2020年4月にリリースした楽曲“グッバイ宣言”でブレイクを果たし、いま学生層をはじめ、若いリスナー層から絶大な人気を誇るボカロP・Chinozoが12月10日に新作“HERO”のShort.Verを公開した。“HERO”はエナジードリンク「ZONe(ゾーン)」のプロモーションプロジェクト「#歌いきれたらプロ級チャレンジ」の課題曲として書き下ろされた“超高難易度楽曲”。
INTERVIEW:Chinozo
“HERO”は「意識していること」をなくして制作した
──今回の企画は「覚醒」がキーワードになっていますが、Chinozoさんが普段「覚醒」していると思う瞬間はどんなときですか?日中は音楽をつくる時間にしてるんですけど、他のことは考えず、曲だけに向き合っているので、その間は基本的に覚醒していると思いますね。夜はプライベートの時間にしようと決めていて、最近はゲームに覚醒しています。普段から時間とやることを決めて取り組むタイプなので、その間はやることに夢中になっている感じですね。──では、曲づくりが思うように進まない……なんてときはないのでしょうか?コンディションや、体調によってはつくれない日もあります。一応覚醒しているけど、集中できないというか。──捗らないときはこれで切り替えている、という習慣のようなものはありますか?ずっとルーティンにしてるんですけど、僕は甘いコーヒーを飲みますね。コーヒーを飲むと安心するので、集中できないときは飲んでいます。──もともと ChinozoさんはTwitterのファンタグとして「#ChinoZone」を使われていて、今回の企画の関連タグ「#ChinoZONe」とほぼ一致していましたよね。すごい偶然だなと思っていました。これは完全にたまたまなんですよね。もともとのファンタグが生まれたのは1年くらい前ですし、ZONeさんはまったく関係なくて。
Chinozo 「HERO」feat.FloweR Short.Ver
ポップカルチャー化する「歌ってみた」と、“グッバイ宣言”のヒット
──Chinozoさん自身は、ボカロや「歌ってみた」はいつ頃から聴いていたんですか?聴き始めはどちらも2010年ぐらいですね。僕はバンドでギターをやっていた時期があるんですけど、バンド活動を辞めた後も音楽を掘っていく中でボカロの曲は結構聴いていて。はるまきごはんさんやみきとPさんのアルバムに影響されて、ボカロPを始めた、という流れです。──今やYouTuberや芸能界の方も挑戦していて、「歌ってみた」もかなりメジャーなものとして広がっています。Chinozoさんが見始めた2010年の頃とは全く違う文化になっていると思いますが、最近の歌ってみたをどのように見ていますか?よりポップなカルチャーになってきている印象で、僕は嬉しいですね。もっともっと広まればいいなと思ってます。ボカロだと聴きづらいっていう人はやっぱりいますし、実際に僕の家族もそうなんです。
Chinozo 「グッバイ宣言」 feat.FloweR
──ご家族も、ChinozoさんがボカロPをされていることはご存知なんですか?そうですね。というか、バレていたことが去年の年末ぐらいに発覚しまして。僕、妹がいるんですけど、妹がボカロ好きだからその流れで伝わったのかなと。──今のChinozoさんのブレイクについて、ボカロ好きの妹さんは喜んでいらっしゃるんじゃないでしょうか?どうなんですかね? 家族間で褒め合う習慣があんまりないので、そういうのは聞いたことがなくて(笑)。──“グッバイ宣言”については、今年に入ってからTikTokの上半期ランキング1位になったり、YouTubeで最も再生されたボカロ曲になったり、さらには小説化もされたりと、名実ともに2021年を代表する曲になっていると思います。Chinozoさんご自身としては、この広がりをどう受け止めていますか?僕から巣立っていった子どもみたいな感じなんですよね。今はもう、「ほんとに僕の作品なんかな?」というくらい遠い目で見ています。でも、Billboard JAPAN Heatseekers Songsに載ったときは本当に嬉しかったです(※)。今年の目標として挙げてはいたものの、正直「無理だろうな」と思ってましたから。※ Billboard JAPAN Heatseekers Songs のランキングにて2週連続で首位を獲得した。

ボカロMVにおけるイラストの役割
──“グッバイ宣言”ではMVのイラストのポーズを真似するフィンガーダンスが大流行していましたが、音楽とイラストのマッチングもヒットの理由として大きかったと思いますか?それは間違いなく大きいですね。“グッバイ宣言”は、そもそも僕がアルセチカさんのあのイラストをpiaproで見つけて、その絵に惹かれて曲をつくったので、イラストがないと曲が生まれてないんです。
【20万人登録記念】ありがとう雑談 with ゲスト:アルセチカ
──最近は「このボカロPとこのイラストレーターのタッグが嬉しい」という楽しみ方をするボカロファンもいます。Chinozoさんは今後、一人でつくっていくのか、タッグやチームで作っていくのか、方針はありますか?それで言うと、僕はもうアルセチカさんとチームであるイメージです。イラストが視覚にもたらすイメージってすごく重要で、そこがバラバラになってしまうとリスナーさんも困惑しちゃうだろうし。それに、僕みたいに顔出ししていないボカロPだと、イラストというのはある意味顔みたいな側面もあって。あとアルセチカさんとは、単純に制作がやりやすいんです。僕が期待する以上のものが返ってくるのがわかっているので、心配しなくていいというか。イラストはお任せして、僕は落ち着いて音楽制作に打ち込むことができる。ありがたいことに、これまで提供した曲や今回のようなタイアップ曲でも、「イラストはアルセチカさんで」というオーダーをいただくこともあります。



朝起きて、ふと決まった「あ、俺音楽1本にしよ」
──それではそろそろまとめに入っていきますが、2021年振り返ってみてどんな年でしたか?激動の一年でしたね。これからもっと本腰入れて、制作活動を頑張りたいなと思います。作曲活動も専業になったので、だからこそ頑張りたいという気持ちもあります。──専業化に踏み切った決め手は何だったんでしょう?何ヶ月も悩んだんですよ。ただ、ある朝起きたときに「あ、俺音楽1本にしよ」って自分の中でふと決まった瞬間があったんです。──YouTubeではご自身のセルフカバー動画も投稿されていますが、今後ライブ活動などは考えていますか?歌がうまくなったらやりたいですね。自信がついたらやると思います(笑)。
Text:ヒガキユウカ
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Chinozo
Chinozo(ボカロP)関⻄出身。15才から音楽(ギター)を始め、バンド活動を経て、DTMを始める。2018年よりボカロPとしての活動を開始し、2019年3月よりYouTube投稿をはじめる。電子的な雰囲気が強い楽曲から、バンドサウンドが印象的な楽曲まで、クロスオーバーな楽曲を多数作成し、ファンからは「中毒性がある」「メロディーが良い」と評されており、海外リスナーも多い。2020年4 月にYouTube投稿された「グッバイ宣言」は8千万回再生突破し、ハチ(米津玄師)の楽曲「砂の惑星」を抜き、YouTubeで最も再生されるボーカロイドが歌唱した楽曲となった。またTikTok週間楽曲ランキング5度の1位、そして BTS「Dynamite」を抑えてTikTok 2021年上半期楽曲ランキングで1位を獲得している。BillboardにおいてはHeatseekers Songs 2週連続1位、Top User Generated Songs 2位を獲得している。YouTube|Twitter|Instagram|TikTok
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「覚醒必須!超ハードモードミュージックキャンペーン #歌いきれたらプロ級チャレンジ」

2021年12月10日(金)■参加方法:① 「HERO」feat.FloweR(Short Ver.)公開ページ(Chinozo YouTube Shorts 説明欄内)より音源をダウンロード② 「HERO」feat.FloweR(Short Ver.)の歌ってみたに挑戦(ZONeを飲めばより覚醒して歌いきれるかも!?)③ハッシュタグ「#歌いきれたらプロ級チャレンジ」を投稿テキストにつけてTikTok / YouTube Shorts / Instagramリール / Twitterのいずれかで投稿。ZONeのコンセプトである「覚醒」をテーマに、最も“覚醒して歌いきった”投稿者には、12月29日に公開されるFull.Verの先行ダウンロード権がプレゼントされる。Chinozo YouTube Shorts
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