この度、「
NANZUKA」にて、
田名網敬一の新作個展<
記憶の修築>が開催決定! 本展は、「
NANZUKA」および
渋谷PARCO2F・
2G内の「
NANZUKA 2G」においても同時期開催の企画展となる。
田名網敬一<記憶の修築>がNANZUKA、渋谷PARCO NANZUKA 2Gにて同時期開催
アメリカの心理学者ジョン・コートルの著書『
記憶は嘘をつく』(1997)の一説「
人が無意識のうちに記憶をつくり変えながら生きている」を引用しつつ、
自身の記憶が
生き物のように常に変化を遂げ、それが
作品に与える影響について研究を続けているという田名網敬一。その40年に渡る夢日記の一部を収録した自身の著書『
夢の悦楽』(2017)では、
夢の視覚言語化を試みることで、自らの
脳内イメージを
客観的に捉えようとする田名網の創作活動の神秘を垣間見ることができる。
本展<
記憶の修築>は、幼少期に戦争を経験した田名網自身の記憶と、創作活動のメカニズムを視覚的に暗喩した展覧会シリーズだ。本展では、
箱庭的な立体作品、
大作のコラージュ作品、
ミクストメディアのペインティングと多岐にわたる新作が発表されている。一見すると
奇怪でありながらも
ポップな妖怪画のように見える田名網の近作だが、田名網の
実体験に基づき、時に
夢を媒介として修築された様々な記憶がそこに描かれている。例えば、今回田名網が新たに描いたペインティングには、1938年に
アーニー・ブッシュミラー(
Ernie Bushmiller)によって発表され、日本でも戦後の朝日新聞で紹介されて人気を博したアメリカンコミック『
Nancy』や、1966年に初放映された日本を代表する特撮ヒーロー『
ウルトラマン』が、田名網が記録している戦時下の爆撃を想起させるシーンや、田名網特有の
奇形生物などと一緒に登場している。また、
ペインティングと平行して精力的に制作を続けている大作の
コラージュ作品には、田名網が青年期に親しんだ20世紀中頃のアメリカの雑誌から引用した、
アメリカンコミックや
往年のハリウッド女優の姿を発見することができる。田名網作品が近年アート的に極めて重要であると再認識されている理由は、
独創的なコミックスタイルの造形を武器にした
ポップアートという点に留まらず、それが個人的に制作された作品であれ、雑誌やポスターなどに描き下ろしたコマーシャルワークであれ、その全貌が
日本を
フィルターとした
戦後世界全体の社会文化史を物語っているからだ。新作も発表される本個展に、是非とも足を運んでみて。
INFORMATION
記憶の修築
2020.07.11(土)~2020.08.08(土)NANZUKA2020.07.04(土)~2020.07.26(日)NANZUKA 2G(渋谷PARCO 2F 2G内)田名網敬一* 休廊日:日曜日、月曜日、祝日* 本展はコロナウィルス拡散防止の対策として、予告なく入場を制限させていただく場合がございます。* 営業時間は渋谷PARCOの規定に準じます。予告なく変更となる場合がございます。
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