豊かな自然に囲まれた箱根仙石原に店を構えるイタリアンレストラン「アルベルゴバンブー」。統括料理長を務める筒井力丸(つつい りきまる)シェフは、鈴廣かまぼこの「万能すりみパウダー」を使用した革新的なメニューの開発に挑みました。
「万能すりみパウダー」は良質な魚のすり身を独自の製法でパウダー状にした商品です。水を加えて練るだけで本格「生すり身」ができ、使いたいときに使いたい分だけ手軽に使用できるのが最大の特徴です。
「生すり身を一から作ろうと思うと大変だし、長く置いておけないんですよ。でも、パウダーなら使いたいときに使えるのは本当に便利です」と筒井シェフは語ります。
この革新的素材が、どのような魅力や可能性を秘めているのか。筒井シェフの挑戦の裏側にあるストーリーから紐解いていきます。
箱根の名店で「万能すりみパウダー」を使った特別コースが誕生
箱根・仙石原の人気レストラン「アルベルゴバンブー」で、2026年1月より鈴廣の「万能すりみパウダー」を使ったイタリアンコースがスタートします。全メニューにすり身パウダーを取り入れたコースは今回が初めての試み。美しい邸宅レストランが提供する上質なイタリアンと、魚の新素材が融合した新しい挑戦です。
「最初に使ってみたとき、単純に“おもしろい素材だな”と思いました」
そう語ってくださったのは、同店の料理長・筒井力丸シェフです。
枠にとらわれず、地元食材の魅力を一皿に込める。筒井シェフの地産地消への挑戦
筒井シェフは、1991年にイタリアから帰国後、三島や渋谷の店でキャリアを積んできました。現在は箱根の地で、イタリアンの枠に縛られない独自のスタイルを追求しながら、地元食材を生かした料理の数々を生み出しています。
「箱根は山のイメージが強いですが、相模湾や駿河湾が近く、新鮮な魚介も手に入ります。さらにジビエ、野菜、柑橘など多様な食材に恵まれているんです。」
北海道のウニやカニのような派手さはないものの、山の幸・海の幸ともに鮮度の良いものが揃う。筒井シェフは箱根を「食材が豊かなエリア」と強調します。
「せっかく箱根に来るんだから、地元のおいしいものを食べてほしい」。
その想いを胸に、日々地元食材を生かす方法を探求しています。すり身パウダーもそのひとつと捉え、料理の可能性を広げる素材として着目しました。
全5品。地元食材とすり身パウダーが織り成すコース料理
今回提供されるコースは全5品。箱根近郊の野菜や魚介とすり身パウダーを組み合わせ、イタリアンの枠を超えた創作料理に仕上げています。
① 鈴廣蒲鉾のすり身と蟹のテリーヌ 箱根地場野菜のサラダを添えて
すり身パウダーを生クリームでのばし、タカアシガニのほぐし身と合わせたテリーヌです。「ふんわりした口当たりと蟹の甘み、魚の旨みが一体になるように調整しています」と筒井シェフは語ります。
② 魚の旨味を加えた真丈風カネデルリ 焦がしバター風味
パン・卵・牛乳でつくる郷土料理「カネデルリ」を、すり身を多めに配合し真丈風にアレンジしています。「本場のものよりも柔らかく、エビしんじょうのような食感になります。
③ 白身魚とジャガイモのパテを包んだパンソッティ
角切りの真鯛とすり身を混ぜた具材を、小麦粉と水だけの生地で包んだラヴィオリです。「もちもちの生地とリピエノ(真鯛とすり身の詰め物)のプリっとした食感が対照的で面白いんです」
④ 鈴廣蒲鉾特製白身魚のすり身を鋳込んだ富士山白サーモンの炙り焼き パレルモ風
サーモンにすり身をたっぷり載せて、トマトペーストとペコリーノチーズのパン粉をのせてオーブンで焼き上げます。魚の旨み同士が重なって奥行きのある味わいに。
⑤ 伊達巻風フリッタータと栗のジェラート添え
すり身パウダー、卵、砂糖でつくる伊達巻風のスイーツです。「すり身がスイーツになるのは、自分でも驚きでした」と筒井シェフ。
素材としておもしろい。革新的素材「すり身パウダー」が刺激する料理人の創造力
すり身パウダーを使ってみて、まず惹かれたのは「素材として純粋におもしろい」という点だったそう。
「提供する品数が多くはないレストランで地産地消を続けながらレパートリーを増やすのは簡単ではありません。そんな中、すり身パウダーは“広がりのある素材”だと感じました」
水分量と食材の組み合わせを変えるだけでテリーヌ、しんじょう風、スイーツまで多彩な表現ができます。すり身パウダーは魚の旨みをまといながらも、イタリアンの世界観を壊さず、魚の風味と新たな食感を加えることができます。
牛乳と生クリームを加えたすり身をサーモンにたっぷり載せて焼き上げることで、魚の旨みの相乗効果が生まれる。
料理の自由度を広げる。“粉末だからできる”新しい表現
すり身を料理に活用しようとすると、最も障壁となるのが「鮮度」と「手間」です。
「生すり身を一から作ろうと思うと大変ですし、硬さが変わってしまうので長時間置いておくことはできません。でも、すり身パウダーなら使いたいときに使いたい分だけ使えるのが最大のメリットです。」
料理人にとって、素材の仕込みの手間が減り、必要な量だけ長期的にストックしておけることは、メニュー開発のスピードと幅を大きく広げることにつながります。
小麦粉の代替から旨みの補強まで。大きな可能性を秘めたすり身パウダー
「火を通すと固まる凝固能力を生かせば、小麦粉の代わりとして使えます。パスタソースにしたり、パンやパスタ生地に練り込んでみても面白そう。生すり身では水分量の調整や保存性の問題で難しかった応用が、パウダー状になることで可能になります。」
そう語る筒井シェフは、すり身パウダーがもたらす料理の広がりに、次々と思いを巡らせています。
さらに、すり身パウダー自体に魚の旨みが凝縮されているため、料理に魚の風味やコクを加えたいときに、分量を調整しながら手軽に利用できます。素材のテクスチャーを変えずに旨みを補強できる点は、他の調味料にはない特性です。
すり身パウダーという革新的な素材は、筒井シェフの手によって、これまでにないイタリアンの表現へと姿を変えました。
すり身と聞くと練り物を思い浮かべがちですが、パウダー状になることで、自由な発想が広がる素材へと進化します。今回のコースが生まれた背景には、枠にとらわれない筒井シェフの探究心と、革新的な素材の柔軟さがありました。料理人の創造力と新しい素材が掛け合わさることで、これまでにない価値と表現が生まれる。すり身パウダーは、その可能性を体現する存在です。
アルベルゴバンブー 「鈴廣インプレッシオーネ」
価格:¥7,700(税込) ワンドリンク付※表示は税込金額:別途サービス料を10%頂戴します。
※季節によりメニューが一部変更となる場合がございます。予めご了承ください。
提供期間:2026年1月7日(水)~1月31日(土)
住所:〒250-0631神奈川県足柄下郡箱根町仙石原984-4
ご予約・お問合せ:tel 0460-84-3311(火曜日定休)
Lunch : 11:30~14:30(L.O)
Dinner : 17:30~20:30(L.O)
URL:https://www.bamboo.co.jp/albergo/
鈴廣かまぼこ「万能すりみパウダー」
価格:50g5袋入 2,916円(税込)50g10袋入 5,249円(税込)
100g10袋入 10,498円(税込)
URL:https://ec.kamaboko.com/shop/goods/list.html?cid=surimi