江戸時代後期の1825年に、日本伝統の化粧品「紅」を製造・販売する紅屋として創業し、今年創業200周年を迎えた化粧品メーカー株式会社伊勢半。去る2025年7月4日、伊勢半グループ創業200周年記念式典が開催されました。


実は社員にも当日まで内緒で、この1日を記憶に残る感動体験とすべく、「ギネス世界記録™」への挑戦が秘密裏に企画されていました。晴れの日の舞台裏で、式典を社員にとっての“忘れられない思い出”として成功させるべく、この一大シークレットミッションに奔走した社員がいました。

今回は、式典の企画運営に携わった総務部の村岡真生子と、「ギネス世界記録™」への挑戦準備に携わった広報宣伝部の鈴木幸恵に話を聞きました。

化粧品メーカー伊勢半グループ創業200周年を記念した創業記念式典開催 従業員一丸となりギネス世界記録™に挑戦「リレー形式で紅を筆でつけた最多人数」456名で記録達成!!PR TIMES×

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株式会社伊勢半ホールディングス 総務本部 総務部 村岡 真生子(右)

株式会社伊勢半 コミュニケーション本部 広報宣伝部 鈴木幸恵(左)





社員が“自分たちも200年の歴史の1ピースを担う存在である”と感じられる1日に



去る2025年7月4日、伊勢半グループ創業200周年を記念した式典が開催されました。会場には来賓やOBOG、国内外各地に勤務する社員など450名以上が一堂に会しました。創業200周年の節目を当事者として迎えるというのは、めったに経験できない出来事。式典の企画について考えをめぐらす中で、プロジェクトメンバーが重視したのは、社員のエンゲージメントを高め、“自分たちも200年の歴史の1ピースを担う存在である“と実感してもらうことでした。

【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


会場入口ではイラストになった伊勢半グループの歴代当主がお出迎え

「最後の紅屋」であり、日本で1番長い歴史を持つメイクアップ化粧品メーカー 伊勢半グループ創業200周年PR TIMES×

村岡:創業200周年を迎えるに当たり新たに発表したパーパスには、“商品を手にした瞬間の喜び、使った瞬間の驚き、そのような感動品質の商品づくりを続ける”といったメッセージが込められています。これを実現するには、私たち社員がこうした体験を味わうことが不可欠だと考えました。そこで、ただ祝うのではなく記憶に残る感動体験となるような、“忘れられない式典”にすることを目指しました。



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2025年1月、創業200周年に際して発表した新パーパス



ただ、昔を振り返って「長い歴史のある会社なんだね」と、第三者目線で傍観して終わってしまう流れは避けなければなりませんでした。皆さんに「自分たちが歴史を担う一員なんだ!」という思いを強くしてもらい、会社に対して誇り・愛着・親近感のようなものを覚えてもらえる機会にしたいと思い、様々な企画や演出に反映させました。

これまでの歴史を紡いできたOBOGの諸先輩方と、これからの伊勢半グループを形作る現役社員たちが、式典のコンテンツを通して、同じ想いや体験を共有できればと思い考えを巡らせました。





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“新旧の伊勢半グループの社員が一緒に何かを成し遂げる”、“傍観者ではなく参加者にする”、“忘れられない一生の思い出になること”…そうしてたどり着いたのが「ギネス世界記録™」への挑戦でした。

企画のヒントは“私たちにしかできないこと”×伊勢半グループ“らしさ”



式典のコンテンツについて検討した際には、某ドキュメンタリー番組風のムービーで社員の取り組みを紹介するなど、様々なアイデアが出ていたそうです。そんな中、「ギネス世界記録™」への挑戦が実行に移された背景は何だったのでしょうか?

鈴木:現在では、伊勢半グループは「ヒロインメイク」「ヘビーローテーション」などのブランドを展開し、日本のみならず海外でも近年支持を拡大しています。200周年の節目に“私たちにしかできないこと”で世界に挑戦しよう!という意気込みのもと、伊勢半グループらしい“小粋な遊び心”も感じられるような企画にしようとしました。



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今もなお変わらぬ製法で守り続ける伊勢半グループの矜持ともいえる紅

玉虫色の紅は高品質の証



そうなると、やはり伊勢半グループのルーツである「紅」を使って何かできないかという話になりました。伊勢半グループでは、全社員が入社時に祖業である紅について学ぶ機会があるのですが、なかには実際に紅を手にしたことがない、塗ってみたことがない社員もいるという話を聞きました。それであれば、この機会に、みんなで紅を塗って伊勢半グループの原点に思いを巡らせられるチャレンジにしてはどうかとなりました。



こうしたアイデアをもとに、ギネスワールドレコーズへ問い合わせた結果、式典の参加者450人超がリレー形式で紅を塗っていき、その最多人数の「ギネス世界記録™」を目指すことになったのです。

“最後の紅屋”として、江戸時代から変わらぬ製法で紅づくりを続ける唯一の企業である“伊勢半らしさ”を打ち出しつつ、社員にも会社のルーツである紅について改めて触れてもらえる絶好の機会がセッティングされました。

【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


一人ずつ紅筆を手に、前の人から受け取ってから5秒以内に紅を取り唇に塗っていく

サプライズ発表に向けたシークレットミッション、その難しさと苦労…



実は「ギネス世界記録™」への挑戦は、当日式典がスタートしてから参加者にサプライズ発表されました。当日までチャレンジに関する情報は一部の関係者を除きシークレット、こうした中で準備を進めていくには多くの苦労があったと振り返ります。

鈴木:式典参加者の皆さんには、「ギネス世界記録™」への挑戦をサプライズ発表することで、驚き・感動・ワクワクを感じてほしいと思い、当日まで知らせないようにしました。そのため当日使う紅の調達など、プロジェクト外の社員に準備協力を依頼せざるを得ないときに、シークレットのまま準備を進める難しさを感じました。

さらに企業としても個人としても、「ギネス世界記録™」のチャレンジは前例がない企画でしたので、ルールや進行の確認に多くの時間を要しました。

細かな調整は当日のチャレンジ直前まで続きました。

約450人が順に紅を塗ってリレーしていくというのは、決して簡単な挑戦ではありませんでした。最低250人以上成功しないと、記録として認定されないため、動線や所要時間を考慮しながらリレー順も細かく検討を重ねました。



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450人超が一堂に会した式典会場、動線やリレーの順番の検討にも苦労があったという

村岡:プロジェクトメンバーはみんな「何が何でも絶対成功させたい!」「みんなに喜んでもらえる最高の式典を作りたい!」という強い気持ちと責任感を持ち合わせた人ばかりだったので、より良い内容に仕上げたいとこだわるあまり開催日直前まで変更・調整を繰り返すこともありました。

そうした状況でも、無事に当日を迎えることができたのはプロジェクトメンバーのチームワークと連携プレーの賜物だと思います。



ギネス世界記録™の準備段階においては、まさにプロジェクトメンバーの連携プレーが光るエピソードがあったといいます。

鈴木:「紅を受け取ってから5秒以内に塗る」というルールがあったのですが、それを測定するタイムキーパーはこちら側で用意しなくてはならないことが開催1週間前に判明しました。しかも、“ストップウォッチの使用経験がある第三者”、“体育教員免許など公的な証明が必要”という条件があり、突然大きな課題が浮かびました。

途方に暮れそうになっていたところ、プロジェクトメンバーのお子さんがお世話になっている陸上の先生が快くタイムキーパーを引き受けてくださることになり、何とかクリアできました。本当に奇跡のような展開で、多くの方のご縁と助けに支えられていると実感しました。



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さらに、通常業務の対応をしつつ式典準備も行っていたプロジェクトメンバーからは、とにかく時間が足りないという焦りがあったそう。そんな中で、村岡は周囲の社員からの気遣いから式典への期待感を感じ、頑張るエネルギーを得たといいます。


村岡:特に直前になると式典準備が占める割合が多くなり、通常業務のほうは至急案件以外、式典終了後の対応になってしまうことを泣く泣く伝えると、皆さん即座に察してくださり「式典準備大変ですよね、来週以降で全然大丈夫です」と返してくれました。ちょっとした気遣いの言葉から、社員の皆さんの式典に対する期待を感じ、ますます頑張ろうと思いました。

式典の準備や当日の運営においても、バックオフィス部門の社員をはじめ、本当に多くの方のサポートをお借りしながら、なんとか乗り切れました。



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ギネス世界記録™の公式認定員が失格行為がないかジャッジしながら行われます

祝「ギネス世界記録™」樹立!達成までの一部始終



そうして迎えた、伊勢半グループ創業記念式典当日。式典は滞りなく進み、ついに「ギネス世界記録™」へ挑戦するときが来ました。

村岡:チャレンジ直前に諸注意などを伝えに各テーブルを回ると、皆さんすごく真剣に説明に耳を傾けて下さいました。なかには不安げにしている方もいましたが、周囲の方々が一緒に説明を聞き「大丈夫です!私たちがフォローします!」と力強く言ってくださる方もいました。みんなで成功させるぞ!という気概や会場全体の空気感がどんどん盛り上がっていく様を肌で感じました。



そして、ついにスタートした「ギネス世界記録™」への挑戦。1人目から順に伊勢半グループの祖業であり、200年を経た今なお、変わらぬ製法で作り続けられている、日本伝統の口紅「小町紅」を手に、水にぬらした筆で紅を取り唇へと塗っていきます。

【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


最初こそ緊張感が漂っていたものの、徐々に和やかな雰囲気に。会場モニターで映る実況カメラに向け投げキッスやパフォーマンスを披露する社員など、余裕も感じられるようになりました。紅のバトンは続々とつながり、いつしか、記録認定のボーダーラインである250名に到達。
さらにリレーは続いていき、ついに最後のテーブルへ。


【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


社員をはじめ役員や来賓、OBOGの方々まで全員で紅のバトンをつないでいきます

「ギネス世界記録™」樹立への期待と高揚感が広い会場にたっぷりと満ち、会場のボルテージも最高潮に!そして、ラスト456人目が紅を塗り終えると、会場はこの日一番の盛り上がりとなりました。

その後、公式認定員による審査が行われ、正式に「ギネス世界記録™」として“リレー形式で紅を筆でつけた最多人数456名”の認定が発表されました。

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「ギネス世界記録™」樹立達成に会場の盛り上がりは最高潮に

鈴木:「ギネス世界記録™」への挑戦ということで、当初は皆さん緊張感をもって真剣なまなざしで取り組まれるのかと思っていましたが、いざ始まってみるとおいしい食事やお酒を味わった後ということもあり、思っていた以上に会場は和やかな雰囲気で、皆さん笑顔で楽しみながら参加していたのが印象的でした。

挑戦の達成ラインが250名だったので「まず、250名行けばいいか…」と少し控えめな考えだったのですが、結果として一人の失格者もなく全員が成功し、文句なしの記録達成となりました。



村岡:一番胸が震えた瞬間は、失格者ゼロで「ギネス世界記録™」が認定されたと発表されたときです。会場中が「おおー!!」っと歓喜の声に包まれ、みんなで成し遂げた喜び、まさに企画段階で求めていた一体感が生まれていました。私はほかのプロジェクトメンバーと抱き合って喜びを分かち合いました。それくらいすべての苦労が報われた思いでした。



「忘れられない思い出」が「いちばんほしいを、いちばんに」生み出す原動力になれば



【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


見事、「ギネス世界記録™」の樹立にも成功し、無事に幕を下ろした200周年の創業記念式典。最後に、式典を終えた今の想いを聞いてみました。

鈴木:本番直前までちゃんと進行できるのか、成功するのか不安もありました。

しかし始まってみると、社員の皆さんが本当に楽しそうに、そして誇らしげに「ギネス世界記録™」の挑戦に取り組まれていました。そして多くの方にとって創業記念式典の1日が忘れられない思い出となったことが、記録達成以上にうれしく感じました。



村岡:参加してくださった皆さんが心から楽しみ、喜んでくれている様子を目にして、ちゃんと当初の目標だった「忘れられない式典」が実現できたのではないかと思います。当日会場で目にした皆さんの笑顔や、助けの手を差し伸べてくださった方、温かい言葉をかけてくださった方への感謝の気持ちなどが次々と蘇ります。運営スタッフでありながら、どうやら私自身が、ワクワクや感動体験ができた式典になりました。



伊勢半グループには、私たち“らしさ”を表すパーソナリティーがあります。

【プロジェクトの裏側】創業200周年の歴史に刻む「ギネス世界記録™」への挑戦!社員にも秘密で準備されたサプライズチャレンジの舞台裏


振り返ってみると、まさにこうした“らしさ”が凝縮された、一生に一度の記念すべき思い出になったのではないでしょうか。当日、社員一人ひとりが感じたワクワク・驚き・喜び・感動が、これから伊勢半グループが「The 1st Cosmetics. 伊勢半 いちばんほしいを、いちばんに」のパーパスを実現していく原動力となることを願うばかりです。
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