キュート&ストレンジ、アシュニコ(Ashnikko)の描く世界は隅々まで独特の美学で満ちている。<Coachella>や<Reading & Leeds>、さらにビリー・アイリッシュのオーストラリア・ツアーへの帯同を経た彼女は、一人のアーティストとして原点であるダンスミュージックに立ち返った。
INTERVIEWAshnikko
──前回の来日では熊野古道をはじめ様々な場所を訪れたとお聞きしましたが、今回はいかがですか?
アシュニコ 正直、まだそんなに遊べてない。この前の熊野古道は本当に楽しかったな……とにかく綺麗だった。温泉でサツマイモを茹でたりして、私の人生で最高の日だったかも(笑)。
──昨日のTikTokライブでは『こびとづかん』を持っていましたね。
アシュニコ あの子たち大好き! 超ファニーだよね、最高。
──どこで手に入れたんですか?
アシュニコ 「Trinkets」のMVのムードボードに『こびとづかん』が入ってたんだよね。あのMVを見たことあるなら、すぐにピンと来るはず。それで日本に来たタイミングでキデイランドに行って……マジでテンション上がっちゃって(笑)。そこで実際に『こびとづかん』も買ったし、ガチャガチャを探して「Trinkets」のキャラにそっくりなのもゲットした。
──そもそも、「Trinkets」のMVはどのようなストーリーなんですか?
アシュニコ そもそも「Trinkets」がちょっとフザけてるんだよね。ボーイフレンドを小物(Trinkets)やチョーカーみたいに集めて、それをバッグチャームとして扱うっていう曲。「ラブブ」って知ってる?
──はい、小さいぬいぐるみみたいな……。
アシュニコ そうそう。「ラブブ」みたいな。そんな小さくてかわいい存在として描写したのが「Trinkets」なんだよね。まぁ、要は楽しい音楽を作りたかったってこと。『Smoochies』全体がそういうノリだね。
──前作『Weedkiller』(2023)リリース時のインタビューでは、プロデューサーのスリンガーと共に「映画『DUNE』のサウンドトラックから影響を受けた」と仰っていましたよね。『Smoochies』ではどのような作品から影響を受けたのでしょうか?
アシュニコ 『Weedkiller』はハンズ・ジマーのサウンドトラックみたいだったね。刺激的だし、シネマティックな風景が特徴だったと思う。その上で、『Smoochies』のインスピレーションは、自分が音楽を作るきっかけになったポップスターたちへのオマージュなのかも。
『Smoochies』はアシュニコとして最初に発表した『Demidevil』(2021)っていうミックステープにも近いフィーリングで、ある意味ではお姉さんのような存在。思えば『Weedkiller』は私から派生した枝みたいな作品で、新しいことに挑戦できたから楽しかったんだけど、今は元々住んでいた星に戻りたい気分なんだよね。
──先行シングルの「Trinker」や「ITTY BITTY」のように、洗練されたダンストラックが『Smoochies』には並んでるような印象なのですが、それもポップスターや若い頃の自分へのオマージュなのでしょうか?
アシュニコ うん。そもそも、私が「音楽で生活ができる!」って確信を得ることが出来たのは、自分がフィーチャリングされたダンストラックだったんだよね。以降も私はダンスのための音楽を作り続けてきた。
──「Liquid」や「Chichinya」のようなトラックからは、以前よりルーツとして公言しているM.I.Aのようなアグレッシブさも表現されているんじゃないかと。
アシュニコ M.I.A.と、あとはグウェン・ステファニーだね。二人の音楽は間違いなく私に影響を与えたし、『Smoochies』までのキャリアも支えてくれた。
──なるほど。
アシュニコ 同時に、『Smoochies』にはエスケーピズムの要素もある。ナイトライフ・コミュニティの提供する、現実からの逃避だね。
──あなたは頻繁に日本のアニメからの影響を口にしていますよね。現実を遠ざけるためのエスケーピズムという点では、アニメを観るという体験も近いのではないかと個人的には思います。
アシュニコ マジでそう。ノンフィクションを読むようになったのってほんのここ数年で、それまでの人生はファンタジーとか漫画に費やしてきたんだよね。今住んでるイギリスには多くのフォークロアがあるし、小さな魔女の町とかドルイドのストーンヘンジ、あとはレイラインみたいなものもとにかく沢山ある。アニメと同じくらい、そういうファンタジーにインスパイアされてるね。
──最近観たアニメで『Smoochies』の世界観と共通するものを感じた作品はありますか?
アシュニコ うーん、色々観たからなぁ。『リゼロ(注:Re:ゼロから始める異世界生活)』に『セーラームーン』、『PSYCHO-PASS』とかはずっと大好き。あとはジブリとか『エヴァンゲリオン』も観たし……ム、ムシ……。
──『蟲師』?
アシュニコ そうそれ、あれはヤバい。あとは『薬屋のひとりごと』とかね。それと、『Smoochies』のファッションで参考にしたのは『NANA』なんだよね。『NANA』の世界観がとにかく好きで、『Smoochies』のムードボードにも入れた。ビジュアル面での一番大きなリファレンスかも。
──アーティストとしてのモード・チェンジですよね。他にも『Smoochies』ではシャウトが抑えられ、リリックを一つ一つ重ねるような場面が増えている印象です。
アシュニコ なんだかんだ、シャウトしちゃうんだけどね(笑)。確かに今回はラップの比重が増したと思う。ファッションと同じで、常に変化していくことが私たちにとっては自然なんだよね。自分の中のトレンドとか服の着方、メイク、髪型とかもね。音楽もそれに合わせて進化していくと思ってるし、『Smoochies』の次もそういう変化を反映した作品になるはず。
──ちなみに、今日のファッションはどういうモードですか?
アシュニコ 今日はスタイリストが選んでくれたの、マジで「Smoochie Girl Fashion Bible」って感じ。
──おぉ。
アシュニコ:カラフルで、パターンもミックスされまくってて……ベッドから滑り落ちたまま来ちゃった、みたいな(笑)。それこそ「Trinkets」みたいなノリで、ヒールにチャームとかリボンが付いてて、あちこちにぶら下がってる。ちょっと雑に見えるかもしれないけど、計算された乱雑さを狙ってるんだよね。とにかくラウド、日本で階段とか上ってるとめちゃくちゃ目立つ(笑)。
──最後に、『Smoochies』のムードを最も象徴している曲はなんだと思いますか?
アシュニコ 今回は友達とゲラゲラ笑いながら書いてたんだよね、だから天才的なラインは沢山ある(笑)。でも、実際に詞として誇りに思えるのはラストの「It Girl」かな。自分と両親、そしてその先祖とのつながりに関する内容で、この曲を書くこと自体がセラピーみたいだった。いつもは1~3日くらいで曲を書くんだけど、「It Girl」だけは7回くらいセッションを重ねたんだ。結果的に素晴らしいものになったと思う。
──ありがとうございます、また日本に来てください!
アシュニコ うん、『Smoochies』のアジアツアーで絶対に行きたい! 本当はビリー(・アイリッシュ)とのツアーみたいに、一つの場所に何日も留まってツアーするのが理想なんだよね。
Interview&Text:IKKEI KAZAMAPhoto:Kazma Kobayashi
RELEASE INFORMATION
Smoochies / スムーチーズ
© Qetic Inc.
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