出島フットボール(DFC)は27日、オランダ・エールステ・ディヴィジ(2部)に所属するMVVマーストリヒトの株式を取得し、クラブの共同オーナーとなったことを発表した。

現在進行中のオランダサッカー協会(KNVB)での承認プロセスを経て出資比率は50%となる予定だという。

楽天やヴィッセル神戸、横浜F・マリノスで取締役を歴任した利重孝夫氏が代表を務めるDFCは、フットボール人材育成のための新たな欧州拠点を構築する会社として、2024年10月にオランダで設立。ビジネス・フットボール両分野に日本のみならず国際的にも精通したプロフェッショナルなメンバーで構成されている。

今回、マーストリヒトの株式を2025年4月2日正式に取得したことにより、本格的に事業を開始。DFCはオランダのプロクラブの株式を取得する、初の日本人グループになるとのことだ。

オランダフットボールは世界をリードする市場の一つであり、マーストリヒトへの投資はDFCにとって一歩目の大きなマイルストーンとなるそう。

1902年創設のマーストリヒトは、オランダプロリーグの発足時からプロクラブとしてリーグ参加する歴史と伝統のあるクラブ。長きにわたりエールディヴィジ(1部)で活躍し、1970年にはインタートトカップでグループ優勝を果たすなど国際的な成功も収めた。

2000年代に入って以降、エールステ・ディヴィジに所属してきたが、地理的な優位性と都市の魅力により、アカデミーから継続して多くの選手をトップリーグに輩出。熱狂的なサポーターが多いことでも知られている。

近年、世界に比肩する水準まで成長を続けている日本サッカー界。ここからさらに歩みを進め、進化の時計の針を早めるため、DFCは選手の競争力に加え、フットボールビジネス人材、テクニカルスタッフ人材においても世界と肩を並べる人材の育成が必要であると考えているという。

出島フットボールの代表取締役である利重氏は以下のように語っている。

「近年の日本人プレーヤーの活躍を筆頭とした日本サッカー界の成長は目を見張るものがあります。代表チームがW杯優勝を目標と掲げるなか、選手のさらなる活躍はもとより、指導者や選手編成を司る強化マネジメント、さらには事業、経営面における人材についても、その活動の場を世界に広げていくことが求められるようになりました。

この度、オランダにて設立した「出島フットボール (DFC)」では、そのような問題意識、またチャンスが到来したとの認識の下、オランダ2部に所属する「MVVマーストリヒト」の共同オーナーとなりました。今後日本サッカー界をリード、サポートするあらゆる人材、企業が本場欧州で活躍・実践する場を得て、W杯優勝に向けた力となるよう全力を尽くしていく所存です」

DFCはマーストリヒトの共同オーナーである地元出身の若手起業家たちで構成されたMaastricht Collectiefや、地元ステークホルダーたちと連携しながら、日本・オランダを橋渡しする国際的なビジネス創出を推進し、クラブの持続的な成長、地元コミュニティへの貢献、次世代の人材育成、等に今後注力していく予定とのこと。

そのプロジェクト推進役として、日本・ベルギーでフットボールクラブ経営に関わってきた飯塚晃央氏をDFCのオランダ執行責任者として任命し、今後のプロジェクトを推進していくという。

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