古今東西のダンスミュージックを基軸としたバンド・アンサンブルと、独特のユーモアを内包する歌詞世界、そして一度聴いたら病みつきになる繰り返しのフレーズによって、「中毒者」を続々と生み出してきた4人組バンド、フレデリック。彼らによる前作から実に2年4ヶ月ぶりのセカンド・フルアルバム『フレデリズム2』が、2月20日にリリースされた。
Interview:フレデリック(三原健司/康司)

──『フレデリズム2』のリリースから2ヶ月が経とうとしていますが、改めて本作はお2人にとってどんなアルバムだったと思いますか?康司 バンドの関係性みたいなものを、改めて考えさせられたアルバムだったと思います。僕と健司は双子なんですけど、僕自身に足りないことを、いつも補ってくれているのが健司だと思っていて。そういう意味では、自分のコンプレックスについて気付かされると同時に、それを埋めてくれる存在でもあるわけです。2人で「完全体」というか(笑)。そんなイメージが昔からあったんですね。でもそれって、双子同士の関係性だけじゃないっていうことを、最近はよく思うんです。例えば僕らとお客さんとの関係もそう。僕らが楽曲を作って、それを受け取ってもらうことで初めてその音楽は成立するというか。

──期待に応えつつ、予想を裏切ることも出来たと。健司 もう一つファーストの時と違うのは、「しみる」とか「ちょっと泣けてきた」という感想が多くなったことなんです。「歌」を前面にフィーチャーした曲とか、「音楽好きだったらここは絶対に刺さって欲しいな」という歌詞とか、そういう要素をちりばめたので、そこがちゃんとピンポイントで刺さったというのも達成感もありますね。──前作『フレデリズム』の時は、「プレイリストを聴いているような、ヴァラエティ豊かなアルバムを目指した」とおっしゃっていましたが、今作もさらに振り幅が大きくなっていますよね。“飄々とエモーション”は構成がEDMっぽかったり、かと思えば“LIGHT”はファンクっぽかったり。リズムのヴァリエーションが豊富な上に、“かなしいうれしい”や“他所のピラニア”のトリッキーなギターソロなど、ギターのアプローチも非常に印象的です。康司 嬉しいです。今回、ギターは色んなことを試しました。まず作曲の段階で、「これはギターで弾くべきか、それともシンセで弾くべきか?」みたいな、狹間のフレーズが結構多くて。
フレデリック「飄々とエモーション」Music Video -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-フレデリック「LIGHT」Music Video / frederic “LIGHT” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-<TVアニメ「恋と嘘」OPテーマ>フレデリック「かなしいうれしい」Music Video -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
──例えば“対価”や“逃避行”など、シンセの音色はちょっと懐かしい80年代風で。康司 そうなんです。以前から、ちょっとキッチュでレトロなシンセ・サウンドには惹かれていて。それを今の音像の中でどう蘇らせるか? みたいなことは考えましたね。例えば“夜にロックを聴いてしまったら”のシンセは、YMOを意識しつつ、MGMTの最新作『Little Dark Age』みたいな世界観に落とし込むにはどうしたらいいか?とか。MGMTの最新作は、アルバム制作の合間に聴きまくっていました。
フレデリック「逃避行」Music Video / frederic “Tohiko” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
──ああ、なるほど。構成や音像感は現代のフォーマットなのに、そこに懐かしい音色を混ぜたり、J-popっぽいメロディを載せたりすることで、フレデリックらしいテクスチャが生み出されている。康司 そうなんです。ダンスミュージックのフォーマットを、あえてバンド・アンサンブルにしたり、逆に歌を前面に出した楽曲は、エレクトロっぽいアレンジにしてみたり、そういう融合感、違和感を楽しんでいるところがあるかもしれない。

──“CLIMAX NUMBER”も、リズムはモータウンなのに音色はキラキラしていて。
フレデリック「スキライズム」Music Video / frederic “Sukiraism” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
健司 ミュージック・ビデオを見た人からは、「スミス(The Smiths)っぽいね」と言われたことはありますけど、この曲でフジファブリックの影響を指摘されたのは、今回が初めてなのでちょっと新鮮です(笑)。──“他所のピラニア”や“逃避行”では、途中にサイケっぽい展開が挿入されます。あれは、どのようなイメージだったのでしょう。康司 このサイケっぽさは、僕らが大好きだったたまからの影響が大きいと思いますね。僕らインディーズの頃に、たまからの影響をダイレクトに受けた『うちゅうにむちゅう』というミニ・アルバムを出したんですけど、そこでやっていたアプローチをもう一度試してみたのが“他所のピラニア”なんです。
──ボーカル録りをする際にどんなことを心がけましたか?健司 ちょうどボーカル録りの時期は、歌のレベルを上げたいと思って色んなシンガーのライブに片っ端から行っていたんです。中でもジョン・レジェンド(John Legend)のライブにはメチャメチャ感銘を受けました。もちろん、スタイルは全然違うんですけど、例えば語尾の切り方でグルーヴを出したり、ソウルフルな歌い回しだったり、ちょっとしたニュアンスを参考にしつつ散りばめています。──そういう意味で、最もチャレンジングだった曲は?健司 “対価”みたいな楽曲は、今までになかったかも知れない。ちょっとした「切なさ」を織り交ぜつつ、自分の声の「甘さ」みたいなところも引き出したくて。例えば、ファルセットを使って声を裏返したり、本当はまっすぐ伸ばすべき自分の声にビブラートをかけたり。そういう細かいニュアンスを付けるのが、“対価”は難しかったかも知れないです。それに、そういった自分のこだわりが、独りよがりにはならないよう気をつけました。ちゃんと楽曲が求めている表現じゃないと意味がないというか。単にテクニカルにビブラートをするのではなく、楽曲のムードや歌詞の内容と連動した、必然性があった上でのビブラートというか。
RELEASE INFORMATION
『フレデリズム2』 2019年2月20日(水)リリース
初回限定盤(CD+DVD)AZZS-85 / ¥3,200(+tax)

通常盤(CD)AZCS-1079 / ¥2,700(+tax)

FREDERHYTHEM TOUR 2019-2020
SEASON1
<FREDERHYTHM TOUR 2019~夜にロックを聴いてしまったら編~>4月13日(土)新木場STUDIO COASTOPEN 17:00 / START 18:00¥4,500(ドリンク代別)
SEASON2
<FREDERHYTHM TOUR 2019~リリリピート編~>6月4日(火)兵庫 神戸 太陽と虎6月6日(木)福岡 DRUM Be-16月13日(木)宮城 仙台enn 2nd6月14日(金)新潟 CLUB RIVERST6月21日(金)香川 高松 DIME6月22日(土)広島 CAVE-BE7月2日(火)大阪 BIGCAT7月3日(水)愛知 名古屋 ElectricLadyLand7月7日(日)北海道 札幌 COLONY7月9日(火)東京 恵比寿LIQUIDROOM
SEASON3
<FREDERHYTHM TOUR 2019>10月11日(金)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM10月12日(土)広島 BLUE LIVE10月14日(月/祝)高知 キャラバンサライ10月18日(金)宮城 仙台Rensa10月20日(日)新潟 LOTS10月22日(火/祝)石川 金沢 EIGHT HALL
SEASON4
<FREDERHYTHM TOUR 2019>11月16日(土)北海道 Zepp Sapporo11月29日(金)愛知 Zepp Nagoya12月7日(土)福岡 Zepp Fukuoka12月14日(土)大阪 Zepp Osaka Bayside
FINAL
<FREDERHYTHM ARENA 2020>2020年2月24日(月/祝)神奈川 横浜アリーナ
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