近年はサッカーのビジネス化が激しく、クラブチームでも代表チームでも数多くの試合が行われるようになり、トップレベルのプレーヤーはかなりのハードスケジュールでプレーすることを余儀なくされている。
今回は世界のサッカーにおけるデータや調査を専門としている『CIES football-observatory』から、「2025年に最も多くの試合に出場した選手」のトップ5をご紹介する。
5位タイ:リチャルド・リオス
クラブ:ベンフィカ(ポルトガル)
代表:コロンビア
ポジション:守備的ミッドフィルダー
年齢:25歳
出場試合数:69試合
出場時間:5149分
コロンビア代表で28試合に出場してきたボランチのリチャルド・リオスは、今季加入したベンフィカでもフル稼働。中盤のあらゆる場所でプレーできるユーティリティ性を持っており、恵まれたスタミナを生かしてピッチを走り回るハードワーカーである。
フットサルでキャリアをスタートしたという珍しい出自を持っているが、その後サッカーに転向して才能が開花。2018年の南米U-20選手権で活躍したことで感心を受け、19歳でブラジルへと渡り、練習参加を経て名門フラメンゴのユースに加入。それからまもなくトップチームに昇格し、グアラニーとパウメイラスで活躍した。
守備面に強みを持っているにもかかわらずドリブルやパスにも力を発揮するなど、様々なプレーに対応することができるため、どんなチーム状態であっても重宝される存在だ。
5位:リチャード・キング
クラブ:セント・ミレン(スコットランド)
代表:ジャマイカ
ポジション:センターバック
年齢:24歳
出場試合数:69試合
出場時間:5332分
現在スコティッシュ・プレミアシップのセント・ミレンでプレーしている24歳のセンターバック。2020年にジャマイカ代表でデビューしてから長く主力として活躍しており、2025年には国際試合だけで17試合に出場している鉄人だ。
地元ジャマイカのキャバリアーというクラブで台頭し、2023年にはアイスランドリーグのIBVへの期限付き移籍を経験。再び母国に戻ってからさらなる成長を遂げ、今年セント・ミレンへのステップアップを果たした。スコットランドでもすでに半年で公式戦20試合に出場するなど信頼を勝ち取っている。
9月に行われたCONCACAFチャンピオンズリーグではリオネル・メッシがいるインテル・マイアミと対戦し、2試合とも0-2で敗北。試合後には「メッシやスアレス、ブスケツらと対戦できたのは素晴らしいことだった。でも彼らのシャツは欲しくならなかった。
3位タイ:ハンス・ヴァナケン
クラブ:クルブ・ブルッヘ(ベルギー)
代表:ベルギー
ポジション:攻撃的ミッドフィルダー
年齢:33歳
出場試合数:70試合
出場時間:5925分
33歳という年齢ながら、2025年に70もの試合でプレーしたベルギー代表MF。195cmという類まれな体格を持ちながらも、見事な洞察力や知性でチームをコントロールすることができ、自らゴールを奪うこともできるという稀有な存在だ。
ロンメル・ユナイテッドとロケレンを経て2015年に加入したクルブ・ブルッヘで11シーズン目を迎えるレジェンドでもあり、毎年のように30試合以上に出場して2桁ゴールを決めてくる。あのラジャ・ナインゴランも「これまで見た中で最も頭が良い選手」と称賛するほどだ。
この年齢になってからベルギー代表でも主力となった彼は、今回のワールドカップ予選でもカザフスタン戦とリヒテンシュタイン戦でゴールを決めており、チームの本大会出場に大きく貢献している。
3位:フニオール・アロンソ
クラブ:アトレチコ・ミネイロ(ブラジル)
代表:パラグアイ
ポジション:センターバック
年齢:32歳
出場試合数:70試合
出場時間:6036分
パラグアイ代表で68試合に出場している32歳のベテランディフェンダー。国内の名門セロ・ポルテーニョで活躍したあと、リール(フランス)、セルタ(スペイン)、ボカ・ジュニオルス(アルゼンチン)、アトレチコ・ミネイロ(ブラジル)、クラスノダール(ロシア)と様々なリーグを渡り歩いた。
現在所属しているアトレチコ・ミネイロには2020年、2022年(期限付き移籍)、2024年と3回加入しており、ファンからも非常に愛される存在となっている。
2025年はクラブがコパ・スダメリカーナに参加しており、ミナスジェライス州選手権も戦い、ワールドカップ予選でもフル稼働したため、出場数は70試合の大台に達している。ちなみに出場時間で見れば2025年でトップの鉄人だ。
1位タイ:ヴァンゲリス・パヴリディス
クラブ:ベンフィカ(ポルトガル)
代表:ギリシャ
ポジション:ストライカー
年齢:27歳
出場試合数:72試合
出場時間:5073分
出場試合数でトップタイとなったのは、ベンフィカでプレーしているギリシャ代表FWのヴァンゲリス・パヴリディスだった。今季のポルトガルリーグで15試合14ゴールという目覚ましい活躍を見せている彼は、代表でも欠かせない存在になっている。
ボーフムの下部組織で育ったあと、ボルシア・ドルトムントのBチームやヴィレムIIでプレーし、2021年から所属したAZアルクマールで大ブレイク。エールディビジで29ゴールを決めて得点王となり、昨年ベンフィカへと移籍した。
2024-25シーズンにポルトガルリーグ全試合に出場した他、チャンピオンズリーグやクラブワールドカップにも出場。ギリシャ代表でも9試合でプレーしており、その出場数はサッカー界トップになった。
1位:ヴィティーニャ
クラブ:PSG(フランス)
代表:ポルトガル
ポジション:セントラルミッドフィルダー
年齢:25歳
出場試合数:72試合
出場時間:5683分
試合数ではヴァンゲリス・パヴリディスと並んだが、出場時間では上回ったヴィティーニャ。ポルトの下部組織で育った生え抜きのセントラルミッドフィルダーは、2022年に加入したパリ・サンジェルマンで世界的なスター選手に成長した。
ルイス・エンリケ監督には絶大な信頼を受けており、2024-25シーズンにはチャンピオンズリーグで17試合に出場してヨーロッパ制覇に大きく貢献。クラブワールドカップでもフル稼働して8試合でプレーした。
今季も引き続きレギュラーとして数多くの試合に起用されているほか、ポルトガル代表でも10試合に出場。2025年だけで72試合のプレーとなっている。
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。

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