夫婦で立ち上げたライフスタイルブランドfutari styleを運営する、株式会社futari style。独自の視点でオリジナリティあふれる商品を企画、開発している会社です。


そんな商品のひとつが、「ハーフデカフェコーヒー」。カフェインを半量ほどにし、味わいはコーヒー本来の風味そのままに作られた、オリジナルのコーヒーです。その誕生の裏側には、futari styleのふたりが感じていた「カフェインを摂りすぎると眠れなくなる」「でも、カフェインレスコーヒーだと味に満足できない」という実感がありました。

コーヒーの専門資格であるJ.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター1級を取得し、日本でハーフデカフェコーヒーという選択肢を根付かせようと尽力を続ける代表の竹内和人に、開発の裏側やハーフデカフェコーヒーへの想いについて話を聞きました。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライ...の画像はこちら >>


「ふたりの暮らし」を彩る、オリジナリティあふれる商品を展開



――futari styleという会社について、ご紹介ください。

futari styleは、妻とふたりで立ち上げたライフスタイルブランドです。商品はすべて自社企画で、妻とふたりで話し合いながらコンセプトを練り、事業企画、商品開発を進めています。

こだわりは、他ではやっていないオリジナリティのある商品をつくること。ライフスタイルを軸に、旅行アイテムやギフト商品などを展開しています。

――夫婦で会社を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。

理由はふたつあります。ひとつは、パートナーである妻との絆ですね。私たちは東京で出会ったのですが、互いの仕事の関係で、日本と外国、外国同士と離れながら結婚生活を送っていた時期があるんです。
離れて暮らしていた時は、物理的な距離はあるけれど、ふたりが夫婦であるということを感じていたいという想いがありました。

もうひとつは、いつかは自分たちの力で事業を立ち上げて営みたいという想いがあったから。私はもともと家電メーカーとコンサルティングファームで働いており、新規事業企画、商品企画、設計開発、海外販売などを手掛けてきた経験がありました。新しいものを生み出す仕事を続けてきたことから、何かを自分たちで生み出しだいと考えていました。

そういった背景から、それぞれが日本に戻ってきたタイミングで、「futari style」を立ち上げました。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


自身のコーヒーライフから思い付いた「カフェインが半分のおいしいコーヒー」の需要



――さまざまな商品があるなか、今回は「ハーフデカフェコーヒー」について取り上げていきたいと思います。まずは、そもそも「ハーフデカフェコーヒー」がどういったものなのか教えてください。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、まずコーヒーにはカフェインの入っている一般的なものと、カフェイン量の少ないものとがあります。

さらに、カフェイン量の少ないものの中には、カフェインレス、デカフェ、ノンカフェイン(カフェインフリー)といったものがあります。

カフェインレスは、カフェインが少なめもしくは含まれていないもの。デカフェは、カフェイン除去処理をしたもの、ただしカフェインが完全にゼロではなく僅かに含まれる。

そして、ノンカフェインは、名前の通りカフェインが原料にまったく含まれていないものを指します。たんぽぽコーヒーなど、コーヒー豆ではないものを使ってコーヒーのような飲み物を作ったものなどが一種です。


デカフェコーヒーは、ものによってカフェインの含有量が異なり、ゼロに近いものもありますが、futari styleが提供しているハーフデカフェコーヒーは、「ハーフ」の名の通りカフェインを半分程度に抑えた「カフェイン少なめ」のコーヒーとなります。

――カフェインを極力少なくするのではなく、あえて「ハーフ」にしようと思ったのはなぜですか?

私も妻も、カフェインが得意な体質ではないんです。カフェの雰囲気が好きで、よくふたりで訪れてコーヒーを飲むのですが、午後以降に飲むと夜眠れなくなってしまうことがあって。カフェインレスやノンカフェインを選んでみたこともあるのですが、カフェインを除去する工程でコーヒー本来の風味や味が抜けてしまうからか、コーヒーらしい味わいを楽しめなかったりと、どこか物足りなさを感じていたんですね。

また、夜間に眠れなくなるのは困る一方、お昼過ぎにやってくる眠気をいい感じに飛ばしてくれる作用を期待してコーヒーを飲みたい気持ちになることもありまして、そのニーズに現状のカフェインレスコーヒーは応えてくれないという原体験もありました。「でも、コーヒーを飲んでしまうと夜まで影響を受けてしまう」と、なかなかいい塩梅のコーヒーに出会えなかったんです。

そこで、カフェインが半量程度のコーヒーはないのかと考えたのが、ハーフデカフェコーヒーを作ろうと思ったきっかけです。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


――竹内さんは過去に飲食業界での経験があるわけではないですよね?そこからコーヒーを扱うこと、さらには新商品を開発することは難しかったのではないでしょうか。

おっしゃる通り、完全に異業種からの参入で、コーヒー豆の種類も、焙煎方法、抽出方法も何もかもわからないところからのスタートだったため、まずは体系的に学ぶべきだと考え、「J.Q.C.A.認定コーヒーインストラクター」という資格勉強を始めました。まずは2級を取得し、続けて1級にも挑戦し、合格。1級は、豆の外観だけで豆の種類を見分けるスキルなど、コーヒー製造業者に求められる高い専門知識を必要とされるレベルですが、とても面白く楽しみながら勉強を進められました。ここで身につけたコーヒーの歴史や生産地、品種と味の特徴、焙煎方法から抽出方法の知識は、コーヒー事業を行なっていく上での大きなベースになりました。


知識を得たことで、いざコーヒー作りを始めようとなったわけですが、焙煎機を始めとした機器を持っていたわけではありません。そこで、はじめは焙煎は外部製造業者でやってもらいながら、平行して焙煎機を探しに焙煎機の業者を何社も巡ったりしていました。そういった業界の方々とやり取りのするなかで、より現場に即した豆や焙煎の話を聞くことができ、実際にコーヒー豆を焙煎していく過程を理解できてきました。

そこから、いよいよ目指すデカフェコーヒーづくりに着手。自由に試せるように、焙煎機を導入し、本当に試行錯誤が始まりました。

――どのようなデカフェコーヒーが竹内さんの目指した理想だったのでしょうか。

日頃飲んでいるコーヒーと変わらない風味、味わいを楽しめるものですね。ただ、そうした風味、味わいを担っているひとつがカフェインでもあるため、カフェインを抜いたあとにどうコーヒーらしい味わいを再現できるのか試行錯誤を続けました。

――やはり難しかったのでしょうか。

試した豆は100種類以上です。焙煎度合いも浅煎りから深煎りまで細かく調整し、さらには組み合わせも試行錯誤。とにかく自力で試しては飲んでみての繰り返しでした。


狙った味、香り、コクを創り出すのは、本当に難しいんです。「今日は焙煎をするぞ」と決めた日は、1日中取り組んでいました。

ただ、楽しかったですよ。私は基本的に好きなことしかやらない人間ですので(笑)。難しく大変ではありましたが、苦しい、しんどいとは思わなかったです。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


まだ知らない方に「ハーフデカフェコーヒー」という選択肢を知ってほしい

――試行錯誤の末、出来上がったハーフデカフェコーヒーの基本ラインナップは、マイルド、ビター、エレガントの3種類。販売後、反響はいかがでしたか?

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


カフェインを減らしたデカフェ、カフェインレスはまだ知られていても、カフェインを半量ほど残した「ハーフデカフェコーヒー」は、そもそも認知がゼロです。言葉も知られていませんから、「ハーフデカフェコーヒー」でGoogle検索をする人もいません。ということで、商品開発よりも商品を知ってもらう認知拡大のほうが課題でした。

プレスリリースを出したり、デカフェコーヒーに関心を持ちそうな方、需要がありそうな方が調べそうな言葉を入れ、SEO記事を書いてみたり。インターネット上での露出を増やすべく、施策を打っていきました。

もうひとつは展示会への出展ですね。
コーヒー業界のアジア最大の国際見本市であるSCAJ(スペシャルティ コーヒー アソシエーション ジャパン)に2022年に出展しました。業界関係者やコーヒー好きな一般消費者の方が集う場で、業界のプロの大勢の方々から味わいを評価いただける良い場でしたね。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


――反響はいかがでしたか?

業界の方も、大半がハーフデカフェコーヒーをご存知なく、まずは「何だこれは」というところから足を運んでいただきました。試飲してくださった方からは「(カフェイン有りの)ふつうのコーヒーと違いがわかりませんね」とご感想もいただきました。これは、物足りないデカフェを脱したいという私にとって、励みになる誉め言葉でした。

――一般の方にも試飲していただいたのでしょうか。

はい。業界の方とは違い、「ハーフデカフェコーヒーを飲みにきました」という方がちらほらいらっしゃったのが意外でしたね。主に女性の方で、私や妻のように、既存のカフェインレスだと満足できず、カフェインに決して強くはないという方がそれなりにいるんだなとあらためて感じられました。

――その後、販売状況はいかがですか?

気に入ってくださった方はリピートしてくださっています。ただ、まだまだコーヒーの選択肢として広く知られているとはいえないので、認知拡大に課題を感じているところです。

そもそも、わざわざ「ハーフデカフェコーヒー」を選ぶ人は限られているんですよね。
販売してみてわかってきたことですが、「カフェインレスコーヒーに特に不満を感じたことがない人」もいますし、「夜に眠れなくなる時間帯からは、そもそもコーヒーを飲まなくていいや」という方もいます。ハーフデカフェコーヒーは、私たちのように「夜に眠れなくなるのは嫌だけど、程よく眠気を覚ましてくれてリラックスさせてくれて、それでいて、コーヒー本来の味わいをそのまま楽しみたい」という人にこそ刺さるものであり、そういったコーヒーとのライフスタイルを送りたい方にぜひ知っていただきたいと思っています。

日本のデカフェコーヒーの市場シェアは、未だ1%にも満たない現状で、海外に比べると低いとされています。とはいえ、日本でも健康意識の高まりがありますし、国内市場も年々伸びており、この10年間で2倍に迫る成長をしています。

個人にも、企業にも。おいしくやさしい「ハーフデカフェコーヒー」を提供したい



――今後、取り組んでいきたいことは何ですか?

ハーフデカフェコーヒーは、ライフスタイルやシーンに寄り添う新たなコーヒーの選択肢としてつくったものです。

その方のライフスタイルに合ったものを選べるよう選択肢を提供するつもりでつくったものです。味わいへの不満を我慢しながらカフェインレスコーヒーを飲んでいたり、我慢して飲む頻度を減らしたりしているのは、「コーヒーを楽しむ」観点からもったいないことだなと思います。だからこそ、嗜好や体調、時間帯に応じて“自分に合った一杯”を選べることが、これからのコーヒー体験には大切だと思うのです。そうした方に「ハーフデカフェコーヒー」を知っていただき、豊かなコーヒーライフを楽しんでいただきたいですね。

そのためには、もっと知っていただかなければなりません。これまではBtoC、一般消費者の方に向けて広めようとしてきたのですが、今後はBtoB、企業に対して届けていきたいと思い、事業化を検討しています。コーヒーマシンのあるオフィスは多く、一日に何杯も飲む方もいらっしゃるでしょう。その選択肢にハーフデカフェコーヒーが加われば、カフェイン摂取量を抑えながらたくさん飲めるという選択肢ができますし、「ハーフデカフェコーヒーなら飲める」という、カフェインに強くない人にも喜んでいただけるかもしれません。ぜひアプローチしていきたいです。

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


――ありがとうございます。最後に、本記事を通してハーフデカフェコーヒーに関心を持たれた方にメッセージをお願いします!

繰り返しになりますが、ハーフデカフェコーヒー事業は、今までになかった価値を提供しようと思い取り組んでいる事業となります。ハーフデカフェコーヒーで、ぜひ新たなコーヒーの楽しみ方を知っていただきたいです。おいしいうえに体にもやさしく、心休まるくつろぎの時間を提供できるよう、今後も努力してまいります。ご自身用、ギフト用とご用意しておりますので、気になった方はぜひ一度お試しいただけるとうれしいです。

【Half Decaf Coffee】

公式オンラインショップ:https://www.halfdecafcoffee.com

Instagram:https://www.instagram.com/halfdecafcoffee

Facebook:https://www.facebook.com/HalfDecafCoffee

Twitter:https://twitter.com/HalfDecafCoffee

コーヒーの味わいはそのまま、カフェインを半分に。コーヒーライフに新たなスタイルを提供するfutari styleの「ハーフデカフェコーヒー」誕生秘話


【運営会社】

会社名:株式会社futari style

所在地:東京都大田区山王二丁目5番6号SANNOBRIDGE

代表者:竹内 和人
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