1996年に起きた
アトランタ爆破事件で、
爆弾の第一発見者である
リチャード・ジュエルが、あろうことか
第一容疑者とされ、
世論によって
「まるで犯人扱い」されてしまってから容疑が晴れるまでの88日間の物語を描く、
クリント・イーストウッド監督最新作
『リチャード・ジュエル』が
1月17日(金)にいよいよ公開を控えている。今回そんな本作で描かれる
「メディアリンチ」について、
イーストウッド監督と
ポール・ウォルター・ハウザーの
コメントが到着した。
クリント・イーストウッドとポール・ウォルター・ハウザーがメディアリンチに警鐘
「メディアリンチ」とは、人を裁く資格を持たない
メディアによる報道が、人に対する
誤った情報を伝え、
社会的人格を破壊してしまうことを指す。
SNSが定着した現代社会では、メディアだけではなく
個人の発言が瞬く間に
拡散していく。
特定の個人を
間違って犯人扱いしたり、
事実確認すら行われていないコメントを
肯定するかのようなリツイートなど、その弊害や誤認は後を絶たない。現代社会に生きる人々にとって、本人が気づかないままに事件の
「加害者」にも
「被害者」にもなりうるリスクは常に潜んでいる。
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLCイーストウッド監督は、「
ごくわずかな間違った情報が、
ひとりの人間の人生を悪夢に変えてしまうこともありうる。そして真実が明らかになっても、誰もそれを直視したがらない。なんて恥ずかしいことだ」と
警鐘を鳴らす。この指摘の通り、この映画では「誤認」が描かれる。その第一が、
「FBIが第一容疑者としてリチャードを捜査している」という報道だ。捜査中であることは事実だが、
「リチャードが爆破犯だ」ということは定かではない。実際、リチャードはこの事件に関して一度も
起訴されていない。複数の人物から作られた
FBI捜査官トム・ショウを演じた
ジョン・ハムは、実社会において「あらゆる意味で、彼は
世論という法廷で裁かれた」と指摘する。たったひとつの情報が拡散し、メディアによる
過熱報道で形成された世論では、リチャードのイメージは
「捜査中の容疑者」から
「爆弾犯」へと代わり、定着していく。
「まるで犯人扱い」と言うことはたやすいが、もしそれが自分に降りかかって来たとしたら……一体その後の人生はどうなってしまうだろうか?
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
リチャード・ジュエルを演じた
ポール・ウォルター・ハウザーは、「この物語は重要だ。僕らが生きている今の社会では、
すべての事実を知る前に、人々は勝手に
判事になったり、
陪審員になったり、
処刑人になったりする。リチャードはマスコミによって裁かれ、そのために、彼がその
人生で頑張ってやってきたことすべて、警察学校へ行き、野球コーチをし、思慮深い市民でいることなどが、彼にとって
不利な意味で見出しに使われてしまった。今の僕たちもそんな過ちを犯しながらもちゃんと正していないという現実を突きつけられる。それは
誰にでもまだ起こりうることなんだ」と、リチャードが体験した88日間は、明日は自分自身に降りかかることかも知れないという。だからこそ映画を通して、「人々が誰かに
特定のレッテルを張る前に、よく考えて
その人物の人間性をきちんと認めるようになってほしい。そして、
リチャードの人間性とその善行を称えられることを願っている」と、熱いコメントを寄せている。「メディアリンチ」を緻密に描いた本作を通して、普段のSNSや情報との付き合い方を考え直してみるべきかも知れない。
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
INFORMATION
『リチャード・ジュエル』
2020年1月17日(金)全国ロードショーUS公開:12月13日(金)スタッフ、キャスト監督・製作:クリント・イーストウッド原作:マリー・ブレナー、バニティ・フェア 「American Nightmare:The Ballad of Richard Jewell」脚本:ビリー・レイ「キャプテン・フィリップス」製作:ティム・ムーア、ジェシカ・マイヤー、ケビン・ミッシャー、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・デイビソン、ジョナ・ヒル出演:サム・ロックウェル(「スリービルボード」(18))、キャシー・ベイツ(「ミザリー」(91))、ポール・ウォルター・ハウザー(「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」(18) )、オリビア・ワイルド(「トロン:レガシー」(10))、ジョン・ハム(ドラマ「MAD MEN マッドメン」(07‐15))上映時間:2時間11分/レイティング:Gⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
詳細はこちらCopyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.