業務にも生成AIの活用がどんどん広がっています。しかし、情報漏洩リスクのことを考えると、なかなか実業務への活用を進められないという課題を抱えている企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで活用できるのがローカルAIという選択肢です。インターネット環境ではない場所でもAIでの処理ができるため、クラウドAIと比べ情報漏洩リスクが軽減します。

エプソンのCopilot+ PC「Endeavor NL3000E」は、そんなローカルAIを活用できるノートPCです。エプソンダイレクトでは、このCopilot+ PC NL3000Eの導入を検討されている企業・団体の方に向けて、無料で提供するモニターキャンペーンを行いました。

今回は、モニターにご参加いただいた北星学園大学 経済学部 経営情報学科の佐藤教授に、ローカルAIを試したことで見えてきた活用法、可能性について伺いました。

個人情報の多い事務作業にもAIを活用したい

――今回、佐藤先生にはCopilot+ PC NL3000Eを1カ月お試しいただきました。どのような業務で試そうと思われたのか、まずは先生のご研究内容や業務について教えていただけますか。

「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


コンピューターアーキテクチャーが主な研究領域で、たとえばコンピューターをどう速く動かすのかであったり、消費電力を減らすのかであったりといった研究を行っています。こうした研究は公開することが大事であるため、守秘義務はあまりありません。最近では機械学習を組み合わせることも出てきましたが、情報漏洩リスクを気にしなくていいものが多いため、クラウドAIを活用しています。

今回、Copilot+ PCのNL3000Eを主に使ってみたかったのは、事務作業です。私は経営情報学科長を務めておりまして、学科に関する事務作業も担当しているのですが、こちらは学生の個人情報など、クラウドAIに入れられない情報が多いのです。また、研究に関するものでも、タイの大学と共同で行っているものはクラウドAIに入れることはできません。
こうしたセキュリティーに配慮しなければならない業務も、ローカルAIが使えれば効率化できるのではないかという想いがありました。

――他の先生方や学生さんの間でも、AIは活用されているのでしょうか。

そうですね。特に学生はよく使っているようです。ただ、なかには情報の扱いに意識的ではない学生もいるのではないかと思います。有効期限の切れたセキュリティーソフトを入れたままという学生もいるくらいですので。情報漏洩リスクを考えると、ローカルAIは安心してAIを活用できる選択肢であるといえるでしょう。

――先生は、すでにクラウドAIも活用されているとのことですが、ローカルAIを試すにあたり、何か懸念点はございましたか?

いえ、特に心配はしていませんでした。普段使っているクラウドAIはかなりGPUを積んだもので、使用電力も相当な量になりますから、ノートPCで使うローカルAIがそれとまったく同じように対応できるとは考えていなかったですしね。

何もかもをローカルAIでやれるようにしようというわけではなく、先ほど申し上げたようなセキュリティーに気を配る必要のある業務など、用途を限定して試そうと考えました。Copilot+ PCのNL3000Eのメモリーなど、スペックを見て「これなら一般的なノートPCと同じ感覚で使えるだろう」とも思っていました。

スケジュール調整や要約、翻訳への活用に手応え 一方、OCRの精度には課題も

――今回、NL3000Eで試したことについてお伺いしたいです。どのような用途に絞られたのでしょうか。
「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


資料の要約や論文の修正、英語資料の翻訳、あとはスケジュール調整にも使いました。あと、現時点ではまだ精度に課題を感じましたが、手書き答案のテキスト化も試してみました。

――ありがとうございます。まずは要約や論文の修正、翻訳について詳しくお聞かせください。

これらはクラウドAIでも行ったことがあるものなのですが、いずれもローカルAIでも割と十分使える印象を受けました。論文の修正にAIを使うのは、今までにない視点で表現への提案をくれるので、とてもいいですよ。ローカルAIでも基本的な翻訳は可能で、実用的なレベルで利用できると感じました。これらは必ずしもローカルAIでなければならないわけではありません。現時点のローカルAIでどこまで対応できるのか、試してみたかったというのがやってみた理由です。

「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


一方、スケジュール調整はローカルAIだからこその強みを発揮できる事例となりました。試そうと思ったのは、モニター期間中に学生との面談日時の調整をしなければならなかったからなんです。メールをひとつずつ開封し、手作業で調整してきたこれまでのやり方は、本当に手間だったんですよ。
ダブルブッキングが起こらないようにと気も配らなければなりませんしね。

――別の仕事も抱えながら日時調整をするのは大変ですよね。

そうなんです。今回試してみたところ、メールから時間帯を抜き出して整理するところまでは、ローカルAIで十分対応できました。具体的に「これぐらい業務時間が減らせた」と算出はしづらいのですが、精神的な負荷の軽減が非常に大きかったです。スケジュール調整には学生の氏名が含まれますので、これまでクラウドAIで試してみることはできませんでした。今回試せたのは、ローカルAIならではの安心感があってこそだと思います。

また、メールの下書きや送信済みのリスト化にも使えました。まだ試せてはいないのですが、個人情報を扱う作業をローカルAIで、個人情報を抜いた状態でそれ以外の部分をクラウドAIでやるという使い分けもできるのではないかと思っています。

――今回、課題を感じられたという手書き答案のテキスト化についても、試された理由や結果をお聞かせいただけますか。

私の理想は、学生の答案をテキスト化することなんです。そこで、まずは自分で手書きの答案を作り、試してみました。
ただ、A3サイズとなると画像の容量が大きくなるため、入れた時点で処理は不可能だと弾かれました。A4レベルでないと対応できないというのが、まずわかったことですね。

では、A4はどうなのかというと、処理は受け付けてくれるものの、精度がいまいちでした。試しに手書きではないテキストでもやってみたのですが、こちらも完全な認識まではいかず、誤検知が見受けられました。

クラウドAIであれば、このレベルのOCRはもう問題なく実現できているのではないかと思います。ただ、答案など個人情報の漏洩に当たるものはクラウドAIでやるわけにはいかないので、ローカルAIでもできるようになってくれたらなと思いますね。正確にテキスト化できれば、そこから設定した採点基準に沿って採点までできるようになるのではないかなと。これも、すでにクラウドAIであればおそらくできてしまうのではないでしょうか。

――試すうえで意識されていたことはありますか?

クラウドAIとローカルAIとでPCを分け、NL3000Eはオフライン設定で使うようにしました。検索結果などで、うっかり情報が漏洩することのないようにするためです。

――より扱いやすくなりそうですね。

そうですね。
オフラインで使えるということは、インターネットの接続が上手くいかない場所、そもそもインターネットが使えない場所でも使えるということです。最近では完全にインターネットが使えない場所は少なくなっていますが、仕事上そうしたシチュエーションがある方にとって、オフラインでもAIを活用した業務ができることはメリットなのではないでしょうか。

また、私はクラウドAIに課金していて、日頃から積極的に使っているのですが、生成AIクレジットが気になって積極的に活用できないという方にも、ローカルAIはおすすめできるものだと思います。「まずは試す」がしやすくなりますから。

軽量で、堅牢。実務に適している使い勝手の良さがエプソンPCの魅力

――昔からエプソンPCをご愛用いただいていると伺いました。エプソンPCのどういったところに良さを感じているのでしょうか。

私が最初に使ったPCはエプソン製で、当時選んだ理由は性能が良く価格が手ごろだからでした。私にとって、エプソンPCはPCの印象そのものをガラッと変えた存在ですね。ちなみに、プリンターもエプソン製品を愛用しているんですよ。PCもプリンターも、エプソン製品は「気付いたらそこにある」ものではないかと思います。

――ありがとうございます。
今回お使いいただいたCopilot+ PC NL3000Eについてはいかがでしたか?

「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


今回使ってみて思ったのは、本体外装の素材がアルミではないことの良さです。私のいる北海道では、アルミ製のパソコンは冬場に本当に冷たくなりますので、細かい点ではありますが個人的に使いやすさを感じました。あと、やはりエプソンPCということで堅牢ですよね。これはNL3000Eに限らず感じていることです。

使い勝手の部分でいうと、NL3000Eは画面サイズが16型と非常に大きいところが良いですね。出張に持ち歩く用にすることを考えると、カバンに入れにくいサイズ感になるため不向きではありますが、学内で持ち運ぶ程度であれば問題はないですし、会議中に見たい資料なども見やすいです。複数の画面を一度に表示させて作業したい方にも良いでしょう。

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また、16型でありながら非常に軽いのも特徴だと感じました。出張用に不向きなのは、あくまでも入るカバンがなかなかないからであり、重さ的には問題なく持ち歩けるPCだと思います。

――持ち歩くとなると、バッテリーが気になるところですが、どう感じられましたか?また、使用中の動作音が気になるといったことはありませんでしたか?

少なくとも、私の使い方でバッテリーが気になるといったことはありませんでした。普段のWindowsノートPCと同じ感覚で使える印象ですね。また、動作音はまったく気になりませんでした。デスクトップパソコンも使い慣れているので、そちらに比べるとNL3000Eは本当に静かです。

――ありがとうございます。その他、先生が感じられたエプソンPC、NL3000Eの良さがあれば教えてください。

これはNL3000Eに限らずエプソンPCの良さですが、不要なソフトやアプリが含まれていないのが良いですね。他社のPCでは、よくウイルス対策ソフトが入れられていて、購入後3カ月くらいで期限が切れてしまうといったことがあるのですが、エプソンPCではそういったことがありません。最初からWindows標準の環境で使えるほうが扱いやすいと感じます。

――先生はデスクトップPCも使われていらっしゃいますが、PCの使い分けについてどのようにお考えですか?

PCの使い分けの話は、クラウドAIとローカルAIとの使い分けの話にもつながってくると思います。インターネットに接続せずにセキュリティー重視ですべき作業は、ローカルAIに対応しているNL3000Eを使いますし、機密情報ではないものであればクラウドAIの使える他のノートPCやデスクトップPCを使えばいいでしょう。

現状のローカルAIでは、まだまだクラウドAIと同じ量、質の作業ができるとまではいきません。どうしてもクラウドAIのほうが対応レベルが上がりますから、機密情報ではないものはクラウドAIのほうが使い勝手が良い部分はあると思います。とはいえ、ローカルAIも今後ますます進化していくだろうという期待はあるのですが。

「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


そもそも、GPUがしっかり搭載されているPCはそれだけ大きく重くなるため、ノートPCという選択肢から外れてしまうでしょう。そうなると持ち運びができません。私のように移動して使うシーンがある場合は、NL3000EなどノートPCが有力な候補になるでしょうね。ノートPCを使ったことがある方であれば、NL3000Eは何の問題もなく使えるノートPCだと思いますよ。

無料貸し出しプログラムも提供中。「使ってみる」ことがAI活用の第一歩

――先生はモニターキャンペーン以前より生成AIユーザーでいらっしゃいました。徐々に活用する人が増えてきている一方、まだ二の足を踏んでいる方もいらっしゃると思います。どうすれば、AIを活用できるようになるでしょうか。

これはもう一言、「使ってみてください」に尽きると思いますね。Windows PCにはCopilotが標準で入っているので、まずはそれを使ってみる。「AIで翻訳したい」など、Copilotに聞けば教えてくれます。いろいろ聞いて使っているうちに、活用できるようになっていくと思います。ただ、個人情報や機密情報は含めないよう気を付けてください。

――今回、先生にお試しいただいたモニターキャンペーンは終了していますが、エプソンでは年間10台以上の購入見込みのある法人限定で、PCの事前検証ができる無料貸し出しプログラムを提供しています。

「まず試す」ことがAI活用の第一歩。北星学園大学 佐藤教授に聞くローカルAIの業務活用


いいと思います。「使ってみて」と言われても、どうしてもセキュリティー面で何となく怖さがあるという方もいると思いますので、そうした方はぜひローカルAIから使い始めてみてほしいですね。業務活用を考えると、どうしても個人情報や守秘義務のある情報を扱うことのほうが多いので、ローカルAIのほうが安心してお使いいただけるでしょう。試すことでAIの便利さ、自分の業務に使えそうかどうかを判断したうえで、購入するのが良いと思います。

――今回の取り組みを通じて、生成AIの今後の活用について感じられたことをお聞かせください。

活用方法がわかってくると、プログラミングもできるようになるでしょう。こうしたローカルAIでもどこまでできるのか、今回は時間が足りなかったのですが、いずれやってみたいなと思っています。近い将来、NL3000Eのスペックが標準になる日がやってくるでしょうし、ローカルAI技術そのものも1年後には飛躍的に上がっているでしょう。そうなると、世の中的にもできることが広がっていくと思います。私も積極的に活用していきたいです。

――本日はありがとうございました!
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