「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」

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[第104回全国高等学校サッカー選手権大会3回戦、大分県立大分鶴崎高等学校(大分県代表) 1-5 流通経済大学付属柏高等学校(千葉県代表)、 2日、千葉・フクダ電子アリーナ]



2日に関東圏各地で3回戦が行われ、大分鶴崎高は流通経済大柏に1-5で敗れた。



憧れの相手だった流通経済大柏イレブンとの対戦を心待ちにしていた大分鶴崎の主将MF河野歩夢(3年、大分トリニータU-15)。



大学でプロを目指す同選手にとって、この日の試合は実りあるものとなった。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: ドリブルする河野(写真:浅野凜太郎)

ドリブルする河野(写真:浅野凜太郎)



言い方がキツくなってしまった時期も…



「憧れるのをやめましょう」



昨年の選手権で初戦敗退に終わった大分鶴崎は、メジャーリーガーの大谷翔平が口にした名言を試合前に共有して、名門の流通経済大柏に真っ正面からぶつかった。



「自分にとって初めての選手権だった去年は1回戦目で気がついたら負けてしまいました。本当に夢のような時間でしたし、楽しい思い出だったけど、自分たちのサッカーでは全国に通用しないと分かった」と主将の河野。



J2大分トリニータの下部組織で育った背番号10だが、U-18には上がれず。悔しさをバネにして大分鶴崎に進学し、同校を全国でも戦えるチームにしようと試行錯誤をしていたが、熱い思いが裏目に出た時期もあった。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: 失点後も仲間とコミュニケーションをとる河野(右、写真:浅野凜太郎)

失点後も仲間とコミュニケーションをとる河野(右、写真:浅野凜太郎)



主将に就任した今年は、練習の質や強度を求めるあまり、ついつい口調が強くなった。仲間たちからは「言い方がキツい」と注意され、イレブンは一つにまとまれなかった。



それでも、今夏のインターハイ前にチーム内で話し合いを実施して、河野は自身の伝え方を改め、イレブンも主将の想いを理解した。



夏のミーティングをきっかけにして、大分鶴崎高イレブンは一致団結。同大会で県予選を制覇すると、「夏以降は強豪校との試合でも勝てるようになった。自分についてきてくれた仲間には本当に感謝しかない」と、その後もチームは一枚岩で2年連続8回目の選手権出場を決めた。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: トラップする河野(写真:浅野凜太郎)

トラップする河野(写真:浅野凜太郎)



今大会で大分鶴崎は、初戦で山形明正高(山形県代表)を3-1で破ると、続く奈良育英高(奈良県代表)戦は強固な守備で相手の攻撃をシャットアウトして、1-0で勝利。



河野は初戦で右手首骨折の大ケガを負っていたが、「悔いなくやりたい」と痛み止めを飲んで出場し、勝利に貢献した。



そして迎えた流通経済大柏戦。「小さいころから選手権を見ていたので、流経さんは憧れのチームだった」とプロ内定選手4人を擁する強豪との試合だった。



憧れの相手はライバルに



2回戦で勝利したとき、流通経済大柏と3回戦で対戦できる実感が湧かなかったと河野。ウォーミングアップのときには「やっとやれるんだ」と、同選手にとっては“憧れ”の相手だったが、自分たちの力を信じて戦った。



そして一瞬の隙を突いた。



前半22分にピッチ中央でパスを受けたMF染矢宏輝(3年、カティオーラFC U-15)がロングボールで一気に裏を狙った。これに反応したFW山下紫凰(しおう、2年、大分トリニータU-15)が相手DFを振り払いながらボックス内に侵入し、左足シュートを流し込み先制した。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: 先制点を決めた山下(右、写真:浅野凜太郎)

先制点を決めた山下(右、写真:浅野凜太郎)



その後も「守備ではゴール前で体を投げ出してでも、絶対にやらせるなとチーム内で言っていました。きょうはこの1年間でそれが一番出せたし、全員で守れていた」と猛攻を受けるも、決死のクリアでゴールを許さなかった。



しかし徐々に流れを奪われた。



同33分に流通経済大柏の主将MF島谷義進(きしん、3年、FCフェルボール愛知、水戸ホーリーホック内定)にペナルティキック弾を沈められると、後半に同校の攻撃が爆発。

立ち上がりの2分に逆転弾を許し、最終的に1-5で敗れた。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: 流通経済大柏の島谷(写真:浅野凜太郎)

流通経済大柏の島谷(写真:浅野凜太郎)



試合後には大粒の涙を流した河野。もちろん悔しさは残るが、「本当に夢のような時間で、楽しいの一言」と後悔はない。



進学先の福岡大でプロ選手を目指す同選手にとっては、学びも大きかった。中盤でマッチアップした流通経済大柏高の主将である島谷に衝撃を受けたという。



「プロの基準を思い知らされました。一回でもいいから抜いてやろうと思っていましたが、何回も潰された。ボールをキープしてファウルをもらえたりとか、ちょっと自信もつきましたが、やっぱりプロ内定相手の高い強度の中では、まだやれないと分かった。



個人としてはこれからどんどん上を目指していく中で、このままじゃダメなんだなと。個人でも、チームとしても、勝たせられるような選手になりたいです」と意気込んだ。



憧れの相手は、ライバルに変わった。



「憧れるのをやめましょう」奮闘見せた大分鶴崎、主将MF河野歩夢が誓うリベンジ「プロの基準を思い知らされました」
画像: 応援席に挨拶する大分鶴崎イレブン(写真:浅野凜太郎)

応援席に挨拶する大分鶴崎イレブン(写真:浅野凜太郎)



Jリーグ屈指のタレント育成力!大分トリニータU-18出身「最強ベストイレブン」



河野は大学で成長し、いつか別の舞台で流通経済大柏イレブンの面々にリベンジを果たすと誓った。



(取材・文・写真:浅野凜太郎)

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