも意外な「発見」でした。

 ただしこれが意外にも良い結果をもたらします。経営に関心が向くことで、ホテルに就職するという夢をブラッシュアップすることができたのです。大学で身につけるコンピテンシーで言えば、自己研鑽力でしょうか。
叡啓大学に進学したことで新たな興味や学びとの出会いがあり、会社選びの質が向上しました。

―現在、星野リゾートが運営する長崎県にある「界 雲仙」という温泉旅館で、フロント業務から企画までマルチに活躍しておられますね。就職先も経営的な視点を重視して選んだのですか? 

 会社選びでは「経営にも携わることができる」という基準を大切にしました。星野リゾートはそれができる会社だったので、入社を決めました。スタッフ発のイノベーションも重要な要素と位置づけられているため、現場の声や気づきをホテル運営に反映しやすいことにも魅力を感じました。

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多様な価値観を理解してこそ柔軟な対応ができる

―大学で興味を持って学んだ経営の知識をはじめ、大学で得たものが仕事に生かされていますか?

 いろいろありますが、まずは課題との向き合い方ですね。課題解決演習(PBL)では、課題を解決するためにあらゆる要素を抽出する「因果ループ図」を描きました。そうやって全体像を理解したうえで問題解決のカギとなる「レバレッジポイント」が見えてくると、目からうろこが落ちる思いでした。そういう思考法が今も役立っています。

 あとは大学時代に身につけた、失敗を恐れないチャレンジ精神です。特にフィンランド留学でその精神が培われました。留学は4カ月以上に及び、もちろん前例もなく、私にとっても初の海外でした。前例のない状況に率先して挑み主体的に動くことで、問題を一つひとつクリアしていく力が鍛えられました。


 向こうの大学では経営について英語で学び、国際ビジネスの視点を養いました。その視点も現在、企画などアイデアを考える際に生かされていると思います。

 留学を通して卒業プロジェクトのテーマと出会うこともできました。欧米で大きな広がりを見せている「ヴィーガン(完全菜食主義者)」です。卒業プロジェクトの研究のため、広島市におけるヴィーガンへの対応状況について調査しました。すると広島にはインバウンドは多いけれどリピート率はそれほど高くないことがわかったため、単にヴィーガンへ対応する店舗数を増やすのではなく、きめ細かく対応できる質の向上を図ることが重要だと考えるに至りました。このようにグローバルで多角的な学び方により新たな視点を獲得できたのが、叡啓大学です。

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―外国からのゲストを多く迎えるホテルも、ある意味国際社会の縮図と言えるのではありませんか?

 そうですね。その意味では大学で多様な価値観を理解できたことも、柔軟な対応が求められる接客の現場では強みになっています。

 強みといえば、ファシリテーションについて学べたことも得がたい経験でした。ファシリテーターとして全体を把握しながら自らの意見も明確に示してチームを前進させるというスキルは、社会人になった今だからこそ、その重要性を痛感しています。

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チームでイノベーションを

―これから仕事で挑戦してみたいこと、あるいは松浦さんが人生で大切にしたいことは何ですか?

 まずは現場でしっかり経験を積み、ゆくゆくは国内企画開発の部門で自分の力を試してみたいです。叡啓大学の1期生として入学したこともそうなのですが、私はゼロから何かを生み出すことにやりがいを感じるところがあります。
これからも新しいことに挑戦し続け、チームで協働しながらイノベーションを起こしていけたらと思っています。

 AIがどれだけ発達しても、何をどうするか考え、新たな地平を切り拓けるのは人間の特権ではないでしょうか。失敗を恐れることなく、あくなきチャレンジ精神で、未知との出会いを求める「旅」を続けていきたいと思います。

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「界 雲仙」総支配人からのコメント

五十嵐 佳琳(いがらし かりん)様

 自ら主体的に行動し、周囲を巻き込みながら業務を前進させる姿が印象的です。現在は夕食営業を中心に活躍されていますが、多様なゲストのニーズを丁寧にくみ取り、現場で感じた課題やアイデアを即座に提案へつなげる行動力は、チームの業務推進に大きく貢献しています。また、スタッフ一人ひとりが自ら考え判断することを大切にする星野リゾートの文化とも非常に親和性が高いと感じます。

 課題を整理して多角的に捉える力を発揮し、現場で得た気づきを起点に主体的に改善提案へつなげています。さまざまな顧客接点で得られた示唆や満足度分析の結果を踏まえて新たな魅力を生み出し、業務設計やオペレーションの改善に取り組むことで、お客様の滞在価値向上に大きく寄与されています。

 また、学生時代に培われた挑戦心や多様性への理解が、チームの議論を活性化し、前向きな方向へ導く力となっています。

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叡啓大学のウェブサイトはこちら 

https://www.eikei.ac.jp

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