AIを使って誰でもバンドに参加できる！？キングコング西野亮廣が謎の絶滅系アイドル「バンドザウルス」にかける想いとは。

2023年07月19日(水)07:00

AIを使って誰でもバンドに参加できる！？キングコング西野亮廣が謎の絶滅系アイドル「バンドザウルス」にかける想いとは。

デビュー前に販売した5,000円のライブタオル『肉活タオル』（限定900枚）が即完し、話題になっている絶滅系アイドル「バンドザウルス」。わかっているのは、「メンバー全員、恐竜」ということだけ。

Instagramの公式アカウントでは、日々ファンたちがAIで生成した「恐竜のアーティスト写真」がポストされ、密かにYouTubeチャンネルも立ち上がり、「一体公式メンバーは何頭いるのか？」「そもそも恐竜は歌えるのか?」と謎が謎を呼んでいます。

実はこれは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』のオーナーで、キングコングの西野亮廣が始めたプロジェクト。バンドザウルスの「アーティスト写真」はアートパネル販売を行い、今日までに51点完売しています。この売上をもとに、現在「バンドザウルス」がバンドとして音楽活動する資金を集めている最中なのです。今回、バンドメンバーの1頭であるティラノサウルス、通称「ティラ様」にインタビューができると聞いて、都内の撮影スタジオに駆けつけました。

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メンバーは増え続け、現在約1万頭

――そもそも「バンドザウルス」とは何なのでしょうか？

ティラ「ひとことでいえば、絶滅系アイドルです。恐竜というのは、国も世代も超えた人気コンテンツであり、AIの力を借りてさらに大きな何かができないかと、始めてみたものです。現在さまざまな活動にAIを掛け合わせるということが世界中で行われていますが、このバンドザウルスに関しては、掛け合わせるのではなく、AIから始まっているんです。実際、今僕が被っているマスクもAIが生成した恐竜をもとに作りました。AI画像をわざわざ再現して作り、人間である僕が被って、スタジオで撮影を行い、また新たなアーティスト写真が完成する。そもそもAI画像だったものを、こうやって実体に起こし、また画像にするという手間。それを面白がりつつ、AIへのアプローチの正解を探っているところです。」

――ティラ様は、被りもの……なんですね。もしかして西野亮廣さんですか？

ティラ「……。」

――……。
今、バンドメンバーはどれくらいいますか？

ティラ「増え続けていて、現在は約1万頭くらいです。僕はそのうちの1頭に過ぎません。けれどこれから、カジカジという恐竜と、花子というトリケラトプスが増えます。」

――あの、そもそもAIで生成されるので、メンバーは無限に増え続けると思うのですが、カジカジと花子が増えるというのは、リアルでマスクがあと2つ、完成するということですか？

ティラ「まぁ、そういうことですね……。」

――カジカジって、中身絶対キングコングの梶原雄太さんですよね？

ティラ「……。」

AI技術を使った今の時代らしいバンド

――そもそもバンドザウルスはどういう音楽を演奏するのですか？

ティラ「90年代 J-POPです。今、ティラ的には90年代J-POPが熱いです。オリジナル曲はやりません。けれどメンバーは1万頭いるので、他の恐竜がどういう音楽性を持っているのかはわかりません。」

ティラ「……話していてだんだん僕自身もわからなくなってくるのです。設定そのものがやわやわですし、アーティスト写真もAIで誰かが作ったものですし、バンドザウルスって何を作っているのでしょうか？でもだからこそバンドザウルスなんです。だってお客さんたちが、意味のない何かを作りたがっているから。そしてAIという技術でそれが誰でも実現できる。今の時代らしいバンドだと思います。」

意味があるものが世の中にあふれた今、意味もないものに人は集まるようになってきた

――現在、バンドザウルスには企業案件も舞い込んでいます。歯科医院や美容院など、絶対恐竜に必要のないサービスを、恐竜がPRする。なぜ人類は、恐竜に企業案件を任せるようになったのだと思いますか？

ティラ「今、便利なサービスがたくさんありますよね。これまで役に立つものを人類はつくろうと努めてきた。でも、だんだんそこにお腹がいっぱいになってきて、全く生産性のないものを、人類は面白がるようになってきているのかもしれません。」

ティラ「僕らの『肉活タオル』（※バンドザウルスはファンのことを「肉」と呼ぶ）を買っていただいたのも、別にタオルとしての機能をどうこうというわけではきっとありません。

900人が騙されたというわけでもないでしょう。そして、僕らは日々忙しく生きていますが、このいまいち何をやっているかわからない、バンドザウルスのために多くの時間を割いてくれるクリエイターや、ファンの人たちがいます。僕、今日マスク被っていますけど、実は面白がってヘアメイクさんが来てくれてますから。絶対意味ないでしょう。」

バンドザウルス展示会のレセプションパーティーには100名のファンが集まった

ティラ「役に立つもの、意味があるものが世の中にあふれた今、まったく意味もないものに、こうして人は集まるようになってきているんです。企業案件だってそうですよ。今日は、ティラでスモークブリのクライアントさんの撮影をしましたけど、そもそも恐竜ってスモークサーモン食うんですかね？」

元気に企業案件を撮影しているティラ様

ティラ「でもいいんです。SNSに広告を出して、タイムラインを汚してウザがられるくらいだったらネタにされた方がいい、そう思う企業は今、増えてきている印象です。」

バンドザウルスで世界を獲る

――これからのバンドザウルスの目標を教えてください。

ティラ「実は、デビューライブが決まっています。で、最終的には武道館行って、最後の曲で隕石落として絶滅です。」

――もう絶滅を視野に？

ティラ「絶滅はちゃんと描きたいですね。まぁ毎回ライブの最後で絶滅して、次のライブで復活するってのもいいですけど。

あとはやっぱり世界を獲ることですね。そもそもバンドザウルスのメンバーはギャオ語という恐竜語を話します。Instagramでもこのギャオ語で投稿しているんですよ。

誰も理解できませんから、これはもう非言語と言えます。であればバンドザウルスは国境も軽々越えられる。例えば、メキシコに行ったら口パクでメキシコの曲も歌えばいい。そもそも恐竜なんだから歌えないし。口パクしか無理だし。で、面倒になったらマスクだけ送ってメキシコの誰かにバンドザウルスやってもらったっていい。3Dプリンターでこのマスクを誰でも作れるように設計図をシェアするのもいいですね。そうしたら、人類誰もがバンドザウルスになれる。というか、AIと一緒、好き勝手マスクを作ってくれたっていい。誰でもバンドザウルス、つまり70億人のバンドになるんですよ。ほら、もう世界が見えてきましたね」