2021年4月に広島県が開学した叡啓大学(学長:有信睦弘、広島市中区)では、「社会を俯瞰する視野を持ち、他者との協働のもと、文理の枠を越えた知識やスキルを組み合わせて課題の解決を図り、新たな価値を創り出すことのできる人材を育成し、地域から国際社会まで広く貢献すること」を目的としています。

 「ソーシャルシステムデザイン学部ソーシャルシステムデザイン学科」の1学部1学科で、アクティブラーニングを重視した少人数制の学びで、学生は社会で新たな価値を創り出すために必要な資質(5つのコンピテンシーグローバル・コラボレーション力/先見性/戦略性/実行力/自己研鑽力)を修得。
また、ほぼすべての科目を日英両言語で開講し、実践的な英語を身につけるとともに、多様な価値観を理解できる人を目指します。


多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が...の画像はこちら >>


 2025年3月に卒業した1期生たちは、4年間の学びを生かして多様な分野で活躍中です。その一人、小川ジョナサン海晟さんは、Synopsys, Inc.(米国カリフォルニア州本社)の日本法人である「日本シノプシス合同会社」に就職しました。ソリューション営業として忙しい日々を送る小川さんに、大学での学びや今の仕事で強みになっている力について聞きました。



課題解決演習(PBL)を通して協働する力が養われた

―大学で身につけた5つのコンピテンシーの中で、特に小川さんの強みになっているものは何ですか?

 私たちは半導体関連企業や電子機器メーカーなどのお客様に、自社開発の半導体IP製品をご提案しています。ただモノを売るのではなく、中長期的な関係を構築し、お困り事をヒアリングしたうえでニーズに合わせたソリューションをご提案することが大切です。

 そこで必要になるのが、グローバル・コラボレーション力です。仕事では社内連携が欠かせませんし、場合によっては世界の拠点とも連携します。あるいはお客様の会社でも多様な方たちが働いています。人種、宗教、考え方などが異なる人たちとチームで仕事をするとき、文化・価値観への理解や相手へのリスペクトは必須です。グローバル・コラボレーション力が求められるというわけです。

多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が語る、「叡啓大学で身につけたグローバル・コラボレーション力」とは?


―グローバル・コラボレーション力はどのように育まれましたか?

 叡啓大学では、すべての授業において主体的にかかわり、思考を深めて発言したり動いたりすることが求められます。その中でも特に印象深く覚えているのは、課題解決演習(PBL)です。私はもともと環境問題に関心があり、世界的な消費財メーカーが展開する使用済みプラスチック容器回収のプログラムで、どうすればより多くの人にそれに参加してもらえるか、プラスチックごみの削減・資源循環の仕組みをつくるにはどのようにすればよいかなどを考えました。
その活動を通して学内外の人たちと連携する中で、協働する力が育まれていきました。

 また、学生が先進国やグローバルサウスの国などに分かれて行った模擬国連のロールプレイも、それぞれの立場や意見を理解する場として大きな学びがありました。さらに英語を使う授業が多く、英語力を向上させることができたのもよかったです。今の仕事でも社内連携や契約などで英語は日常的に使っています。



先生から学んだ、何かに取り組むうえで大事な考え方

多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が語る、「叡啓大学で身につけたグローバル・コラボレーション力」とは?
―叡啓大学で学んだことで、ものの見方や考え方が変わったことはありますか?

 学部長がよくおっしゃっていた、「木を見て森を見る」という言葉は、自分が何かに取り組むうえで大事な指針になりました。

 また「解決策を無理に出すのではなく、本質的な問題・課題は何なのかを特定することが重要」という、卒業プロジェクトを指導してくださった先生の言葉も残っています。そのときの私は「早く結論がほしい」と焦っていました。しかしそれでは物事の本質が見えてこないことを学びました。

 これらは今、仕事をする際にも肝に銘じていることです。お客様のやりたいことを理解して的確なご提案をするためには「木を見て森を見る」ことが重要ですし、じっくり物事を見極めてベストなソリューションを実現するためには安易に答えを求めない態度が必要です。叡啓大学は教職員との距離が近い大学だからこそ、こうした言葉が深く胸に刻まれたのだと思います。

多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が語る、「叡啓大学で身につけたグローバル・コラボレーション力」とは?


―何をきっかけにIT業界に興味を持ちましたか?

 これも大学の授業がきっかけで、プログラミングを学んだためです。そこで、これからはAIが爆発的に世の中に広まると感じ、そうした最先端技術を支える分野に興味を持つようになりました。ただし技術職ではなく、教職員の方たちと公私にわたってお付き合いをさせていただくなかで、人とコミュニケーションを取ることが好きな自分には営業職が向いていると考えました。


―最後に、大学選びに迷っている人に一言お願いします。

 あれこれ考えるより自分の感性(インスピレーション)を信じて選んでみてもいいのではないでしょうか。進学がピンとこない人は、海外に行くとか違う道を試してからでも遅くはないと思います。私もすぐに叡啓大学に入ったわけではなく、いろいろあってこの大学に来ました。ここで得た知識、新たな視点、さまざまな国や地域出身の仲間たちと過ごした日々など、叡啓大学での出会いは私の人生に大きな変化を生んでくれました。

多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が語る、「叡啓大学で身につけたグローバル・コラボレーション力」とは?


■日本シノプシス合同会社の上司の方からのコメント



  大学での多文化交流と英語教育が、国際的なプロジェクト推進に直結しています。社内外の多様なメンバーとの協働や、英語での提案活動をスムーズに進める力は大きな強みです。特に海外チームとの連携において、言語面での障壁を感じさせない対応力は、大学での学びが生かされている証拠です。

 また 顧客の要望に対し、全体像を把握しながら細部まで丁寧に対応する姿勢を見て、大学で培った「木を見て森を見る」という視点が、営業活動に活かされていると感じます。さらに主体的に考え、事前準備などを通じて国内外チームの認識を整える行動力は、複雑な提案プロセスを成功に導く重要な要素です。安易な答えに頼らず、課題の根本を見極めたうえで中長期的な関係構築を重視し、本質的な問題を特定するという姿勢は、今後営業としての大きな強みになると確信します。

 こうした考え方と行動力が、顧客に信頼される提案活動につながるものと期待します。


多様な人たちと連携するうえで必須!IT業界で活躍する卒業生が語る、「叡啓大学で身につけたグローバル・コラボレーション力」とは?


叡啓大学のウェブサイトはこちら 

https://www.eikei.ac.jp

×
編集部おすすめ