前編では、エプソンPCの特長、展示会への出展背景についてお伝えしました。
前編のリンクはこちら:https://prtimes.jp/story/detail/0B400Rh4ezB
後編となる今回は、共創という形でご出展いただいたAIソリューションベンダー様のご担当者に、共創を決めた背景や共創するメリットについて伺ったお話をご紹介します。また、こうした共創を踏まえて見据える今後の展望について、当社の取締役 平田朋賢、事業推進部 マーケット企画グループ係長 大波賢一にも話を聞きました。
「協業」ではなく「共創」。パートナー企業様から見たエプソンPCの魅力とは
展示会にご出展いただいた各企業様に、エプソンPCの魅力や共創のメリットについてお話を伺いました。・日本マイクロソフト株式会社様
デバイスパートナーセールス事業本部 シニアパートナーデベロップメントマネージャー 小林 涼介様(左)
デバイスパートナーセールス事業本部 シニアパートナーテクニカルセールス 守屋 和彦様(右)
Copilot+ PC「Endeavor NL3000E」にWindows OSを提供している日本マイクロソフト株式会社様。Copilot+ PC「Endeavor NL3000E」は、インターネット環境にあるかどうか関係なく、デバイス上でAIが使えるパソコンです。新しいAIに特化したNPUが搭載されているため、AIの処理がローカル上で行えます。
パソコン「Endeavor NL3000E」に期待していることについて、小林様は「16インチと、製造業のお客様が図面を開く際に見やすいサイズであることと、並行して作業を行えるスペックであること」を、守屋様は「画面サイズに対して軽く、持ち運びやすいこと」を挙げていただきました。
インターネット環境に依存せずローカル環境下でもAI機能を使えるため、物理的・セキュリティー的にインターネットを使えない場所でも要約や翻訳といったAIの機能を使ったり、業務トレーニングができたりする点も、特に製造業のお客様に喜ばれる点だといいます。
「エプソンダイレクトさんは製造業のお客様に向けた取り組み経験が豊富で、導入後のサポートも手厚い。お客様の満足度も高いと感じています」(小林様)
「マイクロソフトとしてWindows OSを展開するにあたり、日本のPCメーカーであるエプソンダイレクトさんは、非常に信頼できるパートナーだと考えています。エプソンダイレクトさんが製造するWindows PCは、品質やサポート面で高い評価を得ており、両社が協力することで、より多くのお客様に価値ある製品を届けられると確信しています」(守屋様)
製造業のお客様にCopilot+ PC「Endeavor NL3000E」を使っていただくためには、パートナーと組む必要があると語ってくださった守屋様。製造業のお客様にCopilot+ PC「Endeavor NL3000E」を使っていただきながら、製造業におけるAIに求められるものを特定していきたいとお話しいただきました。
「こうした展示会に一緒に出させていただくことで、お客様の声を聞けるのもありがたい機会だと思っています。新しいカテゴリーのPC訴求に際して、業界に特化したパートナー様と一緒に出展するイベントは、我々にとっても良い機会です」(小林様)
・Airion株式会社様
Director 小安 宗徳様
オーダーメイドのAIソリューションを提供しているAirion株式会社様。本展示会では「技能継承くん」というプロダクトを展示いただきました。ナレッジが熟練者に属人化してしまっている製造業のお客様に向け、ナレッジの形式知化を進めるソリューションです。
「熟練者とAIが対話をし、引き出したナレッジを保存。新人や若手職人がチャットで質問することで、保存したナレッジからAIが回答、解決に導くというものになります」(小安様)
Airion株式会社様がお使いいただいているのは、Endeavor JT51。エプソンPCの堅牢さが魅力だといいます。
「『技能継承くん』自体はブラウザが動けば基本的に端末に依存せず使えるため、当初は具体的に使用する端末を想定してはいませんでした。エプソンダイレクトさんとの出会いは、弊社が出展していた過去の展示会でした。製造業に強いエプソンダイレクトさんと共創することで、製造業へのアプローチがより進められると考え、両社の想いが合致したため、共創することになりました。端末が堅牢で軽く、タブレットにもフレームを付けることができ、製造現場の使い方に合ったカスタマイズができるのが魅力ですね」(小安様)
製造業向けパッケージを提供していることから、エプソンダイレクトの持つ製造業のお客様の知識も役立ったと語ってくださった小安様。納期を柔軟に変えられるため、急ぎのお客様にすぐ納品できることもメリットのひとつだと挙げていただきました。ソリューションはまだリリースされたばかりであり、これから導入実績を増やしていかれる段階にあります。
・株式会社HACARUS様
事業開発本部 事業開発 深町 朱梨様
外観検査AIソリューションを展開している株式会社HACARUS様。一般的な外観検査AIでは、正解ラベル付きの画像(教師データ)を大量に用意する必要がありますが、「HACARUS Check ZERO」は20~60枚と少量のデータで良品の学習ができる点が特長です。
「人の目で見て判別されている外観検査の省人化を目的として、自動化を進めたいというお客様にご活用いただいています」(深町様)
現在、外観検査AI向けNVIDIA搭載パッケージを用い、動作検証を進めていらっしゃるHACARUS様。
「実機で事前に検証できることで、現場特有の動作や条件をあらかじめ把握でき、ハードとソフト双方の改善につながっていると感じています」(深町様)
エプソンPCを選ばれた理由は、長期保証があり、大規模なOSのアップデートがないことだといいます。長期的に安定稼働するパソコンが必要なお客様に安心してお使いいただけるという点が、エプソンPCを使う決め手となりました。
「あと大きかったのは、納期です。専用機ですと2、3カ月かかってしまうため、早く導入したいお客様にとってはネックとなってしまいます。エプソンダイレクトさんであれば、非常にスピーディーに納品いただけ、我々の開発スピードに合っていました」(深町様)
・株式会社フツパー様
ビジネス開発本部 東日本営業部 大竹 明良様
「メキキバイト」という、製造業向けの外観検査AIサービスを展示していただいた株式会社フツパー様。ベルトコンベア上を流れる製品の良品不良品の判別をAIで自動化し、不良品の自動排除までをサポートするソリューションをご提供されています。
以前は別のパソコンを使っていたことがあるというフツパー様。ハードを模索しているなか、エプソンダイレクトからの声がけを機にエプソンPCをご検討いただきました。当時の課題について、大竹様は次のように説明してくださいました。
「起動してからつながるまでに時間がかかってしまっていたこと、保証対応が1~3年と短期間でしか提供されないことが課題でした。エプソンダイレクトさんのパソコンであれば、低コストを維持しながらも長期サポートが受けられるうえ、起動も安定していてスピーディーでした。
お客様からサポート期間について聞かれることが多く、長期的に対応できるとお伝えできるようになったことに大きな良さを感じてくださっているという大竹様。共創相手として、さまざまなことを気軽に聞ける、伝えられる点が共創の良さだといいます。
「システムを作っている会社からすると、互換性のあるものかどうかは重要事項です。エプソンPCには無料貸し出しプログラムがあるので導入前の事前検証もでき、ハードを変えてみていただくという話もできる。一緒に良いものを作っていくことができるのが共創のポイントの1つですね」(大竹様)
共創により固定観念を打ち破り、新たな課題解決策を見つけたい
共創パートナー様からのお話からもあったように、パートナー企業様は単なる協業先ではなく「共創」相手です。ただハードとしてパソコンを提供するだけではない関係性を築いています。
「こういうプロダクトがあったらいいんじゃないかとか、組み合わせにより生まれる新たな価値を見出すなど、いろいろな取り組みを各企業様と行っていきたいと思っています」(大波)
平田は、共創の最大の目的は「視座を合わせること」だと話します。
「視座がぶれると、共創の目的がずれ、いいものが作れなくなります。共創することでパートナー企業の視座を知り、その会社様が物事を見る視点を知れることが良い学びになっています」(平田)
平田の言葉を受け、大波は「私たちが思っていることは固定観念なんですよね」と答えます。
「共通項が何なのかを考えることで、新たな何かが生まれるのではないかという期待感が持てます。今回ご出展いただいた共創パートナー様以外にも大小さまざまな規模の会社様とお話しているのですが、視座や視点が合った瞬間には『これはいけるのではないか』と可能性を感じられますね」(大波)
エプソン販売での営業職を経て、エプソンダイレクトでエプソンPCのマーケティング部門を担当する大波は、固定観念をどう外し、どう新しいものを作っていくのかを考え続けていると語ります。
「人が共創することで何かを得て、人として一人ひとりがアップデートしていくことが、今後の我々の強い価値になっていくのではないかと思います」(平田)
これからも日本の製造業を強くする一助に
幅広い製造業の中、特に食品業界や医療業界など、加工組み立て系に強みを持つエプソンダイレクト。今後の展望について、大波は「加工組み立て系でも、まだまだできることを広げられる」と話します。また、可能性があるのは製造業だけではないとし、「トライアンドエラーを繰り返しながら、既存のものでどう響くのか考えたい。もし既存のものがダメなら新しい何かを作り上げるのが、メーカーとしてやるべきことであり、私のタスクだと思っています」と意欲を示しました。平田は「我々はお客様を選ばないんです」と話します。
「『パソコンなんて面倒くさい、手間だ』と思っているお客様、将来人手不足になるかもしれないと不安になっているお客様に製品をお届けしたいというのがミクロでの今後の展望となります。今後、より力を注ぎたいのは日本の製造業を強くすることです。日本ならではのビジネスモデルを作り上げ、世界に届ける。その一助となりたいと思っています」(平田)
品質にこだわって続けてきたモノづくりの評価を知ることで、あらためて見えてきた自社の強み。