me(私の)iba(居場所)がネーミングの由来であるこの施設のいちばんのこだわりは、「居心地のよさ」。全館ナチュラルテイストで統一され、エントランスではシンボルツリーが爽やかな香りとともに利用者を出迎えます。ラウンジには、利用者それぞれが思い思いにひとり時間を過ごせるよう、カフェ品質のセルフコーヒーマシンを設置、パーソナルスペースとして9つの個別ブースも設けられています。

ラウンジ奥にあるビューティーエリアには、無重力体験ができる最上級モデルのマッサージチェアをはじめ、エステサロン級のセルフエステ機器、話題の美容家電などが並び、いずれも月会費内で利用が可能です。


セルフ利用を前提とするジムは、初心者も迷うことなく効率の良いトレーニングができるよう、AIプラットフォームと連動したマシン群が採用されているほか、中上級者にも満足いただけるラインナップがそろっています。


さらにいま人気のマシンピラティスの専用スタジオも有しているという、まさに使い方いろいろ、ひとり時間を有意義に過ごすための魅力的なコンテンツがギュッと詰まった施設です。そしてそれら盛りだくさんコンテンツを手頃な価格で利用いただける、それがティップネスの新業態「MiiBA」です。

実はこの施設を運営している中心メンバーは、いずれも30代前半の社員3名。オープンまでの企画や、こまかい店づくりのあれこれも、この3名の「推進チーム」を中心に進んできました。当社にとっても新たなチャレンジとなった「若手社員を中心とした新業態開発ストーリー」を、どうぞご覧ください。

■プロジェクト発足の背景 ~総合型フィットネスクラブを取り巻く環境の変化~
近年、健康志向の高まりとともに、運動に対する関心層は増え、さまざまな業態のジムやフィットネススタジオが誕生しました。小規模24時間ジム、パーソナルジム、ピラティス専門スタジオなど。
さらに世界的なパンデミックにより、今度は業界全体が大打撃を受けることになります。営業の自粛や営業時間の短縮、提供サービスを縮小せざるを得ない状況が続きました。
また、コロナ禍をきっかけに人々の生活や価値観も大きく変化しました。
もちろん、総合フィットネスクラブとして長年にわたり培ってきたノウハウや、地域に根差し築き上げてきた実績は、当社の柱であることは変わりません。しかし、それを新たなニーズにあわせブラッシュアップしていくと同時に、まったく新しい発想で、新たなチャレンジをする必要性はどんどん高まっていきました。
■動き出したワーキンググループ
水面下での準備期間を経て、プロジェクトが本格的に動き出したのは2023年秋。新店の出店を推し進める開発部を中心に、マーケティング、コンテンツ開発、カスタマーサポート、経理など、部署を横断した構成員によるワーキンググループが結成されました。
スタートにあたり、まずはリーダーからこんな宣言がメンバーに共有されました。
プロジェクトポリシー
▷「自分ゴト」として皆で“未来へ繋がる新たな成長ドライバー”を構築します
▷ 徹底的に「顧客視点」を第一で考えます
▷ “全員参加型”で意思決定します。テーマ別に“チーム制”で分科会検討をします
▷ せっかくの機会ですので、ともに勉強しながら楽しんで創っていきましょう!
これまでのやり方にとらわれず、皆で一緒に学びながらそれぞれが考え、何よりユーザー目線で、いまの時代に本当に必要とされるサービスをつくり出すことで、未来を切り拓く。そんな意志を込めて。
日本のフィットネス参加率は過去40年にわたり3~4%台といわれ続けていますが、それを10%へ導く布石とするべく、多店舗展開を見据えた新たなブランド創設に向け、歯車が動き出した瞬間です。
■方向性の確立
多様化する生活者の価値観・ニーズに応えながら、ウェルネスの枠を広げて初めての人も参加しやすくするには?
毎週2時間ずつ開かれたミーティングでは、まず生活者の価値観とニーズを把握するためのワークを徹底しておこないました。続いて自社の強みを洗い出し、ティップネスだから実現できること、これまで総合型フィットネスクラブと24時間ジムで培ってきたものを最大限に活かして提供できる価値は何かを考えました。
そして、さまざまな意見を出し合いながら、本格的で上質な体験価値を誰にも手ごろな価格で提供する「ハイバリュー・ロープライスモデル」という方向性が確立されていきました。

■一度立ち止まったからこそ見えたモノ
比較的順調に見えたプロジェクト推進ですが、いよいよ施設づくりが具現化するという段階で最大の試練を迎えます。
社長をはじめとする経営陣に対して、決裁を仰ぐためにおこなったプレゼンで、まさかのダメ出し。「もっとコンセプトを明確に」「もっと理想を深掘って」。
並行して進んでいた工事を中断しての再考を余儀なくされました。
このとき、もともとプロジェクトメンバーの一員として参加していたターゲット世代の3名が抜擢され、それぞれ従来の業務を持ちながら兼務の形で、「推進チーム」として店づくりの中心的役割を担っていくことになりました。
「自分たちが本当に欲しいと思えるもの、ワクワクするものをつくって欲しい」という社長からの指示のもと、理想を皆で考え抜き、それをひとつひとつカタチにして企画書に落とし込んでいく作業は、忙しい中でもやりがいにあふれていました。ときにはターゲット世代の社員200人を対象にアンケートをとりながら、リアルなニーズを追求しました。
そうする中で、コアとなる「わたしにとって居心地のいい居場所」というブランドコンセプトが定まり、当初はもっと小さかったラウンジスペースを大幅に拡大したり、構想になかった個別ブースをつくるというアイデアが生まれたり、質・価値需要・安定性のバランスを考慮し料金プランをよりシンプルにしたり、といった変更が加えられていきました。

■そしてオープンまで
2024年も押し迫ったころ、オープンは2025年4月1日と決まりました。オープン日は待ってくれません。ここからは時間との戦いです。
推進チームの3名をはじめ、全員がいわゆる「兼務」で、通常の各自の業務をこなしながら新ブランドとなる施設をつくりあげていきました。
実はこのときも、そしてオープン後に至っても、この施設に「店長」「支配人」と呼ばれる人はいません。プロジェクト開始時に決めた「全員参加型の意思決定」の流れを汲む形で、推進チームの3名が徹底して議論しながらベクトルを合わせ、ものごとを決めていきました。
この方法は、必ずしも良い面だけではありませんでしたが、これさえも「新しいチャレンジ」のひとつでした。
そして社歴や新店立ち上げ経験の有無に関係なく、3名を中心とした全員が、フィットネスクラブに関わるプロ集団としての力を発揮し、新しいブランドの新しい施設は、着実に姿を現していきました。
■「サードプレイスジム」という新しい提案
こうして2025年4月1日、「MiiBA」は無事、誕生しました。
オープンから約4か月が経過した現在、徐々に地元での認知も広まり、想定していた層だけでなく、幅広い年代の方々にご利用いただいています。何より家族や友人からの紹介でご入会される方が予想以上に多いのは、プロジェクトメンバーをはじめ関係者一同にとって大変嬉しいことのひとつです。
「サードプレイスジム」を謳う「MiiBA」ですが、館内ではジムでの運動だけでなく、読書や資格勉強、リフレッシュなど、それぞれがまさに「自分使い」をしている姿が見られ、お客様からも「落ち着く」「居心地が良い」「いまや生活の一部」などの声をいただいています。ちなみに夜間でも比較的女性の利用が多いせいか、落ち着いた中でもある種、華やかさを感じられる空間になっています。
「MiiBA」の道のりはまだ始まったばかり。ここからが本番です。推進チームの3名を中心にした挑戦は、これからも続きます。これからの進化に、どうぞご期待ください。

■関係者インタビュー
施設づくりの中心的役割を果たした「推進チーム」
平屋正喬 (オープン時の所属:経営管理部 /現在:開発部所属 兼 経営管理部)
ティップネス店舗のアルバイトを経て2022年に入社。
ティップネスが展開する24時間ジム「FASTGYM24」のスーパーバイザーとして店舗運営のノウハウを身につける。MiiBAでは主に運営管理全般やコスト管理、人材育成面を担当。

自分が本当に欲しいと思うものを作りなさい、という社長の指示を受けて、本当に自分も通いたいジムが完成しました。資格取得の勉強でコワーキングスペースをよく利用していたのですが、全席電源完備で照明の調整までできる個別ブースがいくつもあって、カフェもある、しかもジムつきで一石二鳥。最高です(笑)
24時間ジムの低価格化が進む中、料金プランを決めるときには、安かろう悪かろうのイメージを持たれる価格設定にはしたくなかったので、もっと低価格を志向していた経営陣の説得に苦労しましたが、結果として届けたい人にきちんと届いたという満足感があります。
滑り出しは順調ですが、これからはしっかり軌道に乗せて、スタッフだけで運営ができるようオペレーションなどを整えていきたいです。
星野圭祐 (オープン時の所属:DX戦略部 /現在:DX戦略部所属 兼 開発部)
2014年、新卒でティップネスに入社。
学生時代は運動生理学を学び、入社後は都心のコンセプトジム勤務を経験。アイデア豊富。MiiBAではジム、ピラティスなどの企画面や人材育成を担当。

入社当初から、店づくりはやりたかったことのひとつなので、チャンスが巡ってきたと思いました。
構想段階から、ジム初心者だけでなく中上級者といわれる人にまで、どの段階の人にも「ちょうどいい」ジムにしたいと思っていました。
日々の運営では、学生や20代前半の世代とのコミュニケーションに戸惑うこともありますが、スタッフが皆、楽しんで働いてくれているのが嬉しいです。これからはMiiBAとしての運営スタイルを固めて、多店舗展開していくためのパッケージ化に注力していきたいと思っています。草加はちょっと遠いかもしれませんが、ティップネスに勤務する若手にぜひMiiBAを見に来て欲しいです。
浅見沙織 (オープン時および現在の所属:開発部)
2020年に中途採用で入社。
当初より出店推進をおこなう開発部に所属。前職での経験を活かし、MiiBAでは主に空間デザインを含む施設関連全般と、付帯サービス系を担当。

私がMiiBAに関わる中でいちばんこだわったのは、色味をはじめとする施設全体の雰囲気づくりです。ジム初心者や若年層、女性に気軽に足を運んでいただくために、茶色をメインカラーに親しみやすいナチュラルテイストで統一し、観葉植物を数多く配置したのもそのひとつです。色彩や空間余白の好みなどは感覚的なものが大きいため費用対効果の明示がしづらく、また床面積の効率的活用とは反する部分もあってデザイン決定が難航する場面もありましたが、設計会社さまやプロジェクトメンバーとで何度も議論を交わしながら決めていきました。結果、オープン後にお客様から「内装が素敵」「とても居心地が良い」といったお声をたくさんいただくことができ、こだわり抜いて良かったと思っています。
MiiBAは草加店のオープンがゴールではありません。これからの多店舗展開を見据えた個人的な目標としては、時代を取り入れながらターゲット層に合わせた空間をつくることで、お客様にとって魅力的な店舗づくりにより一層貢献していきたいです。
推進チーム以外の主なプロジェクトメンバー
中山裕美子 (所属:事業企画開発部)
社内で進行する各プロジェクト運営に携わりながら、MiiBAではプロジェクトの事務局として、付帯エリアの進捗管理、社外との橋渡しなどの調整役を担った、縁の下の力持ち。

新しい業態をプロジェクトのメンバーとともにゼロから作り上げていくという、とても貴重な経験ができました。導入アイテムひとつにしても、コンセプトにふさわしいものを自分たちの足で探し、賛同いただけた企業さまと一緒に、ひとつひとつの課題をクリアしながらMiiBAでの利用形態にあわせて整えていく、そんな過程は一進一退の連続でしたが、ワクワクしました。中には「うちでは難しいけれどここでなら…」と、他社を紹介いただけて導入が実現できたものもあり、熱意をもって取り組めば意外なところから道は拓けるんだなということを、MiiBAに関わる中で身をもって学びました。
山場隆史 (所属:開発部)
MiiBAオープン前後を通して、事業リーダーとして推進チームをサポートする「情熱先生」。推進チームと各部署との意思疎通にも常に気を配り、効果の反映・最大化を図る。3名にとって兄貴的存在。

水面下の構想段階を入れると、かれこれ4年以上この施設づくりに関わってきました。新しい取り組み形態で、正直これまでに経験したことのない苦労もありましたが、部署を超えた周囲のサポートが大きかったです。総合型クラブと24時間ジムの両方を多店舗展開している、当社ならではの新しい業態を生み出すことができたと思っています。
大津一隆 (所属:開発部)
ティップネス店舗における支配人経験が豊富で、現場を知り尽くしたベテラン。MiiBAにおいては推進チーム3名のメンター的役割を果たす。

「会員さまはもちろん、従業員にとっても居心地の良い空間を創る」これがMiiBAとの関わりにおいて、今後もつづく私なりのテーマです。セルフ利用を基本とするこの業態は、お客さまとの距離感がとても難しいと思っています。24時間営業でスタッフ不在時間もそれなりにあるので、直接の人的サポートができないときにも不便を感じることなくいかに快適に利用していただけるか。日々試行錯誤ですが、メンバーからの提案には、アドバイスはすれど基本的にノーは言いません!(笑)
「MiiBA」施設概要
所在地:埼玉県草加市氷川町2127-13 草加TIP‘S4Fアクセス:東武スカイツリーライン草加駅 西口ロータリー前
営業時間:365日24時間営業
入会金:5,500円
月会費:3,960円(ジム会員)~
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