昨シーズンの欧州チャンピオンズリーグ、FIFAインターコンチネンタルカップを優勝するなど、近年目覚ましい成績を残すパリ・サン=ジェルマン(フランス)(以下、PSG)。
そんな同クラブが2026年、日本市場を強化すべく様々な動きを見せる。
「PSGメソッド」で学んで欲しい
インタビューは2026年1月、都内ホテルの一室で実施。
PSGに携わるようになり16年目というセバスチャン氏。元々はパリオフィスにて国際開発部門に所属していたが、ネイマール(現サントス)とキリアン・エムバペ(現レアルマドリー)が加入した2017-18シーズンに、「適切なタイミングだった」と判断し、アジアにオフィスを構えることを決断。シンガポールに本部を置き、合わせて東京と上海に事務所を設置している。
ーー本日はよろしくお願いします。PSGでは過去にもアカデミーを運営しましたが閉校しています。今回改めて開校を決意した経緯は?
セバスチャン氏
「前回は方針の違いからクローズしました。日本は常に重要なマーケットで、選手育成についてもアジアでナンバーワンと考えています。今回の開校で、PSGの価値を広げていきたいですね。若い選手の育成だけではなく、子供たちに対し、教育やお互いをリスペクトする姿勢を含めて『PSGメソッド』で学んで欲しいと考えています。」
ーー「PSGメソッド」とは具体的にどういったものになりますでしょうか?
セバスチャン氏
「元々フランス、特にパリは若手選手の育成について世界的にも定評があります。それはPSGも同様のことがいえます。実際に我々のユースプログラムで学んだ選手が、各国のクラブで活躍しています。
ーー実際に指導するコーチにもそれは反映されているのでしょうか?
セバスチャン氏
「テクニカルディレクターをつとめるピーター・キロフは、ブルガリア出身で日本でも長く指導して経験も豊富です。さらにクラブOBで、PSGエリートアカデミーコーチを務めるOBのヨハン・キャバイェ(元ニューカッスル、クリスタルパレスなど)と同じコーチングライセンスを保持しており、メソッドに沿った指導を行えます」
ーーPSGではこれまで日本人選手が所属したことがなく、アジア全体で見てもイ・ガンイン(韓国代表)のみです。アカデミーは今後のリクルーティング戦略にも影響を与えますか?
セバスチャン氏
「アプローチ自体が変わることはありませんね。先ほど申した通りで、日本はこれまでも重要なマーケットで、実際に東京でオフィスも開設し、私自身も定期的に訪れています。クラブとしても2年連続でジャパンツアーを開催した実績(2022年、2023年)があり、これはクラブとしては珍しい事例です。公式ショップやSNSアカウントも存在し、サッカークラブとして持てる全ての“要素”を展開しています。そこに今回のアカデミー開校で、より関係が深まってくるのではないでしょうか」
日本とさらなるシナジーを生み出したい
ーーツアーといえば、PSGでは過去のジャパンイベントで、「キャプテン翼」作者の高橋陽一氏を招いてのドローイングイベントを実施し、選手たちがその様子に釘付けになるなど大きな話題になりました。以前より、日本文化やコンテンツに対する理解度が高いクラブという印象を持っています。
セバスチャン氏
「これまでも『VERDY』や『NIGO』や『エヴァンゲリオン』などとコラボ実績がありますが、更なるシナジーを生み出したいです。ファッションやアートだけでなく、ガストロミーといった分野にも当てはまります。パリと東京、日本とフランスって共通点も多いですし、より深く探求していきたいですね」
ーー個人で注目している「コンテンツ」はありますか?
セバスチャン氏
「先ほどもお伝えしたガストロミーといった食事面ですと、個人的に親しくしているシェフもいますし、さらなるシナジーを生み出せると考えています。あとはeスポーツも注目していますね」
ーー好きな日本料理はあります?
「寿司ですね!毎日食べたいくらいです。
GWの東京・渋谷をジャック!~ICI C’EST PARIS in Tokyo~
ーーここからはPSG HOUSE(ICI C’EST PARIS)について教えてください。昨年末にカタールからスタートし、パリ・ロンドン・ニューヨークと世界各国で実施し、そして5月に日本の東京で開かれます。ワールドカップ直前での開催時期も含め、あなたたちに何をもたらすと考えていますか?
セバスチャン氏
「タイミング自体はそこまで意識してはないんです。元々このプロジェクトは、PSGが『パリ文化を体現しているクラブ』ということを、我々が注力している地域に伝えていくことを主眼に置いています」
ーーアジアでは東京と上海での開催を予定されています。日本が5月のGWとした目的は?
セバスチャン氏
「その時期が日本人にとって、もっとも行きやすいからですね。我々は常に各マーケットにおいて、もっともアジャストできるタイミングを念頭に置いています。ICI C’EST PARIS in Tokyoでは『芸術』『音楽』『ガストロミー』『ファッション』などにおいて様々なコラボレーションを計画し、レジェンドやセレブリティの来場も計画しています。さらにイベントを通じた『社会貢献活動』も合わせて行います」
ーー「社会貢献活動(CSR)」とはどういったものでしょうか?
セバスチャン氏
「我々にとってのCSRは、大半が子供たちを対象にしています。海外でツアーを行う際は、病院や孤児院の訪問を定期的に訪問しています」
ーーアカデミーにも取り入れていますか?
「もちろんです。アカデミーを通じた活動も視野に入れています」
希望は「フランスVSポルトガル」
ーー来たるFIFAワールドカップについて聞かせてください。あなたにとっては一個人としてもレ・ブルー(フランス代表)が最優先だと思いますが、他に注目しているポイントは。
セバスチャン氏
「仰る通りでまずはフランス代表ですが、それ以外だとポルトガル代表にも注目していますよ。現在のPSGには多くの選手(ゴンサロ・ラモス、ヴィティーニャ、ヌーノ・メンデス、ジョアン・ネヴィス)が所属していますからね。
ーーセバスチャンさんにとって「フットボール」とはなんでしょう?
セバスチャン氏
「私の全てですね。情熱であり楽しみであり、フットボールを通じて、若い選手たちに教育やリスペクトを与えてくれるものです」
ーーこれまでのお話で「教育」という言葉が何度か出てきました。あなたにとってのそれはどういったものでしょうか?
セバスチャン氏
「チームワークや、色んな事をシェアしたり、自分の限界に挑戦するためのハードワークでしょうか。そういったところに教育価値があると考えています。より良い大人になるための『人間教育』をしていきたいと考えています」
大好物の寿司エピソードや、幼少期に見ていたという「キャプテン翼」との競演には興奮したなど、随所に親日家ぶりを見せたセバスチャン氏。食文化など、今後より深い部分でのコラボは、サッカーファンならずとも期待が膨らむ。
一方で、アジアナンバーワンと語る日本サッカーに対し、どのようにしてメソッドを注入するかも注目したいところだ。
今回改めて開校したアカデミーは、関東圏の他、“聖地”静岡にも拠点をかまえることから、その本気度が窺える。実際、記者会見時には、クラブOBであるクロード・マケレレ氏をこの日のために呼び寄せたほどだ。
日本文化に対する敬意と愛情に加え、教育を重視する『PSGメソッド』が、今後の日本サッカーの発展に繋がるか推移を見守りたい。
取材・執筆:向山純平

![ワールドサッカーダイジェスト 2024年 9/19 号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61iNZutK1hL._SL500_.jpg)




![[ミズノ] フットサルシューズ モナルシーダ NEO SALA CLUB IN ホワイト/レッド 26.5 cm 3E](https://m.media-amazon.com/images/I/51KyBx5v2JL._SL500_.jpg)

![[ミズノ] フットサルシューズ モレリア TF ブラック/ホワイト 26.5 cm 2E](https://m.media-amazon.com/images/I/41P+itybOvL._SL500_.jpg)


