試合に出られなかった中学時代…選手権で快進撃の水口高FW池口遼、支え続けた母へ「ゴールで応えたい」

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[第104回全国高校サッカー選手権大会2回戦、広島皆実高(広島県代表)1-3 水口高(滋賀県代表)、31日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場]



2回戦が関東各地で行われ、29大会ぶり16度目出場の水口高は、広島皆実高を3-1で下し、3回戦進出を決めた。



この日、最前線で先発したFW池口遼(3年、MIOびわこ滋賀U-15)は無得点に終わったものの、攻撃の起点となるポストプレーや前線からの献身的な守備で、攻守にわたり存在感を放った。



試合に出られなかった中学時代…選手権で快進撃の水口高FW池口遼、支え続けた母へ「ゴールで応えたい」
画像: クロスを上げる池口(写真中央、左から2番目 縄手猟)

クロスを上げる池口(写真中央、左から2番目 縄手猟)



ライバルを見返すため水口高へ進学



池口は、相手をなぎ倒しながら強引にシュートまで持ち込む野性的な力強さを持ち味とするストライカーだ。



この試合でも、相手DFにシャツを引っ張られながらもボールを収める体幹の強さや、利き足とは逆の左足で芯を捉えた球威のあるシュートを打つ姿が印象的だった。



だが、中学時代にMIOびわこ滋賀U-15でプレーしていた池口は、3年間で公式戦に出場した経験がほとんどなく、「サッカーがしんどい」と感じていたという。



悔しい中学3年間を過ごした池口は、近江高や草津東高など県内の強豪校に進学したチームメイトを「見返したい」という思いから水口高への進学を決断した。



その悔しさを糧に、池口は高校入学後、まずは身体づくりに取り組んだ。中学時代は150センチほどだった身長は179センチまで伸び、いまでは日々の体幹トレーニングで鍛え上げたフィジカルの強さが、自身の大きなストロングポイントとなっている。



「中1のときは150センチぐらいだったんですけど、中3から高校までに10センチくらい背が伸びた。中学時代は身体も強くなかったので、食事や体幹トレーニングを中心に身体づくりをして、ゴール前で強い選手なりたいと思って、(カリム・)ベンゼマや(セルヒオ・)アグエロを参考に、自分のプレーに落とし込んだりした」



試合に出られなかった中学時代…選手権で快進撃の水口高FW池口遼、支え続けた母へ「ゴールで応えたい」
画像: 強引にシュートまで持ち込むプレーが池口の持ち味だ(写真中央 縄手猟)

強引にシュートまで持ち込むプレーが池口の持ち味だ(写真中央 縄手猟)



水口高での3年間で、エースストライカーへと成長した池口だったが、今年10月の練習試合で右足の甲を骨折。選手権の県予選を直前に控えた時期での負傷に、焦りが生じても不思議ではなかった。



それでも水口高の背番号9は、「右足で蹴れなくなって、そこで『下を向いたらいけない』と思い、左足の練習を始めました」と、右足を負傷していた期間を逆足のキック精度向上に充てた。



11月9日に行われた県予選準決勝・近江高戦では、「絶対にやりたい」という強い思いから、痛みを抱えながらも強行出場。2ゴールを挙げる活躍で、かつて自身をベンチに追いやった元チームメイトたちを見返した。



今大会では、足の甲への衝撃を抑えるため、スパイクにクッションを入れてプレーしている。



支え続けてくれたお母さんにゴールで応えたい



初戦で上田西高に1-0で完封勝利した水口高は、この試合でも前線から積極的にプレッシャーをかけ、ピンチの場面では全員で身体を張って耐えしのいだ。



前半を2-1で折り返すと、後半14分、前線で相手に身体を入れてボールを奪った池口が前を向き、相手ディフェンスラインの背後へ走ったFW重田遥輝(3年、FC湖東)の足下へ、右足で絶妙なスルーパスを供給。重田がGKとの一対一を左足で冷静に決め、リードを2点に広げた。



アシストを記録したストライカーは、「今大会は、味方を生かすことを目標にしてやっています。自分で(ドリブルで)行って、最後にフリーの選手にパスを出せたので、その目標を達成したところは良かった」と振り返った。



試合に出られなかった中学時代…選手権で快進撃の水口高FW池口遼、支え続けた母へ「ゴールで応えたい」
画像: この日、チーム3点目の得点を挙げた重田(写真中央)とアシストを記録した池口(写真左から2番目 縄手猟)

この日、チーム3点目の得点を挙げた重田(写真中央)とアシストを記録した池口(写真左から2番目 縄手猟)



試合終盤も、池口は前線からボールを追い回し、必死の形相で戦い続けた。



「試合に出てる以上、やることはやらないといけない。応援してくれている仲間がスタンドいっぱいいるので、それを見ていたら走るしかない」



中学時代に、試合に出られなかった経験があるからこそ、スタンドで応援するチームメイトの気持ちは誰よりも理解している。



「自分も中学で(試合に)出られなかったというのもあって、悔しい気持ちは分かる。それでもスタンドで応援してくれる仲間がたくさんいるので、責任持ってやるようにしています」



試合に出られなかった中学時代…選手権で快進撃の水口高FW池口遼、支え続けた母へ「ゴールで応えたい」
画像: 前線から果敢にボールを奪いに行く池口(写真中央 縄手猟)

前線から果敢にボールを奪いに行く池口(写真中央 縄手猟)



水口高の次戦の相手は、優勝候補の神村学園高だ。



3人のプロ内定選手を擁する強敵との対戦だが、次はゴールを決めたいと意気込む。



水口高の背番号9は、「お母さんが一番応援してくれているので、ゴールで応えたい」と力を込めて語り、「小学校の頃から毎日送り迎えしてくれたり、ご飯もこだわって自分だけ別メニューをつくってくれたこともあって、本当にずっと応援してくれた。

やっぱり一番お母さん(の思い)に応えたい」と、支え続けてくれた母への感謝の思いを口にした。



滋賀県出身のプロサッカー選手「最強の5人」



水口高と神村学園高の一戦は、来月2日午後2時10分からUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われる。



中学時代の悔しさを糧に成長したストライカーは、次戦でチームメイト、そして母への感謝の気持ちをプレーで表現する。



(取材・文・写真 縄手猟)

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