今シーズンもイングランド・プレミアリーグは「世界で最も移籍金を費やした」コンペティションとなった。新しい選手を獲得するために全20クラブを合わせて31億9000万ポンド(およそ6400億円)を支払っている。
しかしながら、リヴァプールがイングランドでの移籍金記録を更新したフロリアン・ヴィルツとアレクサンデル・イサクはあまり活躍しておらず、お金をかけたからといって成功が約束されるわけでもない。
今回は『Give me Sport』から「Whoscoredの統計から見て、プレミアリーグで今季最高の補強となっている選手」のトップ5をご紹介する。
5位:マリック・ティアウ
加入元:ACミラン
加入先:ニューカッスル・ユナイテッド
移籍金:3460万ポンド(およそ73億円)
アレクサンデル・イサクが練習参加を拒否するなどフラストレーションが溜まる夏を過ごしたニューカッスル・ユナイテッドであるが、ACミランからおよそ3460万ポンドの移籍金で加入したマリック・ティアウの活躍については、クラブの強化担当も大喜びなのではないか。
シャルケ04の下部組織で育った24歳のドイツ代表DFは、2022年にわずか500万ユーロの移籍金で加入したACミランでブレイクした。当初はあまり出場機会が与えられなかったが、ステーファノ・ピオーリ監督が採用した3バックシステムに適応したことで重要な存在となり、チャンピオンズリーグでも活躍を見せた。
かつてのチームメイトであったサンドロ・トナーリと再会した彼は、11月に行われたエヴァートンとのアウェイゲームで2ゴールを決めるなどインパクトを残し、マン・オブ・ザ・マッチに選出。チームがあまりうまく行っていない状況の中、数少ないプラス材料の一つになっている。
4位:マテウス・クーニャ
加入元:ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ
加入先:マンチェスター・ユナイテッド
移籍金:6250万ポンド(およそ125億円)
公式戦15試合で3ゴール1アシストという成績は多くの人々が期待したほどではないかもしれないが、マテウス・クーニャは間違いなくプレミアリーグで屈指のアタッカーだ。
昨季の最終節の翌日、マンチェスター・ユナイテッドはウォルヴァーハンプトンとのローン契約に盛り込まれていた買取条項が発動し、マテウス・クーニャの保有権を手にするために6250万ポンドを支払うことになった。
そしてマテウス・クーニャはマンチェスター・ユナイテッドで試合に出るたびにその中心的な存在となり、オールド・トラッフォードをわかせるような華麗なトリックを披露している。彼がもしコンスタントにゴールを決められるようになれば、チームはより上位に躍り出ることができるはずだ。
3位:オマル・アルデレーテ
加入元:ヘタフェ
加入先:サンダーランド
移籍金:1000万ポンド(およそ20億円)
違った国のサッカーに馴染むにはしばらく時間が必要なものであるが、オマル・アルデレーテはそれに当てはまらなかったようだ。パラグアイ代表で29試合に出場してきたセンターバックの彼は、驚くほどに素早くサンダーランドの試合に溶け込んだ。
バーゼル、ヘルタ・ベルリン、バレンシア、ヘタフェでプレーしてきた彼は、緻密でパワフルな守備によって相手のアタッカーを抑え込んでいるほか、ボール扱いの巧みさや前に送るパスの精度でも高い評価を獲得している。
2部から昇格してきたばかりのサンダーランドであるが、プレミアリーグで現在17試合で7勝6分け4敗と好調なパフォーマンスを見せている。
2位:モハメド・クドゥス
加入元:ウェストハム・ユナイテッド
加入先:トッテナム・ホットスパー
移籍金:5500万ポンド(およそ110億円)
前半戦でのトッテナム・ホットスパーの成績を考えれば意外であるかもしれないが、Whoscoredにおける統計においてモハメド・クドゥスのレートは非常に高い。低迷しているチームの中でその数値を残しているということは、どれだけ安定した活躍をしているかという点の証明でもある。
ウェストハム・ユナイテッドはもしかしたら5500万ポンドという価格で手放したことを後悔しているかもしれない。昨季のプレミアリーグで通算124回のドリブル成功数を記録したアタッカーは、シーズン13ゴールを決めてインパクトを残した。
そして今季は新天地ですぐに最高の状態に達しており、公式戦23試合に出場して3ゴール6アシストを記録。彼がいなければ、トッテナムは現在よりも遥かに難しい状況に陥っていたことだろう。
1位:グラニト・ジャカ
(C)Getty Images
移籍元:レヴァークーゼン
移籍先:サンダーランド
移籍金:1300万ポンド(およそ26億円)
サンダーランドがレヴァークーゼンからグラニト・ジャカを獲得したとき、ファンからは賛否両論があった。アーセナルで長年プレーした経験を持っている選手であるが、すでに33歳となっており、高額な移籍金を支払う価値があるのかどうか疑問ももたれていた。
しかしながら、プレミアリーグに戻ってきた彼は、アーセナル時代にエミレーツ・スタジアムで見せていパフォーマンスよりもかなり高いレベルに達している。ミケル・アルテタ&シャビ・アロンソの両指揮官を経験し、戦術的にもトップレベルのオールラウンダーに成長したようだ。
しかも元々持っていた闘争心も健在であり、素晴らしいリーダーシップも見せている。彼の存在がサンダーランドを誰も予想しなかったほどの上位へと導いたと言っても過言ではない。
パニックじゃない!最終日に契約した「プレミアの大成功補強」9選手
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。

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