スポーツ&プロレスの聖地で、佐野元春とスチャダラパーが魅せた熱き2日間のステージ『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025』

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東京五輪(1964年)の会場としても使われ、「プロレスの聖地」としても愛された横浜文化体育館。その跡地にオープンした横浜BUNTAIで昨年12月、アニバーサリーを迎えたアーティストを祝う『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025』が開催された。

2日間にわたるイベントには、スチャダラパーと佐野元春が登場。メモリアルイヤーにふさわしいステージで横浜の夜を盛り上げた。



レジェンドアーティストが横浜で魅せた特別なステージ



スポーツ&プロレスの聖地で、佐野元春とスチャダラパーが魅せた熱き2日間のステージ『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025』
画像: レジェンドアーティストが横浜で魅せた特別なステージ


「YOKOHAMA UNITE ⾳楽祭 2025」は、“祝祭”をコンセプトに掲げ、周年などの節⽬を迎えるレジェンド・アーティストたちのアニバーサリーなステージを核に、ファンや横浜という街がひとつになり、これまでにないLIVE 体験を届けることを目指したイベントだ。



初日はレキシ、電気グルーヴとの“対バン”で魅せたスチャダラパー (12⽉6⽇)、2日目は佐野元春(12月7日)が登場し、会場を熱狂に包んだ。



佐野元春が“40年ぶり”横浜BUNTAIに



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撮影:アライテツヤ



デビュー45周年を迎えた2025年は、3月に『HAYABUSAJET I』、12月に『HAYABUSA JETⅡ』と2枚のアルバムをリリース。ロックフェスへの出演もこなしながら全国を回った45周年アニバーサリー・ツアーの集⼤成ともいえるファイナル公演として、佐野元春は横浜BUNTAIのステージに上がった。



1980年に発売したデビューアルバム『Back To The Street』のジャケットが、横浜山下町のブティック「赤い靴」で行われたこともあり、「佐野元春デビューの地」として知られている横浜。会場のロビーには、1994年9月に横浜スタジアムで開催された「LAND HO!」で撮影された写真の展示も行われ、この日を待ちに待ったファンの皆さんが開演前から長蛇の列を作っていた。



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画像: 『LAND HO!』は1994年9月15日に横浜スタジアムで行われた佐野元春 & ザ・ハートランドのファイナルライブで、昨年10月にはその模様を収めた完全限定生産のブルーレイも発売された。 筆者撮影

『LAND HO!』は1994年9月15日に横浜スタジアムで行われた佐野元春 & ザ・ハートランドのファイナルライブで、昨年10月にはその模様を収めた完全限定生産のブルーレイも発売された。 筆者撮影



「YOUNG BLOODS -ヤングブラッズ-」「つまらない⼤人になりたくない」で幕を開けた記念すべきステージは、新旧のレパートリーを織り交ぜながら、心地よく優しいビートで観衆を魅了した。



「僕がこの場所(当時は前身の横浜文化体育館)で演奏するのは、なんと四十年ぶり。皆さんの中には、実は(前回のライブに)来てくれた人もいると思いますが、これからも良い曲、良い音楽を届けていくので、応援をお願いします」と佐野が決意を語ると、大きな拍手が鳴る中で『誰かが君のドアを叩いている」に。「レインガール」や曲中のコールアンドレスポンスが印象的な「悲しきレディオ」でヒートアップしたステージは一時休憩に突入した。



会場内のスクリーンに山中湖で収録されたインタビューが映し出された後、ステージは第2部に。



身体や心が動き出してしまうようなビートが印象的な1部とは一転し、佐野が抱く昨今の社会情勢への不安や子供達への温かな思いを感じずにはいられないステージとなった。



「今夜もこの大事な時を、皆さんと一緒に過ごせてすごく嬉しいです。最近、世の中をを見ていると、色々なところに境界線が見えますが、『それを超えていきたい』いう気持ちで歌います」と話し、披露したのは『境界線』。2015年に読売新聞社の要請によって制作され、新聞記者へのエールを綴った楽曲が、観衆を優しく包み込んだ。



スポーツ&プロレスの聖地で、佐野元春とスチャダラパーが魅せた熱き2日間のステージ『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025』
画像: (C)Getty images 2004年撮影

(C)Getty images 2004年撮影



楽曲を歌い終えると再びMCに。



「(会場を見渡しつつ)僕のファンの皆さんも年齢が上がってきましたが、会場にはキッズたちも来てくれています。次に歌いたい曲は、世界中のキッズに向けて歌いたいです」と宣言し、スカの心地よいビートが印象的な『愛は分母』に。スカのビートにのせ、佐野の独特の振りも相混じって、深いメッセージを楽しく聴かせてくれた。



「エンタテイメント!」からの「水のように」「⼤人のくせに」「ニューエイジ」と続くところでは、映像がメッセージの深い意図をサポートし、さながらロックオペラでも見ているかのように、佐野が託した思いが届けられた気がした。



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画像: 筆者撮影

筆者撮影



そして、ライブの第2部も終盤戦に突入。



「この街には色々な思い出があります。最初のアルバム『バック・トゥ・ザ・ストリート』のフロントカバーも横浜の町で撮りました。

きっと来てくれた人もいるんじゃないかと思いますが、横浜スタジアムのライブ(1994年)も思い出に残っています。僕は今から歌うこの曲を『書いて本当に良かったな』と思っています。なぜなら横浜のみんなと一緒に歌えるからです。よかったら一緒に歌ってください!」



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画像: www.amazon.co.jp
画像参照:https://www.amazon.co.jp/BACK-STREET-%E4%BD%90%E9%87%8E%E5%85%83%E6%98%A5/dp/B00AAKVW9S

佐野が思い出を振り返りながら感慨深げに話すと、代表曲の『SOMEDAY』に。お馴染みのイントロが流れると、会場は大歓声が巻き起こった。



「45周年を振り返ってみると、僕は素晴らしいミュージシャンとの出会いに恵まれて今がありますし、ずっと応援をしてきてくれるファンの皆さんに感謝したい」と思いを語った佐野が本編の最後に披露したのが「約束の橋」だ。



「今までの君は間違いじゃない」と歌い上げる佐野の姿は、これまでの自身のキャリアに対する思いようにも感じられた。



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画像1: 主催者提供

主催者提供



大歓声の中で迎えたアンコールでは、「シュガータイム」「スターダストキッズ」「ソーヤング」と続け、最後は熱狂が渦巻く中で、デビュー曲の「アンジェリーナ」を披露。



「僕はこの国に暮らして、人生を自由に感じ、自由に思い、自由に表現してきました。でもそれは当たり前のことではなく、実はとても幸運なことだったのではないかと思っています。今、世界中で、『自由やデモクラシーとは何か?』と色々な意見が飛び交っていますけども、考えすぎて臆病になってもいけません。みんなが今夜、一緒にいてくれることが、僕にとって本当に心強いです。

45 周年を迎えますが、“ノスタルジー”ではなく、今まで通り楽しく、最前線で戦っていきたいと思います」



佐野はデビューした街での記念のステージを、力強い言葉で締め括った。



スチャダラパーのデビュー35 周年を締めくくる!電気グルーヴ×レキシとのバトル



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画像2: 主催者提供

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1990 年にアルバム「スチャダラ⼤作戦」でデビューし、35周年を迎えたスチャダラパーは、電気グルーヴ、レキシを招いたライブアクトを開催。ヒップホップ、テクノ、ファンクと、それぞれのシーンを牽引してきた3者が揃い踏みする貴重な一夜となった。



愛に溢れたパフォーマンスで沸かせたレキシ



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最初のステージを任されたレキシは、代表曲の「きらきら武⼠」、「KMTR645」、「狩りから稲作へ」などを披露。お馴染みのイルカや稲穂を織り交ぜつつ、リップスライムのヒット曲「楽園をベイベー」のフレーズを即興で魅せたり、スチャダラパー・ANIと「今夜はブギー・バック」を盛り込んだりして、この日限りの特別なステージを締め括った。



スチャダラパーのサンプリングで魅せた電気グルーヴ



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画像4: 主催者提供

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続く電気グルーヴは、スチャダラパー「Trio The Caps」の⼀節──「ヘラヘラしてたらこの有様さ
ボサ~っとしてんだからお互い様か」──をサンプリングしたイントロに乗せて登場。



過去に電気グルーヴの「Happy Birthday」でも使⽤されたフレーズとともに⽯野卓球とピエール瀧が姿を⾒せると、会場には⼤きな拍⼿が湧き起こった。



肝心のライブは「Missing Beatz」、「モノノケダンス」、「The Big Shirts」と展開。



スチャダラパーロゴをモチーフにした、地球儀に「DENKI」と描かれたビジュアルがスクリーンに映し出される中で、電気グルーヴは「Missing Beatz」、「モノノケダンス」、「The Big Shirts」と展開。熱狂と勢いそのままに「Upside Down」「Fallin' Down」「ガリガリ君」「B.B.E.」とノンストップでパフォーマンスし、ラストは「⼈間⼤統領」で締め括った。



スチャダラパーの歩んだ35年間が詰まった一夜に、ライムスターも登場



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画像5: 主催者提供

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この日の主役スチャダラパーは、35年前のデビューアルバム「スチャダラ⼤作戦」 に収録された「スチャダラパーのテーマPt.2」からライブをスタート。



「SAYおーいす」というBoseのコールに対し、会場中からレスポンスが沸き起こり、アリーナの
⼀体感は最⾼潮に。続けて「ノーベルやんちゃDE賞」「MOREFUN-KEY-WORD」など、スチャダラパーの名曲群が⽮継ぎ早に披露された。



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画像6: 主催者提供

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「B-BOY ブンガク」や「From 喜怒哀楽」と、リリース 30 周年を迎えたアルバム「5th WHEEL 2 the COACH」からの楽曲に続いて、「今夜はブギー・バック(LUVRAW REMIX)」「Pointless 5」とメロウな楽曲でじっくりと聴かせるスチャダラパー。



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画像7: 主催者提供

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「じゃあ、このスペシャルな曲をやりましょう︕」という Bose の⾔葉から SHINCO がプレイしたのは、 スチャダラパーからのライムスター「Forever Young」のイントロ。そしてサプライズゲストとしてライムスターが登場し、 ⼤歓声が湧き起こる中、 ⼆組のコラボパフォーマンスがスタート。更にその熱気は⾼まっていく。



20年前のコラボナンバーで締めくくるメモリアルなステージ



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画像8: 主催者提供

主催者提供



鳴り止まないアンコールと共に再登場したスチャダラパーと電気グルーヴは、 柿を使った地味目なコントやピエール瀧とANIのMCバトルを経て、ラストナンバーの「聖☆おじさん」に。



20年前にスチャダラパー×電気グルーヴ名義で発表されたコラボレーションナンバーが披露されると、「待っていました」と言わんばかりの大歓声が会場を包み、特別なステージは幕を下ろした。



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画像: 20年前のコラボナンバーで締めくくるメモリアルなステージ


2026年が幕を開け、スチャダラパーは5月26日にLINE CUBE SHIBUYAでライブの開催が、佐野元春は昨年から続く45周年ツアーの追加日程が発表されている。キャリアの節目となった横浜でのステージを経て、勢力的な活動に邁進する両アーティストの今後にも目が離せない。

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