Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。
サッカー界ならではの素晴らしい制度、連帯貢献金
8月7日、日本代表MF堂安律がドイツのアイントラハト・フランクフルトに移籍することが発表された。
ドイツ誌『キッカー』での報道によれば、フランクフルトからフライブルクへ2,100万ユーロ(約36億円)の移籍金が支払われるという。
その際、国内サッカーファンとして気になる点は、連帯貢献金がいくら支払われるのか、というポイントだ。
連帯貢献金は、FIFAの規約に基づく国際ルールであり、満12歳から23歳までに所属した全てのクラブに対して移籍金に応じた金額を分配するもの。堂安の場合、19歳まで在籍していたガンバ大阪に連帯貢献金が支払われる。
FIFAの規程では、一度日本から海外へ移籍した選手の場合、ドイツ国内間での移籍だとしても、移籍金発生時は連帯貢献金が生じる仕組みとなっている。ボルシアMGに移籍した町野の移籍と同様である。
実際にいくら受け取るのか、金額は以下の通りである。※1ユーロ172円で計算
・西宮SS(0.25%)900万円
・ガンバ大阪(2.25%)8,100万円
《内訳》
2010年 西宮SS 12歳 0.25% 900万
2011年 ガンバ大阪Jrユース 13歳 0.25% 900万
2012年 ガンバ大阪Jrユース 14歳 0.25% 900万
2013年 ガンバ大阪Jrユース 15歳 0.25% 900万
2014年 ガンバ大阪ユース 16歳 0.5% 1,800万
2015年 ガンバ大阪ユース 17歳 0.5% 1,800万
2016年 ガンバ大阪 18歳 0.5% 1,800万(飛び級昇格)
※堂安は6月16日生まれ。2017年6月23日に移籍。19歳直後の移籍であり、2016年の18歳分までを計算
つまり、国内のクラブへトータル約9,000万円が支払われる(移籍金報道を元にした推定)。
フランクフルトへの移籍金額は日本人の移籍金過去ベスト5に入るほどの巨額ではあったが、10代での海外移籍により国内在籍期間が短かったこともあり、連帯貢献金は1億円に達しなかった。
ただ、今後もヨーロッパ内での移籍の際はまた連帯貢献金が発生するため、ガンバとしては更なる恩恵が見込めるかもしれない。