Jリーグは23日、黒田剛監督およびFC町田ゼルビアに対し、「けん責」の懲戒処分の決定を発表した。
黒田監督は、2023年ごろから選手の前で意向に沿わない選手を「造反者」と呼ぶなど排除を示唆する発言や、練習中に大声でコーチを叱責し、懇親会でもスタッフに暴言を吐くなど不適切な言動を行ってきたとされている。
そうした中、黒田監督を巡る指導の在り方について、2022シーズンに同監督から指導を受けた経験を持つ湘南ベルマーレGKポープ・ウィリアムが、自身の内省を交えながら持論を展開した。
ポープは25日に更新したnoteで、2022年に1シーズン在籍した町田時代を回想。黒田監督の人物像について「良くも悪くも、自分が感じたことをそのまま言葉にする」人物と表現し、「そこに悪意や誰かを傷つけようとする意図があったという認識は多分ないと思います。もちろん配慮が足りないとは思います。相手の立場に立って考えることはできない」と明確に記した。
一方で、言葉の強さや配慮の不足が、受け手によっては重く受け止められる可能性があるとも述べている。
その背景としてポープは、「監督の立場上、どうしても上になってしまう故に言われた側が何も言えないという立場に立ってしまう日本社会の構造が引き起こした問題なのかと今は認識してます」と指摘。日本社会に根付く上下関係や先輩・後輩文化を挙げ、個人の資質だけでなく、環境や構造そのものが影響しているとの見解を示した。
また自身が当時、監督と意見を異にし、移籍を決断したことについても触れつつ、「当時の僕には僕なりの正義があってそれを信じていたからこそ強化の方や社長に対して監督とは一緒にやれないって言いました」と振り返る。
そのうえで現在は、被害をどう受け取るかは、受け手の心の状態にも左右されると考えており、「僕が元被害者側の立場の人間として何かを言うなら、被害者側が言葉を捻じ曲げて受け取っている可能性は多いにある。ということ。僕がそうだったように」と自身の経験をもとに見解を述べた。
黒田監督を一方的に断じることは避け、「強者の組織作りにおいて監督の右に出る人はいない」とも言及。「受け手次第で物語は書き変わる」としたポープの言葉は、指導と受け止め方の難しさや日本の社会に根付く上下関係の問題などを浮き彫りにしている。
構造や受け手の在り方に目を向ける視点を提示した今回の発信は、指導現場全体を考える契機となりそうだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)

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