国立大学法人静岡大学(本校所在地:静岡県静岡市駿河区、学長:日詰 一幸、以下「静岡大学」)とアイザワ証券株式会社(本社所在地:東京都港区、代表取締役社長:藍澤 卓弥、以下「当社」)の連携は、地域社会が抱える課題を起点として生まれ、発展してきました。当時の静岡県においては、若年層の地元定着の促進と、地域の魅力を高める取り組みの必要性が大きな課題として認識されていました。
地域資源を活用し、新たな価値を創出できる人材の育成に加え、インターンシップの拡充やUIターンも含めた県内就職支援、さらには新産業の創出に資する産学連携・共同研究の推進を通じて、県内就職率の向上を目指すことが求められていました。こうした背景のもと、静岡大学では地域の金融機関等と連携しながら、人材育成や地域貢献に取り組んできました。しかし、地域内にとどまる連携だけでは、学生に多様な視点や選択肢を提供するうえで一定の限界があるという認識も生まれていました。そこで、「地域の良さを理解するためには、あえて外を知る必要がある」という観点から地域内から域外へと連携の幅を広げる教育機関の創出が模索されるようになりました。

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2015年3月締結式の様子

写真左:静岡大学 伊東幸宏氏(当時学長) 写真右:アイザワ証券 藍澤基彌(当時社長)

こうした流れの中で、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の方針も踏まえ、静岡大学とアイザワ証券との包括連携が2015年3月にスタートしました。全国に拠点を有するアイザワ証券のネットワークを活用することで、地域と都市部を横断する新たな学びの機会を創出できる点に大きな可能性を見出しました。

連携の中核としてはじまったのが、「クロスボーダー型インターンシップ」です。本プログラムでは、静岡県と東京都の異なる地域の企業を訪問し、経営者から直接、理念や戦略について学ぶとともに、その違いを比較・分析し、学生自身の視点で企業への提言を行います。これにより、学生は単なる就業体験にとどまらず、地域ごとの特性や価値を相対的に理解し、「地方の魅力の再発見」につなげることを目的としました。

「地域を知り」「外を知り」「共に創る」10年 静岡大学×アイザワ証券の産学連携の軌跡


「地域を知り」「外を知り」「共に創る」10年 静岡大学×アイザワ証券の産学連携の軌跡


(CB型インターンシップにて東京と静岡の企業をめぐる)

さらに、こうした取り組みは、企業訪問を中心としたインターンシップにとどまらず、地域を回遊しながら学ぶフィールドワーク型のプログラムへと深化しました。学生が伊豆地域の先進的な取り組みに触れる機会として、「若旅in伊豆」を実施しています。実際に地域を訪れ、現場に身を置きながら課題と向き合うことで、観光や産業の実態を体感するとともに、自らの言葉で地域活性化のあり方を考える機会となっています。



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その後、連携は金融教育の分野にも広がりました。株式学習ゲーム(現 金融経済教育推進機構(J-FLEC)提供教材)を活用した授業では、学生が実際に投資判断を行う体験を通じて、資産運用の基礎やリスクの考え方を実践的に学びます。これにより、金融を「知識」としてではなく、「自分ごと」として捉えるきっかけが生まれています。

そして2018年度からは、「アイザワゼミ」(現「MOVE ON」)が開始され、連携はさらに進化を遂げます。本プログラムでは、学生だけでなくアイザワ証券の若手社員も参加し、同じチームとして課題に取り組む点に特徴があります。学生と社会人が共に議論し、企画を立案し、発表するプロセスを通じて、双方にとって実践的な学びの場が形成されています。学生にとっては社会との接点を持つ機会となり、企業にとっては人材育成や新たな気づきを得る場となっています。

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(MOVE ON(旧アイザワゼミ)にて最終発表会の様子)

このように、静岡大学とアイザワ証券の連携は、インターンシップを起点としながら、金融教育、フィールドワーク、そして共創型の人材育成へと段階的に発展してきました。そこには一貫して、「地域を知る」「外を知る」「共に創る」という学びを大切にしながら取り組みを積み重ねてきました。

そして現在、その集大成の一つとして位置づけられるのが「キャンパスアイデア甲子園(2026/4/16開催)」です。本イベントでは、学生が自ら課題を発見し、解決策を提案し、さらには実装を見据えて発表するという一連のプロセスを実践します。これは、これまでの10年間で培われてきた教育の成果を象徴する取り組みといえます。



「地域を知り」「外を知り」「共に創る」10年 静岡大学×アイザワ証券の産学連携の軌跡


(多数の応募の中から7チームが最終戦に進みます)



静岡大学とアイザワ証券の連携は、地域課題を出発点としながら、教育のあり方そのものを進化させてきました。10年という節目を迎えた今、これまでの歩みを礎とし、今後も地域・企業・学生をつなぐ新たな価値創造に取り組んでいきます。

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