J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』
J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』

J3の福島ユナイテッドFCは8月30日、クラブが建設を目指す新スタジアムのコンセプトを発表した。

福島はこの日、ホームの鹿児島ユナイテッドFC戦で「ユナまつり」と題したイベントを開催。

最終的に8,698人がとうほう・みんなのスタジアムに詰めかけた試合は、後半アディショナルタイムに清水一雅の劇的弾で追いつき、2-2の引き分けに終わった。

その中で発表された今回の新スタジアムは、クラブのエンブレムに刻まれた「不死鳥」の精神を体現し、希望と再生の象徴として建設予定。

震災と原発事故により大きな被害を受けた福島だからこそ、世界に誇れるリジェネラティブ(再生型)なスタジアムの在り方を追求し、福島から未来への力強いメッセージを世界へ発信していくという。

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コンセプトは、『地域参加型「みんなでつくるスタジアム」~日本初の完全木造&世界初の循環型木造スタジアム構想~』。

日本発のサステナブル建築を模索するにあたり、日本の伝統である「式年遷宮」から着想を得て、木造を採用し、福島県産の製材を積層することで全体を形成。各部品は分解、再利用できる設計とし、地域資源の循環を推進する。

また、建築の部材を作る過程でクラブ関係者や地域の人々が「お祭り」のように制作に参加できる仕組みを導入。さらに植林や木工教育を通じて、次世代へ技術を継承し、資源、文化、技術の持続的な循環に挑戦していく。

J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』
J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』

スタンドには、福島の盆地型気候を活かし、自然エネルギーを最大限に利用したパッシブデザインを導入。屋根の形状により夏は日射を遮り、冬は冷風を防ぐ設計にするという。

外壁の形状変化によって夏は卓越風を取り込み、冬は風を遮断。さらに、集水した雨水を濾過することで再利用し、冬季に蓄えた雪を夏季の冷房に活用する。

J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』
J3チーム、新スタジアムのコンセプトを発表!「式年遷宮」から着想を得た地域参加型『完全木造スタジアム』

これら、自然エネルギー循環の取り組みによって消費エネルギーを削減すると共に、敷地内で生産した再生可能エネルギーを蓄電システムに蓄えることで、エネルギーの自給自足の実現を目指していくとのこと。

最終的には、持続可能性と再生デザインを評価する世界最高水準の環境指標「Living Building Challenge」の取得に挑戦するとしており、構想実現に向けた建設計画の具体化が注目される。

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